犬の白内障手術について|手術内容・リスク・成功率について解説

人間と同じように犬も白内障にかかります。人間にとっては一般的な症状ですが、犬には人間以上にリスクの高い病気です。

そこで、犬の白内障の症状やその対応、治療方法などについて詳しく知っておきましょう。

犬の白内障とは?

白内障とは、眼球の透明な水晶体が不透明になって視力が低下する病気のことです。眼球でレンズの働きを担う水晶体は、さまざまな原因によって透明度が損なわれていきます。

不透明になるほど目が見えにくくなり、最後にはまったく見えなくなってしまうという病気です。

この白内障の仕組み自体は、人間も犬もそう変わりはありません。

ただ、人間の場合、加齢による老人性白内障が多数を占めますが、犬がなぜ白内障を発症するかのメカニズムについてはまだわからないことが多いのが現状です。若い犬でも白内障を発症することは珍しくなく、治療のために手術を受ける犬の年齢は平均5歳と言われています。

白内障が起こるメカニズムには不明なことが多いものの、そのタイプは先天性のもの、若年性のもの、また、人間と同じく加齢性のものの3つに分かれます。前二者は遺伝がおもな原因で、従来の犬の白内障はこの2つが大多数を占めました。

ところが、最近では犬の飼育状況や餌の品質、飼い主の犬に対する健康意識などが飛躍的に向上したことにより、犬の寿命が大きく延びています。それに伴い、加齢性の白内障を発症する高齢犬が増えている状況です。また、大型犬より小型犬の方が長命な傾向にあるので、加齢性の白内障は小型犬によく見られます。

犬の白内障は、上記の3つの要因に留まりません。外傷やアトピー性皮膚炎が要因となる場合、糖尿病などの病気の合併症として発症する場合、また、紫外線の影響も大きな要因と考えられています。いずれにせよ、どんな犬でも白内障を完全に予防することは難しいです。犬も年齢を重ねるほど白内障を発症する可能性が高いということを知っておきましょう。

なお、白内障を発症しやすいとされる犬種がいくつかあります。

・プードル
・マルチーズ
・シーズー
・ビーグル
・ミニチュアシュナウザーなど

やはり大型犬よりも小型犬や中型犬に多く見られるのが特徴です。今では約60種類の犬が遺伝的に白内障を発症しやすいと確認されています。

長命な小型犬の方が大型犬よりも白内障を発症しやすいからといって、大型犬が白内障にならないわけではありません。どんな犬でもいつ白内障になるかわからないと言ってもよいので、子犬のうちから注意しておくべきでしょう。

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白内障を疑うべきポイント

飼い犬が白内障を疑われる場合、まず、本当に白内障の症状なのかどうかをチェックしてください。

先にも述べたように、犬の白内障にはさまざまな要因があります。

・病気
・遺伝
・加齢症など

見え方も症状によって違いがあると考えられます。ただ、外から見る限り、白内障の犬の目は白く濁ってくるのが特徴です。

白内障で視力が低下した犬は、行動にもその影響が表れるようになります。犬と目を合わせようとしても視線が合わないように感じる、もしくは、犬がよく物にぶつかるなど、これまでと異なる様子が見られるようなら、白内障の可能性が高いです。

目が見えないために不安そうな素振りをする犬もいます。様子がおかしいと思った時は早めに獣医に診察してもらいましょう。

愛犬が白内障と診断された場合

獣医に診察してもらった結果、疑いなく白内障だということがわかったら、犬が暮らしやすいように環境を見直すことをおすすめします。

犬は聴覚や嗅覚がとても優れているため、人間ほど視力に頼った生活を送っているわけではありません。ですので、視力が多少低下してもすぐに犬の生活に支障が出ることはないでしょう。

ただ、犬が落ち着いて暮らせるように、これまで慣れ親しんだ環境を維持してあげることが大切です。頻繁に家具の位置を変えたり、犬のケージの位置を変えたりすると、犬はとまどい不安になります。不安になった犬は攻撃的になることもあるので注意が必要です。

触る時には一声かけてからなど、犬が安心できるように配慮してあげましょう。いずれにせよ、飼い主は犬の不安を取り除いてリラックスできるように、これまで以上にスキンシップを大事にしてください。

白内障になったらどうしたら良いの?

飼い犬が白内障と診断された場合、どうするべきでしょうか。先にも述べたように、治療の可能性を考えることが先決です。白内障の治療には、内科的療法と外科的療法があります。

内科的治療

内科的治療とは点眼薬、つまり、目薬で症状の進行速度を抑える方法です。ただし、目薬では白内障の進行を抑えるだけで、根本的に治療することはできません。また、犬によっては目薬を嫌って暴れることもあります。犬にとっても飼い主にとってもストレスになりかねないので、点眼薬による治療は注意しましょう。このように、内科的療法では白内障の根治は現状不可能です。

外科的療法

外科的療法、すなわち手術を行います。現状では、手術が白内障治療の唯一の方法と言っても良いでしょう。ただし、どの犬でも手術が受けられるとは限りません。手術を受けるにはある程度の体力が必要です。

また、麻酔を施すことになるため、そのリスクも考慮しなければなりません。角膜や網膜の疾患を併発する恐れがないことも重要です。加えて、術後しばらくはエリザベスカラーを着用する必要があるため、問題なくそれを着用できる犬であること、また、その後も定期的な検診が可能であることなども条件になります。

これらのチェックをすべてクリアした犬だけが、白内障の手術を受けることが可能です。

内科的療法で白内障を完治させることは難しいですが、だからといって、放置していると症状は悪化する一方です。

また、白内障だけでなく、濁った水晶体に起因してぶどう膜炎を併発する恐れもあります。ほかにも犬にとって苦痛の大きな病気を併発するリスクが高まりますので、たとえ手術が受けられないとしても、白内障を放置することだけは避けるようにしましょう。
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犬の白内障の手術内容

現在、犬の白内障を治すには手術しか方法がありません。では、その手術とはいったいどのような内容なのでしょうか。

犬が白内障の手術を受ける際には全身麻酔が必要です。犬を麻酔で眠らせてから、超音波を発する医療機器を使って、白く濁った水晶体を砕いてから取り除きます。それから、人工の犬用レンズを水晶体の代わりに眼球に挿入し、眼球の表面を縫合します。

犬の水晶体の硬さによっても変わりますが、手術自体は短時間で可能です。早い場合は30分程度で終了するでしょう。

全身麻酔をかけているので回復に時間がかかりますし、また、合併症のリスクを抑えるため、術後の炎症をすぐに抑えられるようにしておかなければなりません。そのため、数日から1週間ほどの入院が必要になります。

なお、白内障の手術費用ですが、両目で50万円以上が相場です。

白内障の手術の成功率とリスクについて

従来は手術を受けてもその成功率は50~70%程度と高くありませんでした。ところが、技術の進歩によって高性能の医療機器ができたこともあり、成功率は90%以上までにアップしています。

しかし、それはちゃんとした動物病院で腕のある獣医師に執刀してもらった場合です。高い成功率で白内障の手術を可能にしたのは、高性能の手術用顕微鏡のおかげですので、その設備がない動物病院だと成功率が低くなってしまいます。

また、顕微鏡での手術には、獣医師に高い技術を要求します。したがって、白内障の手術の成功率が高いといっても、実際に手術が可能なのは、高い技術と豊富な経験を持つ獣医師が在籍する医療設備が整った動物病院のみと思ってよいでしょう。

手術のリスクと併せて、術後の環境にも注意しなければなりません。上記のとおり、犬は手術後、数日から1週間程度の入院が必要です。ただでさえ手術によって体力が消耗しているうえ、入院期間は住み慣れた自宅とは異なる環境で過ごすことになります。

犬に多大なストレスがかかることは容易に想像できるでしょう。その結果、入院中に犬が落ち着かなく動き回ったり、吠え続けたりしてしまうと、そのせいで術後の炎症が悪化することがあります。

また、白内障の手術でもう一つ考えておかなければならないのが、手術が成功して視力が戻ったとしても、それが生涯保証されるわけではないことです。いったんは見えるようになっても、数年後にまた見えなくなることもあります。最近の報告によると、術後3年以内に失明する犬が10~20%もいるとのことです。
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目の健康を現状維持する方法は?

白内障がそれほど進行していない犬の場合

この場合、白内障を進行させないための予防策が大切です。犬の白内障の一つの要因である紫外線対策に力を入れましょう。紫外線が目に入ると、水晶体や角膜で吸収されてダメージが蓄積されます。

それが白内障を引き起こすこともあるので、なるべく犬の目に紫外線が入らないように気をつけることです。具体的には、散歩に行く時はなるべく日中は避け、早朝や夕方以降など紫外線量の少ない時間帯を狙いましょう。

また、日中外に出る必要がある時は、犬用のゴーグルを使うのも一つの方法です。紫外線をカットする犬専用のゴーグルが販売されているので、そのようなアイテムを選んであげてください。

白内障で視力が低下している犬の場合

白内障で視力が低下している犬でも、外に散歩に行きたがることはあります。そのような時は散歩させてあげましょう。

ただし、交通量の多い道路を避けたり、安全な場所まで抱っこしたりして、安全には配慮してあげてください。また、外傷によっても白内障を発症することがあります。目やにが溜まらないように、こまめにお手入れしてあげるのが予防法の一つです。

また、長毛種の犬の場合、毛が目に入らないように気をつけてあげましょう。日常的に飼い犬の目のケアをしていると、白内障などの異常にも気がつきやすくなります。

目をサポートするサプリメントの活用

すでに白内障を発症している犬の場合、これ以上目の健康を衰えさせないために犬用サプリメントで目に良い栄養素を与えるのも一つの方法です。上述のように、白内障のメカニズムはまだ十分に解明されていませんが、酸化ストレスが細胞にダメージを与えることが一つの要因と考えられています。

そのため、抗酸化作用の高い栄養素をサプリメントで摂取すると、白内障の進行を抑える効果が期待できるでしょう。

「アイズワン」という犬用サプリメントには、アントシアニン、ルテイン、アスタキサンチン、DHAなどの栄養素が豊富に含まれています。

アントシアニンとはブルーベリーなどに豊富に含まれる抗酸化物質で、紫外線の影響で目に溜まった活性酸素を除去する効果が期待できます。

ルテインとは犬の目の水晶体や黄斑部に含まれる成分ですが、体内では生成できません。そのため、サプリメントで補うことで眼病予防につながると期待されています。アスタキサンチンは抗炎症作用のある成分です。目の炎症を抑え、白内障と併発することの多いぶどう膜炎などの疾病を予防する効果が期待できます。

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まとめ

人間と同様、犬にとっても白内障は身近な病気の一つです。昔と比べて飼い主の犬に対する健康意識が強くなったため、犬の寿命も大きく延びました。そのために加齢性の白内障を発症する犬も増えているのが現状です。

犬の白内障は気がついた時にはかなり進行していることがあります。それを防ぐには、子犬のうちからアイケアに力を入れ、異常がある時にすぐに気づけるようにしておくことです。

また、犬が白内障をすでに発症させているのなら、早急な処置が必要です。自然に治ることはないため、内科的療法や外科的療法を受ける必要があります。

将来的には内科的療法で白内障が治る可能性もありますが、現状では手術による治療が視力回復の唯一の方法です。手術の成功率は高いですが、同時にリスクもありますので、手術を受けるかどうかは慎重に判断しましょう。

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