肛門・排泄

犬の下痢の原因は?症状・食事・治療法について解説

犬の下痢とは?

健康な状態の犬の便には、60%~80%の水分が含まれています。水分の割合がこれ以上増えてしまうと軟便や下痢が起こりやすくなり、さらに水分量が増えると水溶性の下痢となってしまいます。

犬の下痢が続くと、とても心配なものです。1日だけならそれほど心配する必要はないかもしれませんが、治ったと思ったのに繰り返す下痢や、気になるほど長く続く下痢、また血便になっているケースもあります。

何が原因か分からず、どのタイミングで医者に連れて行くべきか、判断できないという人は少なくありません。

下痢の原因について

犬が下痢をしてしまう原因について詳しく説明します。

食事

食事による下痢はとても多く、食事の量が多すぎるだけでも下痢になってしまうことがあります。食事の量が多すぎると、体内で消化しきれずに消化不良の状態が起こり、下痢となってしまうのです。

体に合わないものを食べた時にも、下痢が起こりやすくなります。食物アレルギーを持っている子がアレルギー成分の入ったフードを食べたとか、本来食べてはいけない食べ物を食べてしまった場合などが該当します。

さらに、古くなったフードを食べた時にも、下痢は起こります。フードが古くなると、微生物や雑菌が繁殖しやすい状態となり、犬の体内で毒素が作られてしまうためです。もしも下痢が続く場合には、まずは普段食べているフードが古くなっていないかどうかをチェックすると良いでしょう。

ストレス

ストレスを感じることによって消化機能にマイナスの影響が出てしまい、食事を正常に消化できず、下痢となってしまうことがあります。

犬がストレスを感じる要因は、いくつか考えられます。環境要因としては、家族が増えたり減ったりする家族構成の変化に加え、お留守番の時間が多かったり、遊んでもらえなかったりすることで、ストレスを感じる子も少なくありません。また、近所で工事をしていて騒音が続くとか、大雨や雷などによっても、恐怖によるストレスとなる可能性が考えられます。

誤飲や誤食

例えば、人間の食事をつまみ食いしたとか、人間の食事を犬に与えたことで下痢となった場合には、この原因が考えられます。食材の中には、人間の体内では消化吸収できても、犬の体内では不可能な成分がたくさんあります。また、油が多い食事は犬の体内で消化できないために、下痢が起こりやすくなってしまいます。

ウイルス

コロナウイルス、パルボウイルス、犬ジステンパーウイルスなどが原因となり、犬が下痢になることがあります。ワクチンを打つことで予防可能なウイルスもあります。高齢の犬や、免疫が弱い子犬などは重症化するケースもあるので注意してください。

寄生虫

寄生虫は、目に見える回虫や鞭虫、条虫などから、コクシジウムやジアルジアのような原虫まで、多種多様です。成犬よりも子犬のほうが寄生されやすいですが、自然と触れ合う機会が多い犬は年齢にかかわらず注意が必要です。

疾患

下痢という症状を持つ疾患はとても多く、高齢の犬なら慢性的な腸症や腫瘍、膵外分泌不全などが考えられます。疾患による下痢は、子犬よりも高齢の犬に多く見られる傾向があり、どの疾患でも下痢が続いたり繰り返したり、また様子を見ているうちに症状がひどくなるケースがあります。

その他

その他、肝臓、胆嚢、膵臓、腎臓などの病気や、腫瘍、副腎皮質機能低下症、子宮蓄膿症といった病気が原因となり、下痢になるケースがあります。症状が悪化すると血便などに至ることもあるため、早めの受診が必要です。

下痢の危険度について

犬が下痢をした時、どのぐらい危険なのかを段階的に理解しておくと、どのタイミングで病院へ連れて行けばよいか、判断しやすくなります。ここでは、危険度をいくつかのレベルに分類してみましょう。

危険度1

・便が普段よりも若干緩めという状態

便が緩くなるということは、腸に何かしらの異常が起こったと考えられますが、1日程度ならそれほど危険ではありません。急激な気温の変化とか、環境の変化などによって引き起こされる下痢は、危険度1に分類されるものが多いです。危険度1でも、なかなか良くならない場合には獣医を受診することをおすすめします。特に高齢の犬だと、腸機能が全般的に低下していることも考えられるため、専門家へ適切な指示を仰いでください。

危険度2

・水っぽい下痢

1回だけでも水っぽい下痢は心配ですが、1日に複数回、水っぽい下痢をする場合には、犬の体内で明らかに何かの異常が起こっています。速やかに獣医へ連れて行くほうが安心です。水っぽい下痢は、何の前触れもなく起こることがあります。季節の変わり目に体が十分に対応しきれていなかったり、留守番が多くてストレスを感じたり、飼い主にとっては些細な原因だと感じるようなものもあります。

危険度3

・明確な水下痢

便の形をしていないほど緩ければ、明らかな水下痢と判断できます。腸に何かしらの異常が起こっているために水下痢になっているのだと考え、速やかに病院へ連れて行くのが賢明です

危険度3の水下痢は、放置してもなかなか自然治癒しません。収まったと思っても繰り返す、ずっと下痢が続くなど、明らかに異常だと飼い主も気づけます。数時間に1回ぐらいの割合で水下痢をするとか、夜の間に数回の水下痢をしてしまう場合には、すでに脱水症状が起こっているサインです。

危険度4

・水下痢の中にゼリー状の粘液が混ざっている状態

粘液や粘膜が排出される水下痢は、大腸に強い炎症が起こっていることを示しています。放置すると、大腸経の疾患を発生したり、症状がひどくなったりするため、速やかに病院へ連れて行ってください。

粘液が混ざる水下痢は、犬が強いストレスを感じたり、下痢が続いたりすることによっても起こります。また、食物繊維が多い食べ物をたくさん食べた時にも、この症状は起こります。疾患を抱えていない場合でも、水下痢が続くと脱水症状が起こり、犬は体力を消耗してしまいます。

危険度5

・下痢だけでなく、嘔吐も起こっている状態

特に、繰り返す下痢と嘔吐は、生命も危険な状態だと言えます。病院の診療時間外の週末や夜間でも、場合によっては救急という扱いで見てもらったほうが良いほど、深刻な場合もあります。

下痢と嘔吐を繰り返す症状は、ジステンバーや伝染性の肝炎、レプトスピラ症などの感染症が疑われます。定期的に混合ワクチンを打っていても、こうした感染症にかかるリスクはあります。多くの場合、下痢と嘔吐だけでなく、発熱していたり、体がガクガク震えたりなどの症状も見られます。

様子を見てもいい下痢は?家での処置は?

他に気になる症状がなく、元気もあって食欲もあるなら、犬の下痢があっても1日ぐらいは様子を見るのもアリです。特に、思い当たる節があるなら、少しだけ様子を見て、下痢が自然に収まるかどうかを待つという選択肢も良いでしょう。

緊急性の低い症状

・下痢の頻度が少ない
・血便はない
・嘔吐はない
・元気や食欲はいつも通り

例えば、ペットホテルから帰ってきたばかりだとか、長時間留守番をしていた、来客があった、新しいペットを迎えたなどの環境の変化が引き金となることもあります。そのほかには、初めてのおやつを与えたといったフードを変えた場合にも、下痢になってしまうことがあります。もしも家庭で様子を見るなら、下痢の原因となったかもしれないフードやおやつはストップし、元のフードに戻すのがおすすめです。

下痢時の食事について

犬が下痢をしている時には、できるだけ腸に負担をかけない食事がおすすめです。下痢でも食欲旺盛な犬はいますが、食欲があるからといって食べさせると、腸に負担がかかり、下痢が悪化するリスクがあります。腸に負担がかかりやすい高脂質の食べ物は、控えたほうが良いでしょう。ドライフードを普段食べている犬なら、お湯にふやかして柔らかくした状態で与えると、消化吸収を促進してくれます。脱水症状が気になる場合には、水分量が多いウェットフードを与えるのも効果的です。

また、犬の中には、体質的に下痢になりやすい犬もいます。毎回動物病院へ連れて行くことは本人にとってストレスですし、買主にとっては金銭的な負担も大きくなってしまうでしょう。気軽にできる方法としては、湯がいたジャガイモやサツマイモなど、高繊維の食材をフードに混ぜて与えるのが良いでしょう。また、自宅に整腸剤のビオフェルミンがあれば、一時的に与えてもOKです。整腸剤はOKですが、下痢止めの薬はNGなので、注意してください

下痢時の治療法

病院では、まず下痢の原因を突き止めます。寄生虫やウイルスの可能性を探るほか、血液検査をして疾患の可能性を模索します。原因を特定することが適切な治療をするための最短コースなのです。

脱水症状を起こしている場合には、一時的な応急処置として、水分と栄養補給をしてもらうことができます。危険な状態の場合には、入院をして経過観察となることもあります。専門家がすぐそばで適切な処置や治療をしてくれるので、飼い主にとっては大きな安心となるのではないでしょうか。

まとめ

犬の下痢には、さまざまな原因があります。体質的に下痢を起こしやすい犬もいれば、ストレスなど明確な原因で下痢になる犬もいます。様子を見ているうちに自然治癒するケースはあるものの、長引く場合や繰り返す時には、脱水症状や体力消耗を考えて、動物病院を受診するべきでしょう。疾患やウイルス、寄生虫が原因の下痢もあり、早急な治療が必要なケースもあります。

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