犬がさつまいもを好きな理由とは?芋を安全に与えるためのポイントと注意点
「うちのワンちゃん、さつまいもが大好きみたい!」 そう感じている飼い主さんは多いのではないでしょうか。犬がさつまいもを好むのは、その自然な甘みやホクホクとした独特の食感に惹かれるからです。とはいえ、愛犬に安心して与えるためには正しい知識を持つことが大切です。
この記事では、犬がさつまいもを好きな理由、与えることで得られるメリット、そして注意すべきポイントまで、分かりやすく解説します。ぜひ、安全においしいさつまいもを愛犬の食生活に取り入れ、より豊かな毎日を送ってくださいね。
犬がさつまいもが好きな理由って?

犬がさつまいもを好むのには、いくつかの理由があります。まず、犬は人間と同じように甘味を感じる能力が発達しているため、さつまいもの自然で優しい甘さに強く惹かれます。甘いものは本能的にエネルギー源として認識されやすく、食欲をそそる要素となります。
また、さつまいも特有のねっとりとした食感や、温かいホクホクとした舌触りも、多くの犬にとって魅力的に感じられるようです。栄養面から見ても、さつまいもには犬の主要なエネルギー源となる炭水化物や、お腹の健康を支える食物繊維、さらにビタミンやミネラルが豊富に含まれています。これらの要素が合わさることで、犬がさつまいもを好むと考えられています。
犬はさつまいもを食べても問題ないの?

結論から言うと、犬はさつまいもを食べても基本的に問題ありません。さつまいもは犬にとって安全で、健康維持に役立つ栄養素を多く含んでいます。ただし、与え方や量には注意が必要です。
生のさつまいもは消化しにくいため、必ず加熱してから与えましょう。また、皮は消化不良や喉に詰まる原因になる可能性があるため、あらかじめ剥いてあげてください。
初めて与える際は、アレルギー反応が出ないか少量から試すことが大切です。さらに、さつまいもはカロリーが高めなので、与えすぎると肥満や消化不良の原因にもなりかねません。愛犬の体格や健康状態に合わせて、適量を守って与えましょう。
犬にさつまいもを与えるメリットとは?

犬にさつまいもを与えることには、たくさんの健康上のメリットがあります。まず、さつまいもは良質な炭水化物を含んでおり、愛犬の元気な活動をサポートする主要なエネルギー源となります。
また、お腹の調子を整える食物繊維が豊富に含まれており、便秘の解消や腸内環境の改善にも役立ちます。さらに、さつまいもにはビタミンやミネラルがバランス良く含まれており、皮膚や被毛の健康維持や免疫力の向上にもつながります。消化しやすく調理して与えることで、胃腸がデリケートな犬にも安心して与えられる優れた補助食といえるでしょう。
さつまいもの栄養素
さつまいもは、犬の健康維持に欠かせない栄養素をバランス良く含んでいます。主食のドッグフードだけでは不足しがちな栄養素を補える点も魅力です。
主な栄養素としては、犬のエネルギー源となる炭水化物、腸内環境を整える食物繊維、抗酸化作用を持つビタミンA(β-カロテン)、ビタミンC、ビタミンE、そして体内のバランスを保つカリウム、カルシウム、マグネシウムなどがあります。これらの栄養素が複合的に作用することで、愛犬の体を内側からサポートし、健康的な生活を送るための基盤を築いてくれます。
さつまいものカロリーと糖質
さつまいもは、他の野菜に比べてカロリーや糖質がやや高めです。しかし、この糖質は複合炭水化物であるため、血糖値の急激な上昇を抑え、持続的なエネルギー源となります。
一般的なさつまいも(生)100gあたりのカロリーは約132kcal、糖質は約30.3gです。ご飯やパンなどの主食と比べると低めですが、おやつとして与える際には与えすぎに注意が必要です。特に体重管理が必要な犬や、糖尿病の持病がある犬には、与える量をしっかり調整することが大切です。
さつまいもの食物繊維
さつまいもは、便秘の解消に役立つ不溶性食物繊維と腸内環境を整える水溶性食物繊維の両方をバランス良く含んでいます。
不溶性食物繊維は水分を吸収して便のかさを増やし、腸の動きを活発にすることで便通を促します。一方、水溶性食物繊維は腸内で水に溶けてゲル状になり、善玉菌のエサとなって腸内環境を整える効果が期待できます。
これらが協力して働くことで愛犬の腸の健康をサポートし、便秘や下痢の改善をサポートすると考えられています。お腹を壊しやすい子には、少量から試してみると安心です。
さつまいものビタミン
さつまいもには、犬の健康に欠かせないビタミンが含まれています。さつまいもの鮮やかなオレンジ色の果肉は、β-カロテンという色素成分によるもので、犬の体内でビタミンAに変換され、皮膚や被毛を健康に保ち、視力を保護するなどの重要な役割を果たしています。
また、抗酸化作用を持つビタミンCやビタミンEも豊富に含まれており、体の細胞を酸化ストレスから守り免疫力を高めてくれます。これらをバランス良く摂ることで、愛犬の体を内側から元気にしてあげることができます。
さつまいものミネラル
さつまいもには、犬の体を健康に保つために必要なミネラルも含まれています。中でも重要なのがカリウムで、体内の水分バランスの調整や血圧を安定させる働きをしています。
また神経や筋肉の正常な働きのためにも欠かせません。その他、骨や歯の健康維持に必要なカルシウムや骨の形成や神経機能を支えるマグネシウムも含まれており、愛犬の健康な成長と維持をサポートします。
さつまいものヤラピン
さつまいもを切ったときに断面からにじみ出る白い乳液状の液体は「ヤラピン」と呼ばれています。ヤラピンはさつまいもに特有の成分で、腸のぜん動運動を活発にする働きがあり、食物繊維との相乗効果で便通をよりスムーズにする効果が期待できます。
皮の部分に黒くねっとりとして付着しているものも、ヤラピンが変化したものです。ヤラピンを摂取することで、消化器の健康をサポートし、お腹の調子を整える手助けになります。
さつまいもはダイエットに向いている?

さつまいもは甘みがあるため「太りやすい」というイメージがあるかもしれませんが、与え方次第ではダイエット中の犬にも役立ちます。さつまいもに含まれる豊富な食物繊維は、少量でも満腹感が得られやすいため、全体の食事量を減らしたいときに有効です。
また、さつまいもの糖質はゆっくり吸収されるため、急激な血糖値の上昇を抑え、脂肪として蓄積されにくいというメリットもあります。さらに、ビタミンやミネラルも豊富に含まれているので、カロリーを抑えながら必要な栄養素を補うことができます。ただし、与えすぎるとカロリーオーバーになり、かえって体重増加を招く可能性があるため、適量を守ることが大切です。
犬にさつまいもを与えてはいけないケース

犬にさつまいもを与えるのは基本的に問題ありませんが、愛犬の体質や健康状態によっては注意が必要です。まず、生のさつまいもは硬くて消化が悪いため、絶対に与えないでください。
また、さつまいもアレルギーを持つ犬もまれにいるため、初めて与えるときは少量から始め、下痢や嘔吐、皮膚のかゆみなどの症状が出ないかよく観察しましょう。さらに糖尿病や腎臓病を抱えている犬には、与える量を厳しく制限したり、必ず獣医師と相談したりするなど、特に慎重な対応が必要です。
慢性腎臓病の場合
慢性腎臓病を患っている犬にさつまいもを与える際は、特に注意が必要です。さつまいもはカリウムを比較的多く含んでおり、腎臓の機能が低下している犬ではカリウムの排出がうまくいかず、高カリウム血症を引き起こす可能性があります。
高カリウム血症は不整脈や心臓機能の低下を招き、命に関わることもあります。ただし、カリウムは水溶性のため、さつまいもを細かく切って水にさらしたり、茹でこぼしたりすることで含有量を減らすことができます。もし愛犬が食欲不振で他の食べ物を受け付けない場合などは、必ずかかりつけの獣医師に相談し、適切な与え方について指導を受けることが大切です。
さつまいもの与え方やケースごとの調理法

愛犬にさつまいもを安全に与えるためには、正しい調理法と与え方を守ることが大切です。まず重要なのは、生のまま与えないこと。生さつまいもは硬く、消化不良の原因になります。必ず茹でるか蒸すなどして加熱し、フォークで潰せるくらいまで柔らかくしましょう。
また、皮は消化しにくく喉に詰まる危険があるので、必ず取り除いてください。与える頻度は、主食の栄養バランスを崩さないよう、おやつやトッピングとして少量ずつ与えるのが理想です。
犬の体調や年齢に合わせて調理法を工夫することも大切です。例えば、硬いものが苦手な子犬やシニア犬にはペースト状にしてあげるとより安心して食べられます。
適切な調理法
繰り返しになりますが、犬にさつまいもを与える際の基本は茹でるか蒸すことです。これによりさつまいもが柔らかくなり、消化しやすくなります。茹でる場合は細かく切ってから水に浸し、沸騰したお湯で柔らかくなるまで加熱します。
蒸す場合は皮を剥いて適当な大きさに切り、蒸し器で柔らかくなるまで蒸しましょう。どちらの方法も調味料は一切不要です。塩分・糖分・油分は犬の健康を害する可能性があります。
また、電子レンジで加熱する場合は水分が失われやすくパサつくため、少量ずつ様子を見ながら加熱し、必要に応じて水を加えて柔らかくすると良いでしょう。
カリウムを減らしたいとき
さつまいもに含まれるカリウムを減らしたい場合は、細かく刻んでから水にさらす、または茹でこぼす方法が適しています。カリウムは水溶性のため、水に溶け出しやすい性質があります。細かく切ることで表面積が増え、より多くのカリウムが水に溶け出すことが期待できます。
茹でこぼす場合は一度茹でたお湯を捨て、新しいお湯で再度茹でるとさらにカリウムを減らすことが可能です。この方法は、腎臓病などでカリウム制限が必要な犬にさつまいもを与える際に有効な手段です。切った後にすぐに水にさらすことは、変色防止にもつながります。
甘みを増やしたいとき
愛犬の食欲不振のときなど、さつまいもの甘みを増して食いつきを良くしたい場合は加熱方法を工夫しましょう。さつまいもに含まれるアミラーゼという酵素はでんぷんを糖に変える働きがあり、65〜75℃で最も活発に働きます。
この温度帯でじっくりと加熱すると糖が増え、さつまいもの甘みが増します。電子レンジは急速に温度が上昇するためアミラーゼが十分に働く時間がなく、甘みが引き出しにくい傾向があります。
石焼き芋のようにゆっくりと時間をかけて加熱する方法は、アミラーゼの働きを最大限に引き出し、甘くて美味しい芋に仕上げるのに最適です。家庭で調理する際は、オーブンでじっくり焼いたり、低温で茹でたりする方法を試してみてください。
油を使った調理法
油を使ってさつまいもを調理するとカロリーは増えますが、さつまいもに含まれるβ-カロテンの吸収率を高めることができます。β-カロテンは脂溶性ビタミンで、油と一緒に摂取することで体内に効率よく吸収され、体内でビタミンAに変換されます。
ビタミンAは細胞膜、目、皮膚などの健康維持に役立ちます。茹でたさつまいもを少量の良質な油で軽く炒めたり焼いたりしてから与えると良いでしょう。ただし、油の摂りすぎは消化不良や肥満の原因ともなるため、少量に留めることが重要です。
体重別の目安量について(1日分)
与える適切な量は、犬の体重や活動量、食事内容によって異なります。一般的には、おやつとして与える場合は1日の総摂取カロリーの10%程度に抑えるのが望ましいとされています。
さつまいも(直径4cm、厚さ1cm、1枚約20g)を基準とした目安量は以下の通りです。これはあくまで目安なので、愛犬の様子を見ながら調整してください。与える際は主食の量を減らすなど、総合的なカロリー摂取量を管理しましょう。
おやつとして与える場合の目安量
さつまいもをおやつとして与える際の目安量は、犬の体重によって異なります。一般的に、加熱したさつまいも100gあたりのカロリーは約140kcalとされています。おやつは、犬の1日の総摂取カロリーの約1割に相当する量を目安に与えることがおすすめされています。
体重別の目安量(1日分)
・超小型犬(4kg未満):約20gまで
・小型犬(10kg以下):約40gまで
・中型犬(25kg未満):約100gまで
・大型犬(25kg以上):約150gまで
さつまいもを与える際は、その分主食の量を減らすなど、全体の食事量を調整することが大切です。これにより、体重管理をしながら栄養バランスが崩れるのを防ぐことができます。
さつまいもを活用した犬用レシピ

さつまいもは栄養豊富で消化しやすいため、犬用の手作り食材としてとても人気があります。ほかの食材と組み合わせることで、愛犬が喜ぶ美味しいレシピを作ることができます。
特に、市販のドッグフードでは炭水化物源として小麦や米が使われることが多いですが、アレルギーを持つ犬のためにさつまいもを主原料としたレシピも多く考案されています。
ここでは、さつまいもを使った簡単な犬用レシピをいくつかご紹介します。ぜひ参考にして、愛犬の健康と食欲をサポートする手作り食に挑戦してみてはいかがでしょうか。
さつまいもと鶏むね肉のやわらかボール
さつまいもと鶏むね肉は、消化しやすく栄養価も高い相性の良い組み合わせです。この2つを使ったやわらかボールは、子犬からシニア犬まで幅広い年齢層に適した手作りごはんとなります。
【作り方】
1.さつまいもを茹でて、フォークなどで潰し、ペースト状にします。
2.鶏むね肉を茹でて、細かく刻む。
3.潰したさつまいもと鶏むね肉を混ぜ合わせる。
4.小さなボール状に丸めて完成。
鶏むね肉は高タンパク・低脂肪で、さつまいもの食物繊維と組み合わせることで消化吸収を助け、腸内環境を整える効果も期待できます。
さつまいもとヨーグルトのデザート風
さつまいもと無糖ヨーグルトを組み合わせれば、ヘルシーで美味しい犬用デザートが簡単に作ることができます。ヨーグルトに含まれる乳酸菌は腸内環境を整える働きがあり、さつまいもの食物繊維と相まってより良い消化をサポートします。
【作り方】
1.さつまいもを茹でて、フォークで潰す。
2.無糖のプレーンヨーグルトを加えて混ぜ合わせる。
3.(甘みを加えたい場合)少量の蜂蜜を加える。
4.全体がなめらかになったら完成。
甘みを加えたい場合は少量の蜂蜜を加えても良いですが、与えすぎには注意しましょう。
さつまいもが主原料の犬用食品

さつまいもは栄養価が高く消化のしやすいため、さまざまな犬用食品の主原料として利用されています。特に、アレルギーを持つ犬や穀物アレルギーが心配な犬にとって、さつまいもは優れた炭水化物の代わりとなります。
市販のドッグフードの中には、さつまいもメインの炭水化物源として使用しているものも多く見られます。また、おやつや手作り食のベース、さらにはサプリメントの素材としても活用されており、愛犬の健康維持をサポートする幅広い選択肢を提供しています。
おやつ
犬用のおやつとして、さつまいもを主原料とした製品は人気が高く、さまざまな種類が販売されています。乾燥させたジャーキータイプや、一口サイズのキューブ状、サクサクとしたチップス状など、愛犬の好みや噛む力に合わせて選ぶことができます。
例えば、硬くて噛み応えのあるおやつは噛むことが好きな犬に適しており、長持ちして満足感も得られます。一方、一口サイズのキューブは、程よい噛み応えで、しつけのご褒美としても使いやすいでしょう。
手作り食
さつまいもは犬の手作り食のベースとしても非常に優れた食材です。市販の手作りごはんベースの中には、さつまいもを主原料とし、肉や魚を加えるだけで栄養バランスが整った食事を簡単に作れるものがあります。これらを活用することで、忙しい飼い主さんでも手軽に愛犬のための手作り食を用意でき、アレルギーへの配慮や嗜好性の向上にもつながります。さつまいもをベースにすることで、消化吸収の良く、愛犬に優しい食事を提供することができます。
サプリメント
さつまいもは意外にも犬用のサプリメントの素材としても使われることがあります。さつまいもが持つ豊富な栄養素が、犬の特定の健康課題をサポートする上で役立つと考えられているためです。
例えば、関節ケア、筋肉の疲労回復、脂肪燃焼といった複数の効果をひとつにまとめた粉末タイプのサプリメントに配合されていることがあります。さつまいもが持つビタミン、ミネラル、食物繊維などの複合的な作用が、犬の総合的な健康維持に役立つと期待されています。
サプリメントとして摂取することで、日常の食事だけでは不足しがちな栄養素を効率的に補給できるというメリットがあります。
まとめ

さつまいもは、愛犬の体に優しく、栄養たっぷりの魅力的な食材です。この記事でご紹介したように、βカロテンや食物繊維、カリウムなどが豊富で、愛犬の健康をしっかりサポートしてくれます。さつまいもの自然な甘みは、食欲が落ちてしまった子にも喜んで食べてもらいやすく、お腹の調子を整えるのにも役立ちます。
しかし、与え方には注意が必要です。さつまいもはカロリーがやや高めなので、与えすぎると体重増加の原因にもなります。また、消化しにくい皮や硬い部分は必ず取り除いて、しっかり加熱して柔らかくしてから与えましょう。
もし愛犬が腎臓や心臓に持病を抱えている場合は、かかりつけの獣医師さんに相談して、安全な量を確認することが大切です。なお、「猫にさつまいもを与えても大丈夫?」と気になる方も多いでしょう。猫も少量なら食べられますが必ず加熱して与え、犬以上に量に注意が必要です。
さつまいもは、毎日のごはんに彩りを添える愛犬への優しいご褒美です。
愛犬と過ごすかけがえのない時間が、さつまいものように甘く、温かい思い出で満たされますように。


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