犬の耳掃除のやり方とは?!頻度・やり方・注意点について解説

野生動物は一生に一度も耳掃除することがないので、飼っている犬に対して人間と同じように耳掃除すべきかどうか、迷う方は多いのではないでしょうか。
そんな犬の耳掃除について今回解説します。
そもそも犬は耳掃除はしたほうがいいの?
結論から言うと、犬の耳掃除はほとんどしなくても構いません。
ただし、犬種によっては耳の通気性があまり良くないので、耳の中に汚れが溜まりやすくなっています。
また、定期的に耳掃除をした方が耳のトラブルに早く気付きやすいので、耳掃除は全くしなくてもいいというものでもないのです。
耳掃除が必要なのはどんな犬?
耳掃除が必要となるのは、次の3つの特徴が当てはまる犬です。
・たれ耳の犬種
ビーグルのようなたれ耳の犬は、柴犬のようにピンと立った立ち耳の犬と比べて、耳の通気性が良くありません。
そのため、耳の中で蒸れて菌が繁殖した結果、耳垢が溜まりやすくなり、適度な耳掃除が必要になるのです。
・脂漏体質の犬種
耳の病気ではなくてもべっとりとした汚れが耳の中に付きやすいので、清潔に保つためにも、定期的な耳掃除が必要になります。
・耳垢腺が過形成になっている犬種
アメリカン・コッカースパニエルはたれ耳である上に、もともと耳垢が溜まりやすい性質を持っているので、日頃から頻繁に耳の中をチェックしてあげましょう。
耳掃除の頻度はどれくらい?
・耳掃除の頻度は、月1~2回程度
・耳汚れチェックは週1程度
月1.2回よりも頻繁に行うとかえって耳の自浄作用を阻害してしまうことになりかねませんし、月1.2回よりも少なすぎても耳を清潔に保てなくなってしまうからです。
月1.2回程度であれば、耳の奥から押し出されてきた汚れをきれいに拭うだけで、耳の中の清潔を維持できるでしょう。
ただし、耳掃除が必要なたれ耳や脂漏体質、耳垢腺が過形成になっている犬の場合、蒸し暑い季節や体調が優れない時には、短期間で思いがけずたくさんの汚れが溜まってしまうことがあります。
耳掃除が必要な犬の場合、掃除自体は月1回で構いませんが、週1回は耳の中をチェックして、汚れが溜まっていないかどうかを確認しましょう。
基本の耳掃除方法とは?
耳掃除をする際には、まずはお互いにリラックスして、耳を触っても嫌がらない状況を作ることが大切です。
散歩中やグルーミング中など、機嫌のいいタイミングを見計らって、日頃から顔や耳周りを触っても嫌がらないように、少しずつ慣れさせておきましょう。
コットンにお湯や犬の耳専用の洗浄液を染み込ませてから、汚れを優しく拭き取るのが耳掃除の基本的なやり方です。
力を入れるとびっくりしてしまうので、できるだけ圧力をかけないように、優しく拭き取りましょう。
お湯でもほとんどの汚れを落とすことができますが、犬の耳専用の洗浄液には汚れを溶かす力があるので、こびりついてなかなか取れない頑固な汚れがある時には、コットンに染み込ませて拭き取るのがおすすめです。
耳掃除の際、気をつけるべきポイント
犬の耳の中を拭う時に気を付けたいのは、決して外耳道の奥の汚れまで取ろうとしないことです。
なぜなら、奥にある汚れは自浄作用によって自然と手前に押し出されてくるため、無理に取る必要はないからです。
耳の奥まで触られるのは犬にとって強い不快感があるので、目に見える範囲の汚れをささっと短時間で拭うようにして取るだけで十分です。
最後に、耳掃除を頑張ったご褒美として、たくさん褒めながら、愛犬のお気に入りのおやつをあげましょう。月に一度の耳掃除が愛犬にとって楽しい時間になるように、耳掃除の後はしっかり褒めてあげてください。
犬が耳掃除を嫌がる時の対処法とは?
犬によっては耳掃除を嫌がって逃げてしまったり、中には恐怖のあまり吠えたりすることもあります。
そんな時には、押さえつけてまで無理に耳掃除をする必要はありません。耳の汚れが気になる時や耳掃除が必要な犬種の場合は、次の2つの方法を試して、耳掃除が好きになるように働きかけてみることをおすすめします。
・おやつをあげながら耳掃除をする方法
「耳を触られたらいいことがある」と分からせるために、耳を触らせてくれたら1つ、耳の中を拭わせてくれたら1つというように、その都度おやつをあげながら耳掃除をします。
ほんの一拭いでも耳掃除をさせてくれたら大げさに褒め、その度におやつをあげましょう。
こうやって毎月繰り返すうちに、次第に耳掃除をしたらおやつがもらえることを覚え、嫌がらなくなります。
・動物病院に連れていく方法
耳を触られたくないのは、耳に病気があったり、飼い主の触り方に問題があったりする可能性があります。一度獣医師に犬の耳の中を診てもらうことで、犬が嫌がっている原因が分かるかもしれません。
病気でなければ一安心ですし、犬が嫌がらなくなるような耳掃除のコツを教えてもらいましょう。
絶対ダメ!犬の耳掃除でやってはいけないこと
犬が耳掃除に慣れてくると、つい「もっときれいにしてあげたい」「もっと奥の汚れも取りたい」と思う方がいますが、やり過ぎは禁物です。
とくに、次の4つのことは絶対にしてはいけないので、よく覚えておきましょう。
・人間用の綿棒や耳かきの使用
犬の耳は人間よりも非常に繊細なので、人間用の綿棒や耳かきを使用すると、簡単に傷つけて炎症が引き起こされてしまう可能性があります。そのため、必ずコットンを使用しましょう。
・アルコールの使用
アルコールは殺菌効果が高いものの、コットンに染み込ませて耳の中を拭うと、本来持っているお肌のバリア機能まで低下させる可能性があります。
人間でも、アルコールによる消毒でお肌が荒れたり、赤みや発疹などの過剰な反応が出たりする人がいるので、人間よりもお肌が敏感な犬にはアルコールを絶対に使用してはいけません。
・耳の中の毛を抜くこと
耳の中の毛があることによって、耳掃除がやりにくかったり、毛に汚れがこびりついて取れなかったりすることがありますが、決して耳の中の毛は抜いてはいけません。
抜いた時の痛みがトラウマになり、二度と耳掃除をさせてくれなくなるだけでなく、抜いた部分が赤くなったり、ただれたりと炎症になる可能性があります。
自分で対処しようとせず、必ず獣医師やトリマーに相談しましょう。
・耳掃除をやり過ぎること
月1.2回頻度を超えて頻繁に掃除したり、外耳道の奥まで突っ込んだりとやり過ぎると、かえって耳のトラブルが発生する可能性があります。
犬にとっても、月1.2回程度なら我慢できても、たびたび耳掃除をされるのはストレスに感じます。
見えているところが大体きれいになればそれで構わないので、適切な頻度を守って、できるだけ短時間で済ませましょう。
知っておきたい!犬の耳掃除で分かる病気の徴候
定期的に耳の中の状態をチェックしておくことはとても大切です。耳掃除の時にどんな耳垢が取れるかによって、以下のような病気を疑ってみましょう。
・外耳炎の疑い
耳掃除をしていて、茶色や黒色のべっとりした耳垢が取れる時には、外耳炎の疑いがあります。犬がかかりやすい外耳炎には、「マラセチア性」と「細菌性」の2種類があります。どちらも耳垢が過度に溜まったり、炎症が起きたりすることによって発症します。
耳垢の色やべたつきの他に、いつもとは違うツンとするような異臭がすることがあるので、耳掃除の際には併せてニオイも確認してみましょう。
犬が足で掻こうとするなど耳を気にする素振りを見せたり、かゆそうに頭を振っていたりする場合は、すぐに獣医師による診察を受けることをおすすめします。
・内耳炎の疑い
黄色のドロッとした粘り気のある耳垢が取れる時には、耳の中の皮膚が細菌に感染している可能性があります。この黄色のドロッとした耳垢の正体は「膿」なので、そのまま放置していると、外耳を通り越して中耳に入り、それが内耳にまで及んで、各所で炎症を引き起こします。
内耳炎になるまで悪化すると神経にまで影響が出るので、首が傾いたり、同じ方向にグルグル回ったりといった症状が見られます。黄色のドロッとした耳垢が見られたら、症状が進行しないうちに、早めに獣医師に診てもらいましょう。
・耳ダニ症の疑い
耳垢が赤黒くて、とてもかゆそうにしている時は、「ミミダニ症」の兆候だと考えて構いません。ミミダニ症とは、他の犬と触れ合った時に飛び移ってきたとても小さな「ミミヒゼンダニ」というダニが、外耳道に寄生して吸血する病気です。
ダニに吸血された部分は、かきむしりたくなるような強いかゆみを感じます。犬の血をエサに、ダニは外耳道で生き続け、そのフンが赤黒い耳垢として見られます。犬にとってかゆくて辛い病気なので、すぐに獣医師に診察してもらって、ダニを駆除しましょう。
耳垢を見なくても、耳掃除を極端に嫌がる場合には、何かしらの耳のトラブルを抱えている可能性があります。確証が持てないままに放置していると症状が進行する可能性があるため、獣医師に診てもらうことをおすすめします。
まとめ
自然と汚れを排出する自浄作用があるので、犬の耳掃除は基本的にはしなくても構いません。しかし、耳に汚れが溜まりやすい犬なら、月1回程度耳掃除をすると、清潔に保つことができます。ただし、やり過ぎるとかえって耳のトラブルのもとになりかねないので、耳掃除をする際には短時間で、見える範囲の汚れを優しく拭う程度にとどめておきましょう。
耳掃除や耳のチッェクをすることで、耳垢の変化から病気の兆候を知ることができます。愛犬との絆を深めるスキンシップとして、適切な頻度での耳掃除を取り入れましょう。
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