犬の腎臓病におすすめなエサとは?注意が必要な成分・手作り食について解説
愛犬が、「腎臓病」になってしまったら心配ですよね。犬の腎臓病は決して珍しい病気ではなく、7歳を過ぎてくると発症率は高くなっていきます。
意外と身近な病気ではありますが、症状自体は気付きにくいものも多く、気付いた時には進行していたということも…。ですので早期発見することが何より大切です。
そこで今回は腎臓の役割ついて、腎臓病のサインや症状、そして腎臓病と診断されてしまった犬の食事の注意点、おすすめの食事などをご紹介していきます。本記事をぜひ有効活用していただければ幸いです。
犬の腎臓の働きとは?
実際に、犬の腎臓はどのような働きをしているのでしょうか。1つ1つ簡潔に解説していきます。
1.老廃物を排出する
血液から尿を作って排泄することで老廃物を身体の外へ排出する働き
2.血圧を調整する
レニンという酵素を腎臓から出して血圧を調整する働き
3.体内の環境バランスを整える
ナトリウムやリンなどのミネラルを一定に保ち、体内の水分などを調整し体内の環境バランスを整える働き
4.赤血球を作る
血を作るエリスロポエチンというホルモンを分泌し赤血球を作る働き
その他にも骨を強くする働きなどの働きもあります。上記のように犬の腎臓は重要な役割を果たしております。
愛犬の腎臓病とは?
犬は7歳を過ぎてくると腎臓病の発症率が高くなってくると言われています。原因としては、慢性的な腎臓の炎症・加齢、腎毒性のあるものを食べてしまう、多量出血や血圧の低下など様々な原因で腎臓病を発症します。
症状としては、嘔吐・体重減少・食欲低下などが起こります。次で詳しく見ていきましょう。
犬の腎臓病の種類・症状・治療法
腎臓病には2つの種類があるのをご存じでしょうか?その2種類について詳しく見ていきます。
急性腎臓病
急激に腎臓の機能が低下してしまう病気で症状も分かりやすく救急で治療を要します。
治療が遅れてしまうと、命を落としてしまう危険性もあります。
原因について
・大量出血
・腎毒性のあるものを食べる
・外傷
・ショック
・排尿障害
・感染
症状について
・嘔吐
・ぐったりしている
・排尿がない
・意識低下
・呼吸が荒い
・脱水
治療法について
できるだけ早く腎臓の働きを回復させる処置が必要です。原因に応じて処置が異なる場合があります。
・入院治療(点滴・輸液・皮下点滴)
・透析
・投薬
慢性腎臓病
個体差があるものの数ヶ月~数年という長い期間で少しずつ腎臓機能が低下してしまう病気。初期の段階では症状がほとんどなく『無言の病』とも呼ばれています。
原因について
・慢性的な腎臓の炎症
・加齢
・遺伝的要素
症状について
・体重減少
・食欲低下
・水をよく飲むようになる
・嘔吐
・便秘気味
・元気がなく寝ていることが多くなった
・口臭
・毛艶が悪くなった
上記のような症状は、腎臓の機能が70%失われてからしか現れず、症状が現れた時にはかなり進行している可能性が高く完治させる治療法はないので少しでも腎臓の負担を減らすことが大切になります。
治療法について
病状によって治療法が異なりますが、主に以下のようなものがあります。
・食事療法
・投薬
・点滴
・注射
愛犬の腎臓病の治療方法って?
それでは次に、実際に愛犬が腎臓病にかかってしまった場合の詳しい治療法を見ていきましょう。
急性腎臓病
急性腎臓病の原因が分かる場合は、積極的に水分や電解質などを点滴で投与する「輸液療法」で、腎臓を保護するのが一般的です。また、無尿や乏尿などを発症している場合は、利尿剤を使用して尿を作る機能をサポートし、回復へと導きます。
どのような原因であっても、急性腎臓病を引き起こしたら、なるべく早く治療を行いましょう。機能が完全に回復しないと、慢性腎臓病へと発展してしまう恐れがあります。また、前述した通り、治療が遅れると死に至る場合もあるので、迅速な対処が必要です。
なる前の予防方法について
急性腎臓病の場合は、尿道閉塞を引き起こさないよう、日頃から尿の量を把握しておくと異変に早く気付けるでしょう。
また、犬が腎毒性のある薬物や食べ物を誤飲しないよう、身の回りを整理しておくことも重要です。
慢性腎臓病
慢性腎臓病には、完治するための治療法が残念ながらありません。そのため、血液中の老廃物や毒素を体外へ出し、病気の進行をなるべく緩やかにすることを目的とした治療が行われます。
静脈点滴や皮下点滴で体液を増やし、尿量を増加させ、老廃物の排泄を促す療法が一般的。点滴は脱水症状を補う効果もあるため、症状が進行している犬には欠かせません。
また、慢性腎臓病が末期だと、高カリウム血症を引き起こすことも。この状態を防ぐために、点滴等で水分補給を行い、尿と一緒にカリウムの排泄を促してミネラルのバランスを整えます。
さらに、高血圧を防ぐ降圧剤のほか、吐き気や食欲減退を抑えるための薬を投薬することも。貧血を引き起こしてしまっている犬には、不足しているエリスロポエチンを投与したり、輸血したりするケースもあります。
なる前の予防方法について
慢性腎臓病の場合は、定期的な検査で早期発見できる可能性が高まります。7歳以上のシニア期から発症率が上がるため、高齢犬になったら最低でも年に2回、定期検査や健康診断を受けましょう。
日常的に、塩分を控えめにした栄養バランスのいい食事や、清潔な水を与えることも大切。飲水量や尿の量を日常的に把握しておくと、多飲多尿にすぐ気づくこともできます。
食事療法の重要性とは?
一度慢性腎臓病になってしまうと、腎臓の機能を元に戻すことはできず完治は見込めません。
慢性腎臓病の場合は先程ご説明した栄養素に配慮が必要となり、制限が多くなってしまいますが食事療法を正しく行っていれば、腎臓病の進行が緩やかになり生存率も延びると言われているのでいかに食事療法が重要なのかが分かりますね。バランスの良い食事は健康な生活においても欠かせないものです。
腎臓に配慮したい栄養素について
食事療法における配慮したい栄養素について1つ1つ見ていきましょう。
①タンパク質
腎臓病の中で危険な病状の1つに尿毒症というものがあり、尿毒症が進行すると命に関わることもあります。タンパク質には、尿素に変化する「窒素」が含まれており、窒素(尿素)は腎臓のろ過機能によって尿として排泄されています。そのためタンパク質を過剰に摂取すると、その分ろ過する量が増えるので腎臓に負担がかかります。
タンパク質を過剰に摂取し排泄できない尿素が体内に残ってしまうと尿毒症になってしまう危険性があるため、タンパク質の制限が重要になっています。ただし適度なタンパク質摂取は健康の観点から必要です。
②リン
腎臓機能が低下すると身体の中の余分なリンがうまく排出できなくなってしまうため血中濃度が高まり、腎臓に負担がかかることで慢性腎臓病を悪化させてしまうと言われています。リンは歯・骨・細胞などを作るために重要な栄養素ですが、過剰に摂取すると腎臓に負担がかかるので適度な量で摂取することが大切です。
食事療法でリンを調整すると腎臓病の犬の生存率が3倍にも延びたという実証結果も出ています。
③カリウム
腎臓病になってしまった犬は、血中のカリウムのバランスの調整がうまくできなくなってしまいます。そうなってしまうことによって、高カリウム血症を発症してしまう可能性があるため、カリウムの摂取量も適度な量に調節してあげることが大切です。高カリウムの状態を予防するためには適切な量ももちろんですが、水分補給をしっかり行い排尿でなるべく多くのカリウムを排泄することが大事です。
④ナトリウム
もともと犬はナトリウム耐性が高い動物なので、適量であれば問題はあまりありません。ですが腎臓病が進行していくと、ナトリウムの排出能力が低くなるため過剰摂取するとうまくナトリウムを排出することができず血液中に蓄積します。すると血圧上昇につながったり、ひどくなると高ナトリウム血症を発症する場合もあります。
腎臓病の療法食でおすすめなドライフード
では具体的に、腎臓病の食事療法におすすめなドライフードを2つご紹介します。
商品の特徴
・高消化性のタンパク質を配合し、適量でタンパク質不足にならない工夫がされている
・リンの含有量を低減
・エネルギー含有量を調整されており少ない量でも必要なエネルギーを摂取できる
・食欲が低下している犬にも好む香りと粒の形で食欲を刺激する工夫をしている
ヒルズ プリスクリプション・ダイエット ドッグフード k/d 腎臓ケア
商品の特徴
・低リン・低ナトリウム
・適量で良質なタンパク質を配合でタンパク質不足の心配もなし
・食欲を刺激する工夫も取り入れている
・オメガ-3脂肪酸を配合し、腎臓の機能低下の進行を緩和してくれる効果も期待
・バランスの良い必須アミノ酸配合で愛犬の元気を維持
・酸化防止には自然派成分を使用されており安心
どちらも腎臓病になってしまった犬に最適な栄養素で作られており、安心して愛犬に与えることができます。ぜひ一度試してみてください。
腎臓病になると食欲が低下することも
実際に食事療法を始めてみたけど、愛犬が食欲がなくて食べてくれない…ということもありますよね。腎臓病になると腎臓機能が低下してしまうことで口内炎や胃炎での痛みや吐き気、尿毒症の発症による味覚や嗅覚の変化、貧血や脱水症状などによる食欲低下などが考えられます。また、ドッグフードの味の変化による食欲低下も否めません。
そういった時は、食べやすいようにふやかしてあげると食べてくれる可能性があります。ドライフードを水で柔らかくするのも1つの手ではありますが、味が薄くなったり香りがしなくなったりして食事が進まないことがあるので、ドライフードと同じように腎臓病向けのウエットフードや手作りをするのが愛犬にとっても安全であり、食いつきが良くなるのでおすすめです。
食欲がない犬には手作り食がおすすめ
食欲がない愛犬には手作り食を与えるのもおすすめです。手作り食だと犬の食欲が回復すると言われています。手作り食だと、食材が新鮮かつ安全で添加物や保存料もないので安心して愛犬に与えることができ、愛犬にとっても新鮮で温かいご飯がおいしく、香りも食欲を刺激するので食欲が回復することが多いとされています。また手作りご飯を与え続けた飼い犬が32ヶ月長生きしたという統計も出ています。
ただし、腎臓病の犬には配慮しなければいけない栄養素も多く制限があるため手作りしようと思っても毎日作ることは難しく負担も結構大きいですよね。
そういった場合は、市販でも手作り食が販売されているのでそういったものに頼ることが飼い主さんの負担軽減にも繋がり、愛犬にとってもおいしい食事で、愛犬の食欲が回復することに期待ができます。
腎臓の健康に配慮された手作り食のおすすめをご紹介!
手作りご飯を作る時間がない方には、すでに作られている手作り食がおすすめです。
「キドニーレシピ」は犬本来の体質をとことん考えたトリプル設計に!
プロによる考えられた栄養設計
食いつきの落ちる子を重視した食いつき設計
新鮮食材にこだわった手作り設計
リンをはじめとした身体に負担をかけやすい3つの成分を可能限り排除できるよう、原材料を厳選して商品設計を行なっています。
※出典:Relation between the domestic dog’s well-being and life expectancy staticalessay(2003)
手作り食は様々メリットというのを公表されていますのでぜひ、取り入れたいものでもあります!
ケアに必要な食材をしっかりと厳選したからこそ、余計な添加物は一切入れないフリー処方設計になっています。
さらに「キドニーレシピ」は栄養豊富だけでなく、身体への負担を考えた安心安全に配慮しています。そのため、わたし達人間も食べることができるんです!
そんな「キドニーレシピ」は4つの味でローテーションができるのはもちろん、レシピの組み合わせが自由にできるため我が子にあったレシピで食べさせてあげることができるんです!
まとめ
今回は、犬の腎臓病について解説していきました。急性腎臓病も慢性腎臓病もどちらも怖い病気で、早期発見・早期治療がとても大切です。
特に慢性腎臓病の場合は症状がなかなか現れないので厄介です。早期発見のためには愛犬の日々の健康チェックや定期的な健診を行うことが愛犬の健康を守る第一歩です。常日頃から気をつけてあげるようにしてあげてくださいね。
腎臓病になってしまった後も食事療法はとても大変ですが、今は便利なものが沢山販売されているので手作りを頑張りつつ、そういったものにも頼りながら飼い主さんも愛犬も笑顔の毎日を過ごせることを祈っています。