犬はキャベツを食べても大丈夫?量や与え方のポイントについて解説
「キャベツ」は、ビタミンやミネラル、食物繊維が豊富に含まれ、愛犬の健康維持にも有益であるとされています。また、1年中手軽に入手でき、手頃な価格帯に位置しているため、手作り食の食材としても人気が高い野菜です。キャベツが好きなわんちゃんも多いので、キャベツを使って愛犬に健康的な食事を提供したいと考える飼い主さんもきっといらっしゃると思います。しかし、実際にどのような栄養素が含まれていて、どのような効果が期待できるのか、犬に与えていい量はどのくらいなのかなど、疑問があるかもしれません。
そこで、今回はキャベツの栄養素やメリット、犬に与えるときの注意点などを詳しく解説していきます。ぜひ最後まで読んでみてください。
犬はキャベツを食べても大丈夫
犬とキャベツの関係についてご紹介します。
まず結論として、犬にキャベツを食べさせても問題ありません。キャベツは大根やブロッコリーと同じアブラナ科の野菜で、犬にとって低カロリーで、栄養素も豊富です。害になる成分は含まれていない為、安心して食べさせられる食材です。基本的には生でも加熱したものでも食べさせることができます。キャベツを犬に与えることで、栄養バランスの調整、免疫力の向上、便秘解消などの効果が期待できます。
ただし、適量を守って与えることが重要です。犬にキャベツを毎日食べさせることは避け、与える際の注意点を守りながら食べさせるようにしましょう。
キャベツの栄養素とは?
キャベツは、ビタミンC、ビタミンK、カルシウム、カリウム、葉酸、カルシウム、鉄分などのビタミンやミネラル類などの栄養素が豊富に含まれている野菜です。これらの栄養素は、人間だけでなく犬にとっても健康維持に必要なものです。
その中でも特筆すべきキャベツの栄養素は「ビタミンU」で、このビタミンUは、胃粘膜の修復に作用すると言われており、荒れた胃を正常に整える効果があります。キャベツから発見されたことから「キャベジン」とも呼ばれています。
犬がキャベツを食べることで、栄養バランスを整えたり、免疫力の向上や、さらに食物繊維が含まれているため、便秘解消などの効果が期待できます。
注意点としては、キャベツに含まれるビタミン類は水溶性のものが多いことです。水洗いしたり煮たりすると、これらビタミン類が水に溶け出してしまいます。そのため、愛犬に食べさせる場合は生で与えるか、煮たとしてもスープごと与えるほうがいいでしょう。
今回は、犬がキャベツを食べても問題がないことを前提に、キャベツに含まれる栄養素の効果やメリットについて解説していきます。
ビタミンC
ビタミンの中でも、抗酸化作用や免疫力を高める効果があり、若々しく健康な身体作りに必要なビタミンがビタミンCです。免疫力が高まると病気にかかりにくくなるため、病気の予防など犬にとっても重要な栄養素です。さらに、ビタミンCには酸化ストレスを軽減する効果があり、犬の老化予防にも役立ちます。また、犬がケガをした場合には、ビタミンCを摂取することで組織の修復を促進し、回復が早くなるというメリットもあります。
犬は本来、ビタミンCを自分自身の肝臓で体内合成することができますが、ストレスや加齢、肝機能の低下によって合成が追い付かないこともあるため、食べ物からの摂取も必要とされています。
ビタミンCは水分の中に流出してしまいやすいため、調理方法には工夫が必要です。ビタミンの摂取を優先したい場合は蒸したり、ゆで汁をスープとして一緒に与えるなどするとよいでしょう。
ビタミンK
ビタミンKは、血液の凝固や骨の健康維持に重要な役割を担う栄養素です。犬の血液凝固作用の中でも重要な役割を担うため、犬にも必要不可欠な栄養素の一つです。
犬がケガや手術などをした場合、ビタミンKを摂取することで出血を抑える効果が期待できます。また、ビタミンKを摂取することで骨の形成や骨の健康維持、骨折の予防にも繋がります。
ドッグフードにはビタミンKが含まれている場合がありますが、加齢やストレス、消化器の状態などによっては合成できない場合もあるため、キャベツから補足できるとよいでしょう。
ビタミンU(キャベジン)
ビタミンU(キャベジン)は、キャベツに含まれる栄養素の一つで、犬の消化器官の健康維持に役立ちます。
キャベツから発見された栄養素であることから、キャベジンと名づけられました。ビタミンUを摂取することで、犬の胃や腸の粘膜が健康的に保たれ、胃腸のトラブルを予防したり、胃潰瘍の治癒を促進する効果もあるとされていますので、特に胃腸が弱い犬の食事に適しているといえます。
また、食欲増進や免疫力向上なども期待でき、病気予防にも役立ちます。ドッグフードにキャベツが含まれている場合もありますが、量が不十分な場合は、生のキャベツを与えることもできます。ただし、過剰摂取は下痢などの症状を引き起こすことがあるため、適量を守るようにしてください。
カルシウム
カルシウムは、人間にとって重要な栄養素であると同時に、犬にとっても必要不可欠な成分です。カルシウムは、骨や筋肉、心臓などの健康維持に大きく関わっています。
まず、骨の健康維持についてです。カルシウムを十分に摂取することで、骨の強度が増し、骨折や骨粗鬆症の予防につながります。また、筋肉の機能向上にも役立ち、運動能力の向上や疲れの改善にも効果的です。
さらに、心臓の健康維持にも重要な役割を果たしています。カルシウムは、心臓の筋肉の収縮に必要な成分であり、心臓病などの病気予防にもつながるとされています。
しかし、犬にとって必要なカルシウムの量は、犬種や年齢、体重などによって異なります。過剰な摂取は、犬にとって有害な影響を与えることもあるため、適切な量を守ることが重要です。
食物繊維
キャベツは食物繊維を豊富に含んでいます。キャベツに多く含まれる不溶性食物繊維は、便が通過するのを促すための筋肉収縮である蠕動運動や、有害物質の排出を促す腸の動きを活性化させ便のかさを増やして便秘を予防する効果が期待できます。犬が食物繊維を摂取することで便通が改善し、腸内環境を整え健康維持に役立つことができます。
さらに、腸内には健康に良い影響を与える腸内細菌が存在します。これらの腸内細菌は、食物繊維を栄養として利用し増殖します。つまり、食物繊維を摂取することで、健康的な腸内環境を維持することができます。
また、食物繊維には血糖値を安定化させる効果も期待できます。犬が糖質を摂取すると、血糖値が急激に上昇しますが、食物繊維を摂取することで、この急激な上昇を緩やかにし、血糖値の安定化を促すことができます。
ただし、その子の消化器の状態によっては腸運動が亢進されたり、逆に便の状態が悪くなることもあるので、その子に合った量を調節してあげましょう。
鉄分
犬にとって鉄分は重要な栄養素です。
鉄分は、ヘモグロビンを構成し赤血球による血液中の酸素運搬の中で重要な役割を担っています。適切な量を摂取することで、貧血を予防することができます。
また、免疫細胞の働きを促進する効果もあります。これにより、病原菌に対する抵抗力を高め、免疫力の向上が期待できます。
また、鉄分は細胞や組織の成長にも必要な栄養素で、筋肉中のミオグロビンと呼ばれる成分の構成要素でもあり、赤血球や筋肉の酸素の取入れに大きな働きをしています。
鉄分の欠乏により貧血や発育不良などが見られる場合があります。
ファイトケミカル類
ファイトケミカル(phytochemical)とは、植物が紫外線や昆虫など、植物にとって有害なものから体を守るために作りだした成分のことです。ファイトケミカルは必須栄養素ではないものの、体にとって良い作用をするため、人間だけでなく愛犬にもファイトケミカルを上手に取り入れることによって健康維持につながります。
キャベツに含まれるファイトケミカルは、血行や血流の促進、強い抗菌作用、肝臓や消化管の解毒酵素の活性化などの効果があります。
犬に与えてもいいキャベツの量
犬がキャベツを食べることができること、そして健康に良い効果があることは上記でお伝えしました。しかし、実際にどの程度の量が適切なのかは重要なポイントです。以下では、食物繊維による消化器への影響などを考えた際の犬の体重に合わせた目安の量をご紹介します。
・超小型犬(体重が5kg以下):キャベツの葉3/4枚(5〜30g)
・小型犬(体重が10kg以下):キャベツの葉1枚(10〜60g)
・中型犬(体重が25kg以下):キャベツの葉2枚(50〜100g)
・大型犬(体重が25kg以上):キャベツの葉3枚(100~140g)
キャベツは非常に低カロリーの食材で、100gあたり24kcalしかありません。低カロリーで食事のかさ増しをしたい場合にボリュームを出すことができるため、ダイエット中の犬に有効な食材です。
そして犬の主食でもある一般的なドッグフードは、犬にとって必要な栄養がバランスよく配合されています。そのため、基本的にはドッグフードをベースとして、キャベツはあくまで、おやつやトッピング程度の副菜にとどめておくようにしましょう。キャベツをメイン食材にすると栄養に偏りが出てしまいますので、気をつけましょう。
与える量の目安は、基本的には1日の摂取カロリーの10%とされています。しかし、これはあくまでも目安であり、個々の犬の体調、体格、運動量、消化機能には個体差があるため、上記の量でも負担がかかってしまう可能性もあります。キャベツを犬に初めて与える際には、量を少量から始めて便の状態などを確認しながら徐々に増やしていくことをおすすめします。
また、犬が十分な水分を摂取しているかを確認することも大切です。犬が快適に健康的に過ごすためには、バランスの良い食事と適度な運動が必要です。
犬にキャベツを与えるときの注意点
キャベツは基本的に健康な犬であれば、問題なく与えても良い食材であることはお分かりいただけたかと思いますが、与える際に注意する点がいくつかあります。
与えてはいけないケースやキャベツの葉の中でも与えてはいけない場所、生で与えた方がいいのか茹でたほうがいいのかなどの与え方のポイントを、以下で詳しく解説していきます。
キャベツの与えない方がいい場所
犬に与える際には、キャベツの外葉や芯に含まれる硫酸イオンに注意する必要があります。これは過剰に摂取すると犬の消化器官や腎臓に悪影響を与え、中毒症状を起こす可能性があるためです。なるべく芯を与えるのは避けた方が良いと言えます。
それ以外にも、芯の部分は硬く噛み応えがある反面、勢いよく飲み込んでしまうと食道に詰まらせてしまう恐れもあります。特に超小型犬や小型犬には、芯の部分を生のまま大きい塊では与えない方が良いでしょう。もし加熱した芯であっても、小さくカットしたものなどを与えるようにしてください。
また、キャベツには農薬や化学肥料の残留物が残る可能性があるため、オーガニックのものを選ぶと安心です。オーガニックでないキャベツの場合は、農薬が多くついている可能性のある外葉1~2枚を取り除いてから、内側の柔らかい葉を与えてください。現在は、日本の基準をクリアした農薬のみが使用されていますが、必ずしも犬の体に悪影響が起きないとは言い切れません。必ずよく洗ってから与えるようにしましょう。キャベツの外葉は固く犬にとって消化しにくい為、生で与える場合はなおさら柔らかめの内側の葉の部分が望ましいです。
甲状腺や尿石疾患などの持病がある犬には与えない
キャベツに含まれる成分や性質が持病を悪化させてしまう恐れもありますので、持病のある犬は気をつけましょう。2つのケースについて紹介します。
一つは、キャベツにはヨウ素の吸収を阻害する「ゴイトロゲン」と呼ばれる甲状腺ホルモンの生成を抑制する物質が含まれています。この物質の影響で、甲状腺の状態がより悪化してしまう危険性があるため、すでに甲状腺の機能に問題があるとわかっている犬には与えることはおすすめできません。これはキャベツに限らず、ブロッコリーや小松菜、大根、白菜などのアブラナ科の野菜にも共通していえる物質のため、アブラナ科の野菜は避けるようにしましょう。健康な犬であれば甲状腺に影響が出ることはないので、問題なく食べさせられます。
もう一つはキャベツに多く含まれるシュウ酸も持病を悪化させてしまう恐れがあります。シュウ酸は、体内でカルシウムと結びつき、最終的にシュウ酸カルシウム結石(結晶)になります。膀胱や尿道に結石ができれば排尿システムに支障が生じ、尿毒症や急性腎不全、高カリウム症などになる恐れがあります。現在治療中や他の尿路結石や膀胱系の異常で治療歴のある犬には、与えない方が良いでしょう。
病気のリスク以外にも、与え過ぎると下痢、嘔吐、便秘の原因になります。健康な犬に与える場合でも、先程お伝えした体重量に合わせた摂取量以内に抑えましょう。
子犬老犬に与える時は特に気をつける
歯が生えそろっていなかったり腸内環境が整っていない子犬に与えたい場合は、茹でるなどしてキャベツを柔らかくし、少しずつ与えてください。
身体機能の衰えが見られたり、免疫力が低下している老犬にも、茹でるなどして十分に注意しながら与えましょう。栄養があるからといって無理に与える必要はありません。主食のドックフードにトッピングする程度にしておきましょう。
キャベツばかり与えすぎないように気をつける
犬は肉食動物に近い消化器官のつくりをしています。そのため野菜であるキャベツを主食にすることはできません。栄養が偏りすぎないように、ドッグフードにトッピングする場合も、手作り食のレシピに取り入れる場合も、他の食材と組み合わせて適量使うようにして、毎日キャベツばかり与え続けないよう注意しましょう。
キャベツを食べすぎると、どんな犬でも食物繊維や水分の影響で消化不良や下痢の原因になることがあります。また、なかにはキャベツにアレルギー反応を起こす犬もいます。初めてキャベツを与える場合には少量にとどめておき、体のかゆみや嘔吐や下痢などのアレルギー症状が出ないかをよく観察するようにしましょう。症状が出なければ、別の日に少しずつ量を増やして食べさせていきましょう。
おすすめのキャベツの与え方
愛犬に実際にキャベツを与えてみたいけど、どうやって与えたらいいのか分からない飼い主さんもいらっしゃるのではないでしょうか。適量で与えること、毎日与えないようにすることは大前提です。実際にキャベツの与え方のおすすめを以下でご紹介します。参考にしてください。
調理方法に注意
犬にキャベツを与える際には、実は生のキャベツを与えることが望ましいです。
その理由は、ビタミンCやビタミンUなどのキャベツに含まれるビタミン類は水溶性のビタミンのため、水に溶け出る性質をもつものが多いからです。
加熱したり、調理前に水に長時間浸けておくなどすると栄養素が失われるため、生のキャベツをサッと洗って与えることで効率的に栄養を摂取できます。
ただし、大きすぎたり固いキャベツを与えると、消化器に負担がかかることがあったり、未消化のまま便として出てきてしまうことがあるため、注意が必要です。
普段の食事にトッピング
キャベツは副菜やおやつ程度で与えるのが望ましいとされていますが、最もおすすめな方法は、普段食べているドッグフードに細かく切ったキャベツをトッピングすることです。
これにより、犬が普段食べているものに変化を加えずにキャベツを摂取できます。
また、細かく切ることで消化にも良い影響があります。ただし、適量を守るようにしましょう。
茹でる、レンジ加熱
もし愛犬が生のキャベツを食べない場合や、愛犬の消化力が心配な場合は、茹でたりレンジ調理などで柔らかくしてから与えるなどしてみましょう。
①水でキャベツを煮てスープごと与える
②ラップをして電子レンジで加熱する
上記の方法だと加熱したとしても効率的に栄養を摂取することができますし、柔らかく犬も食べてくれやすく、キャベツを消化しやすくなるメリットもあります。
先程、尿結石の犬はシュウ酸を含んでいるためキャベツは与えないようにとお伝えしましたが、シュウ酸は水に溶けやすい性質を持っているため茹でたキャベツであれば食べれる場合もあります。ただし獣医師に相談し確認しましょう。シュウ酸の摂取量を減らしたい場合は、ゆで汁は与えないようにしましょう。
まとめ
犬にとってキャベツは健康的な食材の1つであり、食物繊維やビタミンC、鉄分など栄養素が豊富に含まれています。ただし、愛犬に与える際には個体に合わせた適切な量や与え方に気を付けることが大切です。
尿路結石や甲状腺疾患のある犬は、基本的にはキャベツを与えない方が良いですが、獣医師と相談して適切な与え方を考えることができます。
茹でたキャベツを与える場合は、適切な茹で時間に気を付けることが重要です。過剰に茹でると栄養素が失われる可能性があるため、注意が必要です。
キャベツは犬の健康にとって有益な食材であり、積極的に取り入れることをおすすめします。ただし、愛犬の体調に合わせた与え方を心がけ、健康的な食生活を提供しましょう。
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