しつけ

犬の噛み癖は直せる!噛む理由や対処法を分かりやすく解説します!

愛犬の噛み癖に悩んでいる。噛み癖を直したいけどどうしたらいいのか分からない。

そんな飼い主の方は少なくありません。実は犬が噛むのにはさまざまな理由があり、その理由を知ることが噛み癖を直す第一歩になります。

また子犬の甘噛みなどは可愛くて特に気にしていなかったという方も要注意!

甘噛みを放っておくと成犬になってから噛み癖が直らずにトラブルになることも!

本記事ではそもそもなぜ犬が噛むのかその理由やさまざまなシーン別に分かりやすく解説していきます。

理由を知った上で、噛み癖を直す具体的な方法やしつけのポイント・注意点もご紹介します。ぜひ参考にしてみてくださいね!

犬は噛む習性がある動物であることを理解しよう


まず最初に犬はもともと噛む習性がある動物です。わたしたち人間のように話したり手を使うことができないため、口を使って物を運んだりおもちゃやおやつなどを噛んでストレス発散を行っています。

そのため犬にとって噛むことはごく自然な行為であることは理解しておく必要があります。

ただし犬の噛む力はとても強く、小型犬でも人間の5倍、大型犬になると人間の10倍の力があると言われています。

歯も尖っており、そんな力で噛まれたら大けがを負うことになることは容易に想像できますよね。

また、日常的なケアの歯磨きやシャンプーなどにも支障をきたしたり、他人を噛んでトラブルになる可能性も考えられます。

子犬の甘噛みも一見可愛く感じる方も多いと思いますが、子犬のうちに対策をしておいた方が覚えるのも早く安心です。

噛むこと自体は犬の習性であり、完全になくすことはできませんがけがやトラブルを避けるためにも、適切に対処していくようにしましょう。

犬が噛む理由は?


では、犬が噛む理由はどんなものがあるのでしょうか。1つ1つ以下で詳しく解説します。

なぜ愛犬が噛むのかしっかり理解していきましょう!

本能的なもの

前述したとおり犬はもともと噛む習性のある動物です。そのため本能的に噛むことがあります。
たとえば、寝ている犬の足を触ったり大好きなおやつやおもちゃを取ろうとしたり犬が予期しないタイミングで触れたりすると、
犬はそれを攻撃ととらえ野性的な本能スイッチが入り反射的に防衛・攻撃行為として噛んでいます。
本能的な噛みの場合は根本的に直らないケースも多いので獣医師やトレーナーなどの専門家に相談も検討しましょう。

(本能的に噛むケース例)
・寝ている犬に急に触れる
・遊んでいるおもちゃを取ろうとする
・犬が気付いていないのに後ろから急に触れる
・知らない人や苦手な人から触られる

ストレス

ストレスによって噛むこともあります。ストレスを抱えている犬は些細なことが引き金になって攻撃行為として噛む場合があります。
たとえば、引っ越しをして環境が変わった、運動不足、コミュニケーション不足などが愛犬のストレスに繋がっていることが少なくありません。
犬はもともと群れで行動していた動物であり、自由な空間で適度な運動をしたりコミュニケーションを取っていたこともありケージの中に閉じ込められる時間が長かったり、
お留守番が多く孤独を感じたり運動が少ないとストレスを感じやすいので、日頃からストレスを発散させてあげることが大切です。

(ストレスで噛むケース例)
・引っ越しをして環境が変わった
・1日中ケージの中にいる
・お留守番が多く孤独を感じている
・運動不足
・飼い主さんがかまってくれない

恐怖

わたしたちも恐怖を感じたらとっさに顔を隠すことがありますが、犬も同様に恐怖を感じた時も自分を守るために噛むことがあります。
たとえば知らない子どもや人に触られたり、子どもが撫でる力が強かったり、水が怖い、爪切りが怖いなどのケースが考えられます。
また恐怖で噛んでいる場合噛んだらやめてくれた、噛んだら逃げれたなど成功体験を覚えているケースや以前の爪切りで痛い思いをしたなどのトラウマが原因の場合も多いです。

(ストレスで噛むケース例)
・知らない人や子どもに触られた
・撫でる力が強い
・水が怖い、苦手
・日常ケア(爪切り、シャンプー、耳掃除など)が怖い、苦手
・トラウマ

口の中が痒い・むずむずする

人間の子どもも歯の生え変わりや口の中のむずむず・違和感で噛むことがあるように犬も子犬の場合、歯が痒い、むずむずする、違和感を感じる時期があります。
歯の生え始めは生後1ヶ月頃、歯が生え変わる時期は生後4〜5ヶ月頃、生え変わりが完了するのが生後7ヶ月〜1歳頃です。
その時期に噛んでくる場合は口の中が痒い・むずむず・違和感があり、それを解消しようとして噛んでいる場合があります。
噛んでいるおもちゃなどに出血が見られたら歯が抜けている場合もあるので注意しましょう。

遊びたい・気を引きたい

可愛いと感じるかもしれませんが、飼い主さんに構ってほしい・遊んでほしい・気を引きたいという気持ちから甘噛みをする場合があります。
可愛いからとそれを放置したり、受け入れていると「噛んだら飼い主さんが構ってくれる、遊んでくれる、楽しい!」と覚えてしまう場合があるため、適度に噛んではいけないと教える必要があります。

甘え・興奮

飼い主さんに甘えたり、遊んでいて興奮状態にある場合も噛んでしまうことがあります。
特に遊んでいて興奮状態の時は、悪気なく強く噛んでしまうことも多いので要注意です。
本来犬同士のじゃれあいの中で噛む加減を覚えていくので、わたしたちが噛む加減を教えるのは難しいものですが噛んではいけないことを教えてあげるだけでもトラブル回避になるので意識するようにしましょう。

病気・けが

病気やけがが原因で噛むこともあります。たとえば抱っこした時に痛い部分を触ってしまった時に反射的に噛んでしまうなどということが考えられます。
病気によっての体調不良の場合にも噛みつき見られることがあります。
その場合は噛みつきが増えるだけでなく、特定の場所を舐め続けたり、普段は大人しいのに急に噛んでくるようになったなど他症状が出ていることが多いため、
いつもと違う様子が見られたら一度獣医師に相談するようにしましょう。

間違ったしつけ

間違ったしつけによる噛みつきもあります。たとえばしつけとして愛犬を強く叩いたりマズ
ルの部分を強く掴んだなど間違ったしつけを愛犬に行ってしまうと恐怖心で噛みつきます。こういった間違ったしつけで噛み癖が出てきた場合、身を守るために噛み癖がよりひどく出る場合があり、飼い主さんや人の手を加減なく噛むこともあるので要注意です!

防衛反応

絶対にあってはならないことですが、愛犬に暴力をふるったり日常的に叩いている場合も防衛反応で噛みつきが起こります。

こんな時は?どんな理由で噛んでいるの?~シーン別解説~


犬が噛む理由はさまざまだということはお分かりいただけたかと思いますが

さらに具体的にシーン別で詳しく見ていきましょう!

ゲージや家具を噛む

子犬の場合は歯の生え変わりなどによる口の違和感から噛んでいる可能性がありますが、成犬の場合はストレスによって噛んでいることが考えられます。
子犬の場合はケージや家具を噛んでいるのを見つけたら注意をし、成犬の場合は散歩やドッグランへ連れていき運動不足の解消やスキンシップをたくさんとるなどしてストレス解消を促してみましょう!

飼い主さんの服や身体を噛む

これは1番分かりやすいかもしれませんが、犬が飼い主さんの服や身体を噛むときは「遊んでほしい!かまってほしい!」というサインであることが多いです。
あまり遊んであげれなかったりお留守番が長く、孤独を感じるとそのような噛みつき行為で自分の気持ちを表現しています。
そういった時は日頃からロープの引っ張り合いをしてみたり噛むおもちゃを使用してコミュニケーションをとると改善することがありますよ!

リードを噛む

リードを噛む時はさまざまな理由があります。例えば子犬であれば歯の生え変わりの口の違和感で噛んでいる場合や成犬であればストレスやお散歩が楽しくて興奮状態の場合、飼い主さんと引っ張り合いをする感覚でリードを噛むなどポジティブな理由の時もあります。またリードを初めてつける子だと慣れないリードやお散歩がストレスでその解消のために噛んでいる場合もあります。口の違和感で噛んでいる場合や慣れないリードやお散歩で噛んでいる場合は自然になくなることも多いですが、楽しくて噛んでいたり飼い主さんと遊ぶ感覚で噛んでいる場合はその状況や度合に応じて注意するようにしましょう!

ブラッシングの時に噛む

ブラッシングの時に噛むのは、ブラッシングを嫌がっているサインです。
ブラッシングに慣れていない場合にも嚙みつきがみられることがあります。
そのような時は少しでもブラッシングができたら褒めてご褒美をあげて少しずつ慣らしていくようにしましょう。
また、普段からブラッシングをしているのに急に噛みついてきた場合は皮膚に異常があることが考えられますので愛犬の皮膚を確認して心配な時は、獣医師に見てもらうようにしましょう!

自分の肉球や足を噛む

自分の肉球や足を噛む時は、ストレス解消のためや暇つぶしなどが考えられます。
そういった時はお散歩やドッグランへ行って運動不足や気分転換がおすすめです。
ただし特定の場所だけ噛んでいる場合には、皮膚病やダニ・ノミによる炎症や痒みが考えられるので悪化する前に獣医師に相談するようにしましょう!

子犬の時の甘噛み

子犬の時の甘噛みって可愛いですよね!理由も飼い主さんにかまってほしいという気持ちの表現や遊んでもらって嬉しくて興奮で甘噛みしていることが多く理由まで可愛いです!
その他にも初めて見るものを噛みついて確認している場合もありますし、歯の生え変わりでの口の違和感で噛んでいる場合もあります。
甘噛みは可愛いですが、それを放置して成犬になると噛み癖がつくことがあるので状況や度合に応じて対処するようにしましょう!

犬が噛むことで起きるトラブル


犬が噛む理由にはさまざまな理由があることが分かりましたが、実際に犬が噛むことでどのようなトラブルが起きることがあるのでしょうか。

以下で解説していきます。

けがをさせてしまう可能性がある

1番トラブルに発展してしまう可能性があるのは、けがをさせてしまうことです。
飼い主さんや家族だけでなくお散歩やおでかけ先にいる周囲の方にもその危険があります。
子犬の場合は甘噛みで済むこともありますが、成犬だと噛む力も強く加減が分からないので大けがを負う場合もあります。
他人を噛んでしまうと大けがを負わせるだけでなく過失傷害罪に問われたり、治療費や損害賠償・慰謝料などを請求される場合もあります。

物を壊す

物を壊すトラブルもよくあります。室内で飼っている場合にはテレビやテーブル、パソコンのケーブルなど大きな家電や家具が使用できなくなったり、ソファーやクッションが破れて中の綿が散乱したり、飼い主さんが身に着けている洋服や靴、時計などのアクセサリーなども壊す可能性があります。

日々のお手入れやお世話が難しくなる

生活する上で大切な日常的ケアが難しくなるのもトラブルの1つです。爪切りをしたいのに噛まれるのでできない。
プロの方にお願いしたくても噛み癖がありお願いできないなどの支障が生じる場合があります。
日常的なケアを行うためにも噛み癖の対策は必要不可欠です。

噛み癖を直そう ~具体的な方法をご紹介~


犬の噛み癖で起きるトラブルはできれば避けたいものですよね。早速、噛み癖の解決に向けて以下で解説していきます!

噛み癖の根本的な原因解消

大前提として噛む理由となっている根本的な原因の解消が最も大切です。

ストレスや運動不足
ストレスや運動不足で噛み癖が起きている場合は、お散歩の時間を増やす・ドッグランに連れていくなど思い切り体を動かして気分転換をさせるようにしましょう。
日光を浴びることで心身の安定にも繋がるので外での活動がおすすめですが天候が悪い場合は室内ドッグランや噛むガムなどでのストレス発散もおすすめです!

歯の痒み
歯の痒みの場合はどうしようもないので、噛むおもちゃやガムなどを与えるのが良いでしょう。
噛めるものがないと家具や飼い主さんの洋服などを噛むようになりますので歯が生え変わるまではおもちゃやガムなどを自由に噛めるようにしてあげましょう!

気を引いている
飼い主さんの気を引きたくて噛んでいる場合に大きな声や興奮した声、高い声で叱ってしまうと犬は「楽しんでくれている!」「喜んでいる」「遊んでくれた!」と勘違いすることが多いため、
低めの声で冷静に「痛い」「やめなさい」とシンプルに叱るのがおすすめです。
それでもやめない場合には、愛犬と目を合わさずに部屋からすぐに出て行ってみてください。
遊んでいて噛む場合も遊びを中断したり、無視をしてみましょう。そうすることで「噛むと飼い主さんがいなくなる」「楽しい遊びが終わってしまう」と学習するようになります。

病気やけが
病気やけがで噛んでいる場合は、いち早く病院に連れていってあげることが解決に近付きます。
犬は話すことができないので病気なのかけがなのか分からないこともあるかもしれません。
いつもと違う様子だったり元気がなかったりして心配な時は遠慮せずに獣医師に相談することが大切です!

噛むおもちゃを与えて欲求を満たす

噛み癖を直すしつけは必要ですが、何でも叱って抑え込むことがいいこととは言えません。
適度に噛むおもちゃやおやつなどを与えて、噛む欲求を満たしてあげることも必要です。
おもちゃ内蔵型のおもちゃや長持ちするガム系のおやつなどがおすすめ。
ロープ状のおもちゃであれば引っ張り合いっこをして一緒に遊んでコミュニケーションをとることもできますね。
1点注意することは手でぬいぐるみなどのおもちゃを持って遊んであげると手=おもちゃとなり噛んでもいいと学習してしまうことがあるので手で遊ばないようにしましょう!

噛まれたらリアクションをしてその場から離れる

上記のような対策をしても噛む場合には、噛む=楽しくないことが起きると学習させることが解決に近付くことがあります。
噛まれたら「痛い」「やめなさい!」と低めの声で反応し部屋から30秒〜1分ほど退出してみましょう。
それを噛むたびに繰り返していると噛んだら飼い主さんがいなくなってしまう、楽しくないことが起きると学習するようになり自然と噛むことをやめることがあります。
注意点としては、部屋の中に他の人がいたりおもちゃやおやつがあると学習しないので人やおもちゃなどがないことを確認してから行いましょう。
またあまりにも威圧的に叱ると防衛のために逆に噛み癖がひどくなるのでそちらも要注意!

噛み癖のしつけのポイントや注意点

噛む癖のしつけを行うにあたってのポイントや注意点をまとめてみました!

ポイントや注意点を意識しながら噛み癖のしつけに挑戦してみてくださいね!

できるだけ子犬のうちにしつけをする

子犬のうちにしつけをした方が噛み癖は矯正しやすいものです。成犬になってから矯正しようと思っても、噛む力も体全体の力も強くなっているのでコントロールも難しくなかなか矯正しづらいというのが現実。子犬の甘噛みであるうちに噛むことはやってはいけないことだと覚えさせた方がスムーズに矯正できる可能性が高いです。

大声を出さない

噛み癖を直したいのに大声を出してしつけをしてしまうと恐怖心や防衛反応により逆に噛みつきがひどくなる場合があります。
愛犬が悪くても感情のまま大声で叱るのではなく、あくまで冷静に言い聞かせるようにしつけする方が効果的です。

叩かない

上記の大声を出さないのと同様に叩いてしつけをしようとするのは絶対にNGです。同じく恐怖心や防衛反応で噛み癖がエスカレートする可能性があります。
脅威や力任せで犬をしつけてもお互いになにも良いことはありません。

甘やかさない

一方で甘やかしすぎもNGです。愛犬に噛み癖を直すしつけをしても言うことを聞かないときに諦めてしまうと、噛んだら許してもらえる、
噛んだらおもちゃをもらえると学習しさらに噛み癖が加速する可能性があります。ポイントは噛んだら楽しくないことが起きると学習させることです。

しっぽ

自分のしっぽをくるくると追いかける行為をする犬を見たことがある方もいると思います!
行為自体は成長過程で多くの犬が見せる行動ですが、通常は繰り返しているうちにしっぽを追いかける行為はしなくなっていきます。
1歳を過ぎてもその行為が続いている場合やしっぽに噛みつくようになった場合はストレスを感じているサインなので注意が必要です。
しっぽを傷つけてしまうこともあります。その他にもしっぽやお尻あたりに痒みや痛みがある場合にもその行動が見られることがあるので獣医師に相談することも視野に入れましょう!

ビニール

ビニールは犬にとって風に舞ったりカサカサと音がする最高のおもちゃになるので気に入ってビニールで遊ぶ子もよく見かけますが、
愛犬がビニールで遊んでいたらすぐに取り上げるようにしてください!
ビニールは消化されず腸に詰まって大変なことになる可能性があります。
取り上げる際も無理矢理取ろうとすると口の中に破片が残る可能性があるので他のおもちゃやおやつで気を引くなどして回収しましょう!

口輪は最終手段

噛み癖のある犬には口輪を検討される飼い主さんも多いですが、口輪はあくまで最終手段としてするようにしましょう。
基本的に口輪を使用するのは病院の診察や他人に危害を与える可能性があるときのみがベストです!口輪そのものに噛み癖を直す効果はなく、
日常的に口輪をしていると逆にストレスになり噛み癖がひどくなります。
口輪はあくまで一時的なもので利用するようにしましょう。

まとめ

今回は犬の噛み癖について具体的な噛む理由から対処法、注意点などをご紹介しました。

犬が噛む理由はさまざまであり、まずは噛む理由を知り根本原因を解消することが噛み癖を直す第一歩になります。

子犬の頃の甘噛みも可愛い気持ちはよく分かりますが、それを放置していると成犬になった時に大きなトラブルに繋がる恐れがあります。

ただしなんでもだめだめというのも愛犬にとっても飼い主さんにとってもそれがストレスになる場合もあるので状況や度合などに応じて対処するようにしましょう。

大事なポイントは噛むと楽しくないことが起きる・飼い主さんがいなくなってしまうなどを覚えさせることです。

愛犬との暮らしが楽しく豊かなものとなりますように!

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