「犬のフケがすごい!」原因と対策は?病気の可能性も
犬も哺乳類の仲間ですので、私たちの頭髪と同様ふけが発生します。そもそも、ふけは、新陳代謝によって剥がれ落ちた古い皮膚(角質)です。ブラッシングやシャンプーなどを施すことによって、体からふけを払うことができます。もちろん、さほど目立たないふけは生理的な範囲ですので心配はいりません。
しかし、ブラッシングをしてもふけが治まらない場合や、犬が必要以上にかゆがるときなどは病気を疑う必要があります。ふけ以外の毛や皮膚の症状も確認しましょう。換毛期以外の抜け毛や、皮膚の炎症を伴っているふけに関してはできるだけ早く獣医師の診察を受けましょう。
犬のふけの原因とは?
犬のふけの原因を知ることで、健康状態を見極めることができます。
新陳代謝によるもの
皮膚は常に新しい細胞と入れ替わっています。不要になった皮膚は、鱗片状になり体から剥がれ落ちていきます。犬もさほどかゆみを感じない場合がほとんどです。これは、生理的に全く問題がない状態です。
ふけが目立つ場合に考えられるのは、ブラッシング不足や不潔な状態が続いていることが挙げられます。この場合はシャンプーとブラッシングを行うことで、たいていのふけは治まります。
肌の乾燥
犬にも肌の乾燥が考えられます。犬の毛や皮脂などが肌の乾燥を守る働きをしていますが、シャンプーのし過ぎやブラッシングのし過ぎでふけが発生する可能性も否めません。
人間と同様、体質的に乾燥肌気味ということも考えられます。保湿剤を併用しながら様子を見ることが一般的です。
皮膚疾患
アレルギー性や感染症など理由はさまざまですが、皮膚疾患が原因でふけが出ることもあります。
この場合、肌のかゆみや炎症が認められるケースが大半です。症状が進行することで、部分的に毛が抜け落ちてしまうなどの状態が認められます。
ふけ以外の症状が見つかったら、できる限り早く獣医師の診断を仰ぎ適切な治療を受けることを優先させましょう。
犬のふけにつながる皮膚の病気とその対策
犬のふけが増える原因となる皮膚の病気があります。基本的には通院治療が必要になりますが、一部の皮膚炎に関しては、ホームケアで症状を減らせるメリットがあります。
真菌症
真菌症は、免疫力が低下している場合に発症しやすい病気です。子犬や老犬などに起こりやすい傾向にあります。主に皮膚や毛にカビ(真菌)が感染することで発症します。症状としてはかゆみやふけのほか、感染部位に円形の脱毛が起こる特徴があります。
白癬菌(はくせんきん)など人間の体にも発症する菌が原因であり、人畜共通感染症とされています。人と犬との間で感染しあう可能性があるので、早めに医師の診察を受けましょう。
治療に関しては、外用・内服などの抗真菌薬の投与が主になります。また、患部を剃毛したうえで抗真菌薬配合のシャンプーで洗うなどの治療も行います。治癒に至るまでは1ヶ月以上かかるとされています。
アトピー性皮膚炎
人と同様、刺激となる物質が肌に触れることで起こる皮膚炎です。免疫力の問題であるほか、環境や食事、体質などのさまざまな要因が絡み合っていることが考えられるので、アレルゲン除去だけではなく、あらゆる角度からの治療を行うことが一般的です。
食事やハウスダストといった環境がアトピー性皮膚炎の原因であれば、家の中では限りなく除去することが求められます。またスキンケアや外用・内服薬治療なども用いられます。
ダニやノミによるもの
ダニやノミが皮膚に繁殖することで起こる皮膚炎が一般的です。免疫力の低下で繁殖するニキビダニ症やヒゼンダニ症が一般的ですが、散歩好きの犬であれば、マダニなどにかまれたことによる皮膚病や肉芽腫などの症状が出ることも考えられます。
特に、マダニが媒介する血液の病気も併発している可能性があるので、皮膚病以外の症状もつぶさに見ていかなければいけません。
ダニやノミによる皮膚炎を予防したい場合は、室内飼育をするだけでは100%予防できません。月に1度ノミやダニ除けの薬を塗布するほか、ノミ取り用コームを使ってノミを取り除く方法を励行しましょう。
脂漏症
皮脂の過剰分泌によるべたつきが認められるほか、皮膚の乾燥などの症状もあります。鱗片のようなふけだけではなく、皮膚に白いかさぶた状のものができることもこの症状の特徴です。
原因は、皮膚の新陳代謝が乱れていることが考えられます。ホルモン分泌の異常やアレルギーが原因になると指摘されています。
脂漏症は皮脂に繁殖しやすいマラセチアなどの真菌症皮膚炎を併発する可能性もありますので、医師による原因特定が必要です。
普段のスキンケアで脂漏症は予防可能です。しかし、アレルギーが原因で起こる脂漏症は原因の治療と併用していく必要があります。
まとめ
犬のふけの症状はいろいろな病気につながっている可能性があります。
毎日のスキンケアなどで予防できる症状ですが、中にはスキンケア以外のケアが必要になる疾患も見られます。医師の診断仰ぎ、適切な治療を行いましょう。
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