低血糖の犬におすすめのフードとは?原因や症状、食事でできるサポート方法をご紹介!

「なんだか元気がないな…」「体が小刻みに震えている…」
そんな愛犬の様子に、胸がぎゅっと締め付けられた経験はありませんか?もしかしたら、それは犬の低血糖が原因かもしれません。犬も人間と同じように、体内のブドウ糖が不足するとさまざまな不調が見られます。
軽症であれば食事で改善することもありますが、重症化すると命に関わることもある、決して見過ごせない状態です。
しかし、正しい知識と対策があれば、愛犬を低血糖から守ることができます。
この記事では、犬の低血糖の主な原因や症状、そしてなによりも重要な「食事によるサポート方法」、特に「低血糖に良い食べ物やフードの選び方」について詳しく解説します。
愛犬が健康で元気に過ごせるよう、今日からできる食事管理のヒントをたっぷりご紹介!ぜひ参考にしてみてくださいね。
犬の低血糖とは
犬の低血糖とは、血液中のブドウ糖(=血糖)の濃度が異常に低くなってしまう状態のことをいいます。ブドウ糖は、犬の体にとって大切なエネルギー源であり、脳や神経、筋肉などが正常に機能するために欠かせません。このブドウ糖が不足すると、さまざまな体の不調があらわれ、重症化すると命に関わることもあります。
特に子犬や持病のある犬、糖尿病の犬などは低血糖になりやすく、飼い主さんがそのサインを見逃さないようにすることが大切です。
また健康な犬でも長時間の絶食や激しい運動、強いストレスなどが原因で一時的に血糖値が下がってしまうこともあります。
犬の低血糖の症状
犬の低血糖の症状は、その程度によってあらわれる症状が大きく異なります。初期段階では気づきにくいこともありますが、進行すると非常に危険な状態になるため、愛犬のわずかな変化にも気づけるよう、日ごろからよく観察しておくことが大切です。
特に、空腹時や運動後に症状が出やすい傾向があります。低血糖の症状は、脳がエネルギー不足になることで起こる神経のトラブルや、体全体の機能低下による全身の不調としてあらわれます。
また、糖尿病でインスリン投与している場合量が多すぎると低血糖が起こりやすいため注意が必要です。愛犬にいつもと違う様子を見られたら、まずは落ち着いて対処することが重要です。
低血糖の初期症状
犬の低血糖は、初めのうちは症状がとても軽いため気づかずに見過ごしてしまうこともあります。
・元気がない
・ぼーっとしてる
・呼びかけに反応しにくい
・食欲が落ちている
・そわそわ落ち着かない
・体が小刻みに震える
・足元がふらつく
・よだれが増える
これらは、脳に十分なエネルギーが行き届いていないサインです。
もし愛犬に上記のような症状がひとつでも見られたら、低血糖の可能性を考え、すぐに次の食事の準備をしたり、おやつを与えたりするなど、血糖値を上げるための対策をする必要があります。特に、子犬や小型犬は血糖値の変動が大きいため、注意が必要です。
低血糖が進むとどうなる?
低血糖の症状が進行すると、命に関わるような深刻な状態になることがあります。初期症状を見逃して放置してしまうと、脳へのエネルギーがさらに不足し、痙攣発作や意識障害、昏睡状態などを引き起こす可能性があります。
ひどい場合には、脳に大きなダメージを与えたり、最悪の場合、命を落としてしまうことも。もし愛犬が意識を失ったり、全身が痙攣している場合は、とても危険な状態なので、すぐに動物病院へ連れていくようにしてください。
このような状態を防ぐために、軽い症状のうちに気づき、適切な処置を行うことが何よりも重要です。日ごろから愛犬の様子をよく観察し、少しでも「おかしいな」と感じたら、すぐに獣医師に相談できるようにしておきましょう。
犬にとって危険な血糖値の目安
犬の正常な血糖値は、一般的に70∼120mg/dL程度とされています。これより低い状態が「低血糖」となり、50mg/dLを下回ると、意識障害や痙攣などの重い症状が出る可能性が高くなります。
しかし、犬種や原因によっても低血糖の症状のあらわれ方は異なります。例えば、糖尿病の犬がインスリン治療を受けている場合、血糖値が急激に下がると、たとえ70mg/dL台でも症状が見られることがあります。
これは、体が急激な変化にうまく対応できないためです。愛犬の血糖値を正確に知るためには、動物病院での検査が必要ですが、日ごろから元気や食欲、排泄の様子などを観察することが大切です。
「なんだかいつもとちがうな」と感じたら、早めに獣医師に相談するようにしましょう。
犬が低血糖になる原因
犬が低血糖になる原因はさまざまですが、主に「食事や栄養不足」「持病などの疾患」「過度な運動」などが挙げられます。特に子犬は、体の機能がまだ未熟なため低血糖になりやすい傾向があります。
一方、成犬や老犬は持病が背景にあるケースも少なくありません。また、糖尿病の犬にインスリンを投与している場合、量やタイミングが合ってないと、低血糖を引き起こすこともあります。
こうした原因を理解し、それぞれに合った対策をとることが、低血糖の予防や早期対応にとても大切です。愛犬がなぜ低血糖になりやすいのかを知っておくことで、日々のケアや食事管理に役立てることができます。
年齢別の低血糖の原因
犬の低血糖は、年齢によってその主な原因が異なります。子犬、成犬、老犬それぞれで体の状態や生活習慣が異なるため、低血糖を引き起こすリスク要因も変ってきます。
例えば、子犬の場合は消化・吸収機能が未熟であったり、ストレスに弱いことが原因となることが多くあります。一方で、成犬や老犬になると、加齢に伴う臓器機能の低下や持病が関係しているケースが増えてきます。
愛犬の年齢に応じたリスクを理解し、適切なケアを行うことが、低血糖の予防につながります。
子犬の低血糖の原因
子犬は、成犬と比べて低血糖になりやすい傾向があります。これは、体がまだ未発達で、血糖値を安定させる機能が十分に備わっていないためです。主な原因としては、以下のような点が挙げられます。
・食事の間隔があきすぎる
・食事量が足りない
・消化器の不調による栄養吸収の低下
・ストレスや寒さによるエネルギー消費の増加
特に、小型犬の子犬は肝臓に蓄えられるグリコーゲン(エネルギー)の量が少ないため、空腹時間が続くとすぐに低血糖に陥りやすくなります。また、パルボウイルス感染症などの重い病気にかかっている場合も、低血糖を起こすことがあります。
子犬の低血糖は進行が早いため、少しでも異変を感じたらすぐに動物病院を受診しましょう。日々の食事管理や保温など、細やかなケアが大切です。
成犬の低血糖の原因
成犬の低血糖は、子犬に比べると稀ですが、発生した場合は持病が背景にある可能性が高いです。特に、糖尿病の治療を受けている犬では、インスリンの過剰投与や食事のバランスが崩れることで低血糖を起こすことがあります。
例えば、インスリンを注射したのに食事を摂らなかったり、いつもより運動量が多かったりすると、血糖値が急激に低下することがあります。また、「インスリノーマ」という膵臓の腫瘍が原因で、インスリンが過剰に分泌されることで、慢性的な低血糖を引き起こすこともあります。
その他にも、肝臓疾患や腎臓疾患、副腎皮質機能低下症(アジソン病)、重度の感染症、栄養不良なども低血糖の原因となることがあります。成犬の低血糖は、単なる空腹だけでなく、体のどこかに異常があるサインである可能性が高いため、早めに動物病院を検査し、原因を特定することが重要です。
老犬の低血糖の原因
老犬は、加齢にともなう体の変化により、低血糖のリスクが高まる傾向があります。主な原因としては、消化吸収能力の低下、基礎代謝の変化、持病による影響などが挙げられます。
例えば、食欲不振が続いたり、消化器系の病気で栄養がうまく吸収できなかったりすると、エネルギー不足に陥りやすくなります。
また、糖尿病を持つ老犬の場合、インスリン治療中であることが多く、インスリンの作用が強く出すぎたり、食欲が不安定になったりすることで低血糖を起こすことがあります。
さらに、肝臓や腎臓の機能が落ちていると、血糖値を調節する力が弱まっているため、低血糖になりやすい傾向があります。持病を抱えている老犬の場合は、定期的な健康チェックと、獣医師と連携した適切な食事管理が低血糖の予防においてもとても大切です。
低血糖を引き起こすその他の要因
犬の低血糖は、単なる食事不足だけでなく、さまざまな病気が原因で起こることもあります。以下に代表的な要因をご紹介します。
・インスリノーマ(膵臓腫瘍): インスリンが過剰分泌されることで、血糖値が正常値より大きく下がります。
・肝臓病: 肝臓は糖を貯蔵・生成する役割があり、機能低下すると血糖値を維持できません。子犬は肝機能が未発達なためより起こりやすいです。
・副腎皮質機能低下症(アジソン病): 血糖値を上げるホルモンの分泌が不足し、低血糖につながります。
・腎臓病: 慢性腎不全などで腎機能が低下すると、血糖の再吸収がうまくいかず、血糖値が下がることがあります。
・敗血症: 重度の全身感染で、体内のエネルギー消費が増えたり、糖の産生が追いつかなくなったりすることで低血糖を引き起こします。
・その他: 糖尿病治療中にインスリンを過剰投与した場合や、極度の飢餓状態、一部の有害物質(キシリトールなど)の摂取も低血糖の原因となります。
少しでも異変を感じたら、速やかに獣医に相談するようにしましょう。
特定の成分の摂取
犬にとって危険な成分を誤って食べてしまうことも、低血糖の原因となることがあります。特にキシリトールは注意が必要です。
犬にとって非常に有害であり、摂取するとインスリンが急激に分泌され、重度の低血糖を引き起こす恐れがあります。キシリトールはガムや一部の歯磨き粉、お菓子などに含まれていることがあるため、誤って口にしないよう注意が必要です。
また、人間の食べ物の中には、犬にとって糖分が多すぎたり、消化しにくいものが多くあります。これらを頻繁に与えてしまうと、血糖値の急激な変動や、膵臓への負担がかかり、結果として低血糖につながる可能性があります。
犬に与える食べ物やおやつは、必ず犬専用のものを選び、成分表示をよく確認するようにしましょう。
糖尿病など関連する病気
糖尿病は、血糖値が高くなる病気ですが、治療の過程や病状によっては、犬の低血糖を引き起こすことがあります。特に、インスリン依存性糖尿病の犬がインスリン注射を受けている場合、投与量が多すぎたり、注射後に十分な食事を摂らなかったりすると、血糖値が急激に低下することがあります。
また、インスリノーマという膵臓の腫瘍は、インスリンを過剰に分泌するため、慢性的な低血糖を引き起こす代表的な病気です。そのほかにも、肝臓病も血糖値を調節するグリコーゲンの貯蔵や生成に支障がでるため、低血糖のリスクを高めます。副腎皮質機能低下症(アジソン病)も、血糖値をコントロールするホルモンが不足することで、低血糖を引き起こすことがあります。
これらの持病がある場合は、定期的な獣医師の診察と、適切な治療・管理を行うことが大切です。
低血糖が引き起こす合併症とリスク
低血糖は、単に血糖値が低い状態であるだけでなく、さまざまな合併症や深刻なリスクを伴う症状です。特に脳はブドウ糖を主なエネルギー源としているため、低血糖が長く続くと脳細胞がダメージを受ける可能性があります。
重度になると、痙攣発作や昏睡状態に陥ることがあり、最悪の場合は命を落とす危険性も。また、低血糖の状態は心臓にも大きな負担をかけ、不整脈などの心疾患を悪化させるリスクがあるともいわれています。
低血糖を繰り返すことで、犬の認知機能が低下したり、神経系の障害を引き起こす可能性も考えられます。
特に糖尿病の犬の場合、低血糖と高血糖の繰り返すことが、血管や臓器にさらなるダメージを与え、腎臓病や眼の病気などの合併症を悪化させる原因にもなります。低血糖は、早期発見と迅速な対応が何よりも重要です。
放置すれば取り返しのつかない事態を招く可能性があるため、日ごろの観察と予防が愛犬の健康を守ることにつながります。
低血糖になりやすい犬種ってある?
特定の犬種が他の犬種よりも低血糖になりやすい、という明確なデータは少ないですが、一般的には小型犬や超小型犬は低血糖を起こしやすい傾向があると言われています。これは、体が小さいぶん肝臓に蓄えられるグリコーゲンの量が少なく、代謝が活発でエネルギーを消費しやすいことが主な理由です。
特に、チワワ、トイプードル、ヨークシャーテリアなどの犬種の子犬は、空腹状態に弱く、低血糖のリスクが高いため、こまめな食事と日々の体調チェックが重要です。とはいえ、病気や体質によっては、どんな犬種でも低血糖になる可能性はあります。
例えば、糖尿病の犬は犬種に関わらず低血糖になるリスクを抱えています。特定の犬種だからといって過度に心配する必要はありませんが、愛犬の体質や犬種特性を理解し、低血糖のリスクを意識したケアを行うことが大切です。
犬が低血糖になった場合の対処法
もし愛犬が低血糖の症状を見せたら、まずは落ち着いて、冷静に対処することが重要です。初期症状のうちに適切な応急処置を行うことで、重症化を防ぐことができます。
応急処置の方法
愛犬に低血糖の症状が見られたら、まずは血糖値を上げるための応急処置が必要です。意識がはっきりしている場合は、すぐに糖分を含むものを少量ずつ口から与えます。意識が朦朧としていたり、痙攣を起こしている場合は、誤って飲み込んでしまうリスクがあるため、口から与えるのは避け、歯茎に擦りつけるなどして粘膜から糖分を吸収させる方法が安全です。
応急処置に使えるもの
応急処置としてすぐに使えるものとしては、以下のようなものがあります。
・ブドウ糖溶液: 動物病院で処方されることもありますが、犬用のブドウ糖液があればベストです。
・ハチミツ: 純粋なハチミツは糖分が豊富で、吸収も早いため、緊急時に役立ちます。指や綿棒で歯茎に塗ってあげましょう。
・砂糖水: 砂糖を水に溶かしたものも有効です。ただし、少量ずつ与え、むせないように少しずつ与えるようにしましょう。
・メイプルシロップ: ハチミツと同様に糖分が豊富で、吸収も早いです。
これらのものを常備しておくと、いざという時に役立ちます。与える際は、少量ずつ慎重に行い、誤嚥に十分注意しましょう。特に、意識がない状態の犬に無理に口から食べ物を入れようとすると、窒息の危険があるため絶対に避けてください。
応急処置の注意点
応急処置を行う際にもっとも大切なのは、愛犬の状態をよく観察することです。意識がはっきりしている場合は口から与えても良いですが、意識が朦朧としていたり、痙攣を起こしている場合は、誤嚥を防ぐために口から直接液体や固形物を与えるのは避けてください。
その代わりに、指や綿棒にハチミツやブドウ糖液をとり、犬の歯茎や舌の裏に優しく擦りつけるように与えます。口の粘膜からも糖分は吸収されるため、血糖値の上昇を促すことができます。
また、応急処置で一時的に回復しても、必ず動物病院を受診しましょう。低血糖の原因を特定せずに放置してしまうと症状が再発したり、さらに悪化したりする恐れがあります。
病院に連れていくタイミング
応急処置で一時的に症状が改善したとしても、必ず動物病院に連れていく必要があります。特に以下のような場合は、緊急性が高いため、すぐに病院を受診してください。
・応急処置を行っても症状が改善しない、または悪化している
・意識が戻らない、昏睡状態が続いている
・痙攣が止まらない、または繰り返す
・低血糖の原因がはっきりしない
・糖尿病の犬で、インスリン治療中に低血糖が起こった
低血糖の背後には、重篤な病気が隠れていることも少なくありません。早期に原因を特定し、適切な治療を受けることが、愛犬の健康と命を守るために必要不可欠です。
動物病院に連絡する際は、愛犬の症状(けいれん・意識の有無・食欲など)、応急処置の内容、症状が出始めた時間やきっかけ、既往歴などを具体的に伝えられるように準備しておくとスムーズです。
犬の低血糖の治療法とは
犬の低血糖の治療法は、その原因や症状の重さによって異なります。一時的な低血糖であれば、糖分を補給することで回復するケースが多いですが、根本的な原因がある場合は、その原因となる病気の治療が不可欠です。
軽度の場合は、自宅での応急処置(糖分の補給)で回復が見られることがありますが、症状が重かったり、繰り返したりする場合には、動物病院での治療が必要です。入院してブドウ糖の点滴を行い、血糖値を安定させる治療が行われます。
また、低血糖の原因が病気である場合は、その特定と治療を進めます。例えば、インスリノーマが原因であれば、外科手術による腫瘍の摘出が検討されます。糖尿病の場合は、インスリンの量や食事内容、タイミングの見直しが必要になります。
肝臓病や腎臓病など、他の持病が原因であれば、その疾患の治療が優先されます。獣医師は、血液検査や画像診断などを行い、低血糖の根本原因を突き止めたうえで、愛犬に合った治療計画を立ててくれます。
犬の低血糖を予防するには
犬の低血糖は、日々の生活習慣や食事の工夫で、ある程度予防することができます。特に、食事やおやつ、生活環境の見直し、適度な運動とストレス発散、そして病気の予防が重要になります。
食事やおやつによる予防
犬の低血糖を予防するうえで、毎日の食事やおやつの選び方はとても重要です。特に糖尿病の犬の場合、血糖値の急激な変動を防ぐフードやおやつを選ぶことが欠かせません。ドッグフードは、高品質かつ消化吸収の良いものを選び、必要であれば獣医師と相談して食事療法を検討するのも良いでしょう。
手作りごはんの場合は、炭水化物、タンパク質、脂質のバランスを意識し、血糖値の急上昇・急降下をしないように食材選びや工夫が大切です。
また、食事は一度に大量に与えるのではなく、1日数回に分けて少量ずつ与える(分割給餌)が、血糖値の安定に役立ちます。
空腹を避ける
低血糖の予防で、もっとも基本的なのが「空腹を避ける」ことです。特に子犬や小型犬、糖尿病の犬は、空腹時間が長くなると血糖値が急激に低下しやすいため、食事を小分けにして与える「分割給餌」が理想的です。
例えば、1日の食事量を2回ではなく3〜4回に分けて与えることで、安定した血糖値を保ちやすくなります。また、食事と食事の間に少量の犬用のおやつを与えることで、血糖値の急降下を防ぐことができます。その際は、高タンパクで低脂質の、消化に良いおやつを選ぶようにしましょう。
運動量の多い犬や、食欲不振の犬には、エネルギー不足にならないよう、食事の量や回数を柔軟に調整し、ライフスタイルに合わせて、無理なく空腹を避ける工夫をすることが、大切です。
低血糖にいい食べ物とは?
低血糖に良い食べ物とは、血糖値をゆるやかに上げて、持続的にエネルギーを供給できるものです。具体的なフード選びのポイントは、以下でご紹介します。
・消化吸収の良い総合栄養食: 犬の体に負担をかけずに栄養を吸収できる、質の高い総合栄養食を選びましょう。高タンパク質で、良質な脂質と複合炭水化物を含むものが理想です。
・高タンパク質フード: 筋肉の維持や血糖値の安定に役立ちます。鶏肉、魚、卵など、消化しやすいタンパク源がおすすめです。
・適切な炭水化物: 急激な血糖値の上昇を避けるため、玄米や大麦などの複合炭水化物や、食物繊維が豊富なものが適しています。これらの炭水化物は、消化吸収がゆるやかで、血糖値の急な変動を抑える効果が期待できます。
・低GI値の食材: GI値(グリセミック指数)とは、食品が血糖値を上げる速さを示した数値です。低GI値の食材は、血糖値の急激な上昇を抑え、ゆるやかにエネルギーを供給してくれるため、低血糖の予防に役立ちます。例えば、さつまいもやカボチャなどがあげられますが、与えすぎには注意が必要です。
・おやつ: 食事の間の血糖値維持には、無糖で低脂質の犬用おやつが良いでしょう。例えば、鶏のささみジャーキーや、野菜スティックなどがおすすめです。糖尿病の犬でも食べれるような、血糖値に配慮されたおやつも市販されていますよ。
どの食べ物も、愛犬の健康状態や体質に合ったものを獣医師に相談のうえ選ぶことが大切です。手作り食を検討する場合は、栄養バランスが偏らないよう、専門家のアドバイスを受けるようにしましょう。
生活環境の見直し
低血糖の予防には、食事だけでなく、日々の生活環境を見直すことも重要です。ストレスは犬の体に大きな負担をかけ、血糖値の変動を招く要因のひとつです。
例えば、過度な運動はエネルギー消費を増やし、低血糖のリスクを高める可能性があります。特に子犬や小型犬、病気を抱えている犬の場合は、適切な運動量と休息のバランスが非常に重要です。
また、犬が安心して過ごせる静かで快適な環境を整えることも大切です。温度管理も重要で、極端な暑さや寒さは犬の体にストレスを与え、エネルギー消費を促してしまうことがあります。長時間の留守番や、夜間の冷え込みがある場合は、適切な室温を保つように心がけましょう。
定期的な運動とストレス発散
適度な運動は、犬の健康維持に不可欠ですが、低血糖の予防という観点からも重要です。運動は、ブドウ糖を消費するため、過度な運動は低血糖を招く可能性があります。しかし、まったく運動しないのも、ストレスや、肥満につながったりと、別の問題があります。
愛犬の年齢、犬種、健康状態に合わせて、無理のない範囲で、規則正しい時間に行うことが大切です。特に糖尿病の犬は、運動量とインスリンの量を調整する必要があるため、獣医師の指導のもとで計画的に行いましょう。
また、日常でのストレス発散も大切です。おもちゃで遊んだり、散歩に出かけたりするなど、適度にストレスを発散させてあげることが、血糖値の安定や心身の健康維持につながります。
病気の予防
低血糖の原因になる病気を未然に防ぐことは、もっとも根本的な予防策です。特に、糖尿病、肝臓病、腎臓病、副腎皮質機能低下症などの病気は、低血糖を引き起こす可能性があります。これらの病気を早期に発見し、適切な治療を行うことで、低血糖の発症リスクを下げることができます。
定期的な健康診断によって、血糖値・肝臓・腎臓の状態をチェックし、症状が出る前の予防的ケアが可能になります。また、ワクチン接種や寄生虫対策なども、体の抵抗力を高め、病気にかかりにくい体を作るために重要です。
日々の観察と健康診断
低血糖の予防と早期発見には、飼い主による日々の細やかな観察と、定期的な健康診断が欠かせません。
毎日、愛犬の元気、食欲、排泄(おしっこやうんちの量や回数、色)、行動パターンなどを注意深く観察しましょう。
いつもより元気がなかったり、ぐったりしている、震えている、ふらついている、呼びかけに反応が鈍いなどの異変が見られた場合は、低血糖のサインかもしれません。食事の食べ残しや、水を飲む量の変化なども重要な情報です。
また、おやつを与えた後の様子や、運動後の状態なども確認し、記録しておくと、動物病院を受診する際に役立ちます。
さらに、日々の観察に加えて、年に1回(高齢犬や持病のある犬は半年に1回)程度の定期的な健康診断を受けるようにしましょう。健康診断では、血液検査、尿検査、身体検査などが行われ、血糖値はもちろんのこと、低血糖の原因となる可能性のある肝臓や腎臓、膵臓などの機能に異常がないかを確認することができます。
特に、糖尿病の犬であれば、血糖値のコントロール状況を把握し、インスリン量の調整など、適切な治療につなげることができます。日々の観察で気づいた些細な変化を獣医師に伝え、定期的な健康診断を継続することで、犬の健康を守り、低血糖のリスクを最小限に抑えることができます。
まとめ
今回は、大切な愛犬の「低血糖」について、原因や症状、食事やフード、おやつでできるサポート方法まで、幅広くご紹介しました。低血糖は、犬の体にとって大切なエネルギー源であるブドウ糖が不足することで起こる状態です。
ふらつきや元気のなさといった初期症状から、けいれんや意識障害といった重い症状まで状態によってあらわれ方はさまざま。特に、子犬や老犬、糖尿病の犬は低血糖になりやすく、たとえ血糖値が一時的に高くても、インスリンの投与ミスなどで急激に低血糖に陥ることがあるため注意が必要です。
応急処置としては、はちみつやブドウ糖液などが有効ですが、あくまで一時的なもの。症状が見られたら、迷わず早めに動物病院に連れていくことがなによりも大切です。
また、低血糖を予防するには、空腹を避け、犬の体質や糖尿病などの持病に合わせた適切な食事やフード、おやつを与えることが重要です。低血糖に良い食べ物として、ゆっくり吸収される炭水化物や良質なタンパク質を含むものがおすすめです。
さらに、快適な生活環境を整備、適度な運動とストレス発散、そして定期的な健康診断による病気の早期発見も、低血糖予防には欠かせません。愛犬の小さな変化にも気づけるように、日頃から愛情を持って接し、健康状態をしっかりと観察してあげましょう。「いつも通り」が続くように、できることから少しずつ取り入れてみてくださいね。