愛犬の下痢予防、下痢の時の食事療法について解説 | わんちゃんライフ

皆さんは、普段から愛犬のうんちを観察されていますか?
犬のうんちの正常な硬さは、ティッシュなどで掴んだときに形が崩れず、ペットシーツや地面にもほとんど跡が残らないくらいの硬さだと言われています。下痢になりうんちの水分量が増えてくると、地面やペットシーツにうんちが残るやわらかい軟便の状態や、ほとんど形がなく水っぽい水様便などになります。このような状態は下痢だといえるでしょう。
「愛犬が突然下痢になった場合、普段と同じフードを与えても大丈夫か?」と飼い主様は心配されることがあるかもしれません。
そんな犬の下痢に悩む飼い主様に、ここでは犬の下痢の症状や原因、おすすめの食べ物や適切な与え方、注意点について説明します。
定期的な健康診断や、サプリメントなどを活用し、愛犬の健康管理に取り組むことが大切です。是非参考にしてみてください。
愛犬の下痢はどっち?2種類の犬の下痢について
うんちに含まれる水分量が異常に増えすぎた状態のことを下痢といい、犬によく見られる体調不良の一つとされています。人間と同様に犬の腸は大腸と小腸に分かれており、大腸で起こる「大腸性下痢」と小腸で起こる「小腸性下痢」があり症状も異なります。それぞれがどんな症状なのかを解説していきます。
①大腸性下痢
大腸は、身体に必要な水分を一定に保つ役割があります。その水分量のバランスが崩れると、大腸性の下痢になってしまいます。
・うんちの回数は増えるが、うんちの量が減る
・うんちがなかなか出し切れず、何度も出そうとする(しぶり便)
・嘔吐する
・軟便、ゼリー状の粘液が付着した便が出る
・便に赤色の血が付く(鮮血便)
・体重の変化はあまり見られない
大腸性下痢は上記のものが具体的症状です。ただし、血便が出た場合は、すぐにかかりつけの動物病院を受診するようにしましょう。
②小腸性下痢
小腸には、身体に必要な栄養を消化吸収する役割がありますが、消化吸収に異常がある場合は小腸性下痢を発症します。
栄養が吸収できない状態なので、体重が減少してしまうのが特徴です。
・うんちの回数が減り、うんちの量が増える
・水のような便や軟便
・ガズが溜まっておなかがふくらむ、おなかがグルグルいう
・体重が減る
・真っ黒なタール状の便が出る
下痢が長引くと、嘔吐などの症状も見られるでしょう。体内の水分が不足して脱水症状を起こし重症化するリスクがありますので、すみやかに動物病院を受診するようにしましょう。
犬が下痢を起こす原因
犬が下痢を起こす原因ストレスや食べ物、感染など様々です。
下痢の原因によっては食事が難しくなる場合もあります。
下痢の原因の中から代表的なものを6つ取り上げて、詳しく解説しますので、思い当たるものがないかチェックしてみましょう。
①ストレス
消化器は自律神経からの指令で働きが調節されていますので、ストレスの影響で自律神経の働きが乱れて来ると、消化管の働きも乱れてしまい下痢になります。
また、無駄吠え、噛む、手足や体をしきりになめるなどの過剰なグルーミング、食糞などもストレスによる行動と言われていますので、併せてチェックしてみましょう。犬のストレスの原因としては以下のような原因があげられています。
動物病院など苦手な場所に行ったりペットホテルの宿泊、引っ越し、慣れない環境への変化、厳しいしつけ(怒鳴ったりたたいたりなど)、散歩の時間が減ったなど運動不足、分離不安、長い留守番など。
病院を受診して検査をしても異変が見つからなかった場合などは特に、ストレスを原因と考える必要がありますし、ストレスが原因の場合は、考えられる原因を取り除くと回復することが多く見られます。
②食事やアレルギー
犬は満腹でも食べてしまう傾向があります。食べ過ぎた結果十分に消化しきれず、結果下痢になってしまうことがあるので注意しましょう!
これまでとは違うドッグフードやふだん食べない食材を与えた後に症状がみられた場合は、食事が原因の下痢であることが考えられます。食事内容を見直してみましょう。
また、特定の食材を食べたあと必ず下痢になったり、下痢だけではなく嘔吐していたり、毛が過剰に抜けてしまっていたり、皮膚をかきむしっていたら、食物アレルギーの可能性を疑いましょう。初めて与える食材は様子を見ながら少量ずつ与えるようにしましょう。
③誤食や誤飲
中毒を起こす植物・中毒性物質・消化できない異物の誤食などは、下痢だけでなく、震えやけいれんなどの神経症状、消化器官の粘膜にキズがつくリスクもあり、苦しそうにしていたり、元気消失が見られ重症化すると大変危険です!消化できない異物を飲み込んでいた場合などは腸閉塞などを起こしたり、激しい嘔吐が伴うこともあります。
拾い食いのクセのある愛犬の場合は、室内ではおもちゃやプラスチック片などを口にする可能性もあるため、注意しましょう。屋内だけでなく散歩中も落下物がないか注意しながらお散歩しましょう!
④冷え
犬も人間と同じく、お腹が冷えてしまった場合には下痢が起こります。クーラーが当たる場所で寝てしまったりしないように気を付けてあげましょう。
⑤寄生虫やウイルス、細菌感染など
●寄生虫感染
回虫や条虫など寄生虫感染によって下痢が引き起こされる場合があります。
寄生虫が原因の下痢は、特に子犬に多く見られます。糞便検査で感染の有無が確認できますので、子犬を飼うときは検査を行い、家に来たばかりの子犬に症状が見られた場合は早めに動物病院を受診しましょう。便に虫体が混ざっていて気づくこともあります。特に犬回虫は人間に感染する可能性もある怖い病気です。感染していた場合は、寄生虫駆除剤などで駆除するなどの治療を行います。
●ウイルス感染
犬パルボウイルス感染症・ジステンパーウイルス感染症・コロナウイルス感染症など、かかってしまった場合には下痢症状が現れることがあり発熱や嘔吐を伴うことがあります。パルボウイルス感染症やジステンパーウイルス感染症などはワクチン接種での予防も可能です
●細菌感染
大腸菌やサルモネラ菌などに感染してしまった場合にも発熱や元気消失が認められ下痢が続きます。サルモネラ菌は肉の生食を避けると予防につながります。
⑥内臓疾患
胃や、大腸・膵臓などに炎症や腫瘍がある場合なども下痢が起こり、併せて元気消失などが見られます。
動物病院へ行くべき?迷った時の対処
愛犬が下痢になると様子をみるべきか、病院に行くべきか悩みますよね。
前述の原因の中でひとまず様子を見れるものは、ストレスや冷えが原因と思われる場合のみです。
それほど頻度が多いわけではなく、下痢以外はいつも通りで元気で食欲がある場合は、ある程度様子を見てもいいでしょう。
下痢の状態がひどかったり、嘔吐や発熱、血便や元気消失などの他症状が伴う場合もあります。その場合は、早急に獣医師の診察を受けるようにしてください。
ただし元気があっても、水のような下痢が1日のうちに何度も出る場合にはそれほど待たずに早めに動物病院を受診しましょう。
動物病院へ連れて行く際の注意点
動物病院を受診する際は、うんちの回数・量・症状・形状・色・誤食や変わったものを食べたかなどの詳細をメモして持参し獣医師に伝えるようにしましょう。また、症状をはっきり伝えるために新しい便をビニール袋などでしっかり包んで持参するとより正確な診断が得られます。難しい場合は写真を撮って見せると、ある程度状況を伝えられます。
また、お腹が弱い、食が細いなど飼い主さんの日頃からの観察で愛犬の普段の状態をしっかり把握しておく事は診断・治療の何よりも大切な手がかりです。これらのことが大切な愛犬を守る事につながりますのでうんちの回数・量・状態の変化などしっかり報告できるようにしておきましょう!
愛犬が下痢をしてしまった場合の対処法
愛犬が下痢になった時は食事の与え方も大切です。どのように食事を与えたら良いかを解説していきます。
元気で食欲もあり、1~2日程度で治まるようであれば次の対処法を試して様子を見ても大丈夫ですが、2日以上続くようなら前述の通り病院に連れて行きましょう。
①絶食をする
成犬であれば、下痢で弱った胃腸を休めるために、半日から1日程度絶食をさせ様子を見ます。胃腸を休ませる事で症状が改善する事があります。絶食後は胃腸への負担が大きくならないように少量ずつのドッグフード(ドライフードの場合はふやかしたもの)を与え、4~5日かけて様子を見ながら、フードを元に戻していくなど、与え方には気を付けましょう!
一気に元の量に戻すと胃腸への負担が増してしまいます。消化しやすいように、少しずつ時間をかけて元の量に戻しましょう。
ただし、子犬や老犬、持病のある犬の場合は絶食させると体調悪化のリスクが生じるため、絶食は行わないほうがよいでしょう。
②水分補給をする
下痢の時は、体外に水分が多く排出されているため脱水症状になりやすいです。水分補給は十分に行ない脱水にならないよう気を付けないといけません。ただし、キンキンに冷えた水や一度に多量の飲水は再び胃腸に負担をかけるため、負担にならない程度の温度と水の量を心掛けて飲ませてあげてください。
人間と同様に雑炊やお粥のようなとろみのついたスープのごはんにしてみるなど、食事でも少し水分量を多めにして脱水状態にならないように気をつけてあげると良いでしょう。
愛犬が下痢をしている時に適した食材と食べさせ方
人間が体調を崩した場合には消化の良いものが好まれますが、犬にとっても下痢気味の場合は、いつものドッグフードよりも適した食材と与え方があります。下痢に適した食材は、高タンパク質で低脂肪、または食物繊維が豊富なものです。ここでは、いくつかのおすすめ食材や食べ方についてご紹介します。
ここで紹介する食材が主成分で作られたフードを与えたり、または自宅で手作り調理をすることで、愛犬の消化を助ける食事の手助けをすることができます。
愛犬の下痢に悩む飼い主様は、このような食事の工夫を行うことで愛犬の回復を促すことができますので、ぜひ参考にしてみてください。
高タンパク質で低脂肪の素材
タンパク源として下痢の犬におすすめなのは、お肉なら脂肪分が少なく消化されやすい鶏ささみや鶏胸肉、お魚なら脂肪分が少ない白身魚がおすすめです。ただし、注意点もあります。
過剰に加熱されたタンパク質は、消化を悪化させるだけでなく、アレルギーの原因にもなることがあるため、程よい加熱が必要です。
鶏肉については、表面にサルモネラ菌がついていることがあるため、表面が軽く色が変わる程度の低温加熱が適しています。
また、「低脂肪」な素材を選ぶことも大切です。脂肪が多い素材は加熱によって酸化し、消化を妨げる可能性があるためです。犬の健康を守るために、適切な素材と加熱方法を選んでください。
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食物繊維が豊富な素材
「サツマイモ」、「おから」、「かぼちゃ」など比較的消化しやすく食物繊維が豊富な食材は、胃腸の動きを促進する効果や便を固める働きがあります。
また、複数の種類の食物繊維を少しずつ摂ることで、より効果的に作用します。
症状が軟便だけの時はおやつをこうした食材に置き換えるだけでも調子を整えられるかもしれません。
食物繊維を摂取する目的は、消化を助けることではなく、便秘改善することです。ただし、消化不良を起こしやすい胃腸に過剰な食物繊維は負担をかけることになるため、適量を守ることが重要です。
また、大腸や小腸に問題がある場合は、それぞれの状態に合わせた食事療法が必要です。
大腸に問題がある場合は、多めの食物繊維を摂ることが望ましいですが、小腸に問題がある場合は、消化を妨げないように少なめの食物繊維を摂ることが必要です。
ただし、食物繊維を摂取するだけで健康になるわけではありません。バランスの良い食事を心がけ、医師による診断を受けることが大切です。
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【整腸、消炎作用のあるくず湯】
下痢による脱水が起きないように水を与えなければなりませんが、水だけでは飲まない場合は本葛粉を使った「くず湯」を作って与えてみましょう。
「くず湯」は、良質で高カロリーなでんぷん質の食材です。
整腸作用があり、消化にも良いため、元気のない時でも咀嚼しなくても栄養補給と水分補給ができます。
また、腸の粘膜を保護する効果や炎症を抑える作用、体を温める効果が期待できます。
下痢をしている時や下痢をしやすい犬は避けた方が良い食材
お腹の調子が悪いときは、冷たい水や氷、トマトやきゅうりなどの夏野菜は身体を冷やすため、下痢をしやすくなりますのでなるべく避けましょう。クッキー、ジャーキー、ナッツ類などの硬くて消化の悪いものも、なるべく与えないようにするのが望ましいです。食品添加物が多く含まれている加工品や牛肉、豚肉、羊肉などの脂身の多い肉類なども、胃腸に負担がかかりますので極力避けたい食材です。
下痢を防ぐフード切り替えの方法
健康な犬でも下痢になる原因の1つとして、急激なドッグフードの切り替えが挙げられます。新しいドッグフードに切り替えると、体になじむまで下痢になってしまうことがあります。
新しいドッグフードに切り替える場合は、今までのドッグフードに新しいドッグフードを混ぜて与え、徐々に新しいドッグフードの割合を増やしていきましょう。これにより、犬の胃腸に負担をかけずに切り替えることができます。
また、梅雨時期には、ドッグフードの袋に湿気が入ってカビが生えることがあります。カビによって中毒、下痢、嘔吐などの症状が起こることがあります。この時期は次の点に注意しましょう。
・大袋のフードを避ける
・袋をしっかりと封を閉じる
・直射日光と高温多湿を避ける
これらの注意点を守ることで、犬の健康を守りましょう。
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食事を作る時間がない方にはサプリがおすすめ
わんちゃんの食事を手作りする時間がない飼い主の方には、犬用のサプリメントがおすすめです。
犬用のサプリメントには、胃腸の調子を整える乳酸菌や、消化を促す青パパイヤ、免疫をサポートするβ-グルカンなどが含まれているものがあります。
健康をサポートするために、日頃から継続的に摂取することが大切です。
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まとめ
犬用の手作りレシピは、高タンパク質で低脂肪、高エネルギー、食物繊維を豊富に含んでおり、既に多くの人がネット上で公開しています。
ただし、犬の健康状態や好みに合わせて、かかりつけの獣医師に相談・確認した上で与えてください。
犬に無理やり食べさせるのは逆効果であり、食欲が低下している場合は優しく接して、脱水症状にも注意が必要です。
犬の状態を見ながら、必要に応じて獣医師に相談することも重要です。
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