肛門・排泄

下痢の時の食事はどうする?愛犬の下痢予防や食事療法について解説

皆さんは、普段から愛犬のうんちを観察されていますか?

犬のうんちの正常な硬さは、ティッシュなどで掴んだときに形が崩れず、ペットシーツや地面にもほとんど跡が残らないくらいの硬さだと言われています。下痢になりうんちの水分量が増えてくると、地面やペットシーツにうんちが残るやわらかい軟便の状態や、ほとんど形がなく水っぽい水様便などになります。このような状態は下痢だといえるでしょう。
「愛犬が突然下痢になった場合、普段と同じフードを与えても大丈夫か?」と飼い主様は心配されることがあるかもしれません。
そんな犬の下痢に悩む飼い主様に、ここでは犬の下痢の症状や原因、おすすめの食べ物や適切な与え方、注意点について説明します。
定期的な健康診断や、サプリメントなどを活用し、愛犬の健康管理に取り組むことが大切です。是非参考にしてみてください。

愛犬の下痢はどっち?2種類の犬の下痢について

愛犬の下痢はどっち?2種類の犬の下痢について

うんちに含まれる水分量が異常に増えすぎた状態のことを下痢といい、犬によく見られる体調不良の一つとされています。人間と同様に犬の腸は大腸と小腸に分かれており、大腸で起こる「大腸性下痢と小腸で起こる「小腸性下痢」があり症状も異なります。それぞれがどんな症状なのかを解説していきます。

①大腸性下痢

大腸は、身体に必要な水分を一定に保つ役割があります。その水分量のバランスが崩れると、大腸性の下痢になってしまいます。
・うんちの回数は増えるが、うんちの量が減る
・うんちがなかなか出し切れず、何度も出そうとする(しぶり便)
・嘔吐する
・軟便、ゼリー状の粘液が付着した便が出る
・便に赤色の血が付く(鮮血便)
・体重の変化はあまり見られない
大腸性下痢は上記のものが具体的症状です。ただし、血便が出た場合は、すぐにかかりつけの動物病院を受診するようにしましょう。

②小腸性下痢

小腸には、身体に必要な栄養を消化吸収する役割がありますが、消化吸収に異常がある場合は小腸性下痢を発症します。
栄養が吸収できない状態なので、体重が減少してしまうのが特徴です。
・うんちの回数が減り、うんちの量が増える
・水のような便や軟便
・ガズが溜まっておなかがふくらむ、おなかがグルグルいう
・体重が減る
・真っ黒なタール状の便が出る
下痢が長引くと、嘔吐などの症状も見られるでしょう。体内の水分が不足して脱水症状を起こし重症化するリスクがありますので、すみやかに動物病院を受診するようにしましょう。

犬が下痢を起こす原因

犬が下痢を起こす原因

犬が下痢を起こす原因ストレスや食べ物、感染など様々です。
下痢の原因によっては食事が難しくなる場合もあります。
下痢の原因の中から代表的なものを6つ取り上げて、詳しく解説しますので、思い当たるものがないかチェックしてみましょう。

①ストレス

消化器は自律神経からの指令で働きが調節されていますので、ストレスの影響で自律神経の働きが乱れて来ると、消化管の働きも乱れてしまい下痢になります。
また、無駄吠え、噛む、手足や体をしきりになめるなどの過剰なグルーミング、食糞などもストレスによる行動と言われていますので、併せてチェックしてみましょう。犬のストレスの原因としては以下のような原因があげられています。
動物病院など苦手な場所に行ったりペットホテルの宿泊、引っ越し、慣れない環境への変化、厳しいしつけ(怒鳴ったりたたいたりなど)、散歩の時間が減ったなど運動不足、分離不安、長い留守番など。
病院を受診して検査をしても異変が見つからなかった場合などは特に、ストレスを原因と考える必要がありますし、ストレスが原因の場合は、考えられる原因を取り除くと回復することが多く見られます。

②食事やアレルギー

犬は満腹でも食べてしまう傾向があります。食べ過ぎた結果十分に消化しきれず、結果下痢になってしまうことがあるので注意しましょう!
これまでとは違うドッグフードやふだん食べない食材を与えた後に症状がみられた場合は、食事が原因の下痢であることが考えられます。食事内容を見直してみましょう。
また、特定の食材を食べたあと必ず下痢になったり、下痢だけではなく嘔吐していたり、毛が過剰に抜けてしまっていたり、皮膚をかきむしっていたら、食物アレルギーの可能性を疑いましょう。初めて与える食材は様子を見ながら少量ずつ与えるようにしましょう。

③誤食や誤飲

誤食や誤飲

中毒を起こす植物・中毒性物質・消化できない異物の誤食などは、下痢だけでなく、震えやけいれんなどの神経症状、消化器官の粘膜にキズがつくリスクもあり、苦しそうにしていたり、元気消失が見られ重症化すると大変危険です!消化できない異物を飲み込んでいた場合などは腸閉塞などを起こしたり、激しい嘔吐が伴うこともあります。
拾い食いのクセのある愛犬の場合は、室内ではおもちゃやプラスチック片などを口にする可能性もあるため、注意しましょう。屋内だけでなく散歩中も落下物がないか注意しながらお散歩しましょう!

④冷え

犬も人間と同じく、お腹が冷えてしまった場合には下痢が起こります。クーラーが当たる場所で寝てしまったりしないように気を付けてあげましょう。

⑤寄生虫

寄生虫は犬の健康に深刻な影響を及ぼす可能性があり、下痢の主な原因の一つとして知られています。犬に寄生する代表的な寄生虫には、回虫、鉤虫、条虫、そして微小な原虫であるコクシジウムやジアルジアがあります。これらの寄生虫は、犬が感染する経路として主に土壌や水についた糞便や感染した動物の糞便を口にすることで感染します。

例えば、回虫は特に子犬に多く見られる寄生虫で、多くの場合は無症状であることもありますが大量に寄生した場合は成犬でも症状が出ることがあります。感染した犬は、栄養素を吸収できず体重が減少したり、腹部が膨れることがあります。寄生虫による下痢は、通常は水様便で、時には血が混じることもあります。これらの症状を見逃すことなく早めに獣医師に相談するようにしましょう。回虫は人にも感染する可能性がある怖い病気ですので、予防は大切です。

寄生虫の感染を予防するためには、定期的な駆虫が効果的です。獣医師の指示に従って駆虫薬を投与し、特に子犬に関しては生後数週間ごとに行うことが推奨されます。また、公園や散歩道では、犬が他の動物の糞を食べないように注意し、感染を防ぐための行動を心がけることが重要です。

万が一、寄生虫感染が疑われる場合はすぐに動物病院で便検査を受けることが必要です。早期発見が早期治療につながるため、症状が出た際にはすぐに専門家の助言を仰ぎましょう。寄生虫の感染を放置すると、命に関わる危険性もあるため、日ごろからの予防が大切です。

⑥ウイルス

ウイルスは犬に深刻な健康問題を引き起こす可能性があります。特に、子犬や免疫が弱い老犬は、ウイルス感染による下痢にかかりやすいです。犬のウイルス感染には、パルボウイルスやジステンパーウイルス感染症、コロナウイルス感染症などがあり、いずれも急性の下痢を引き起こすことがあります。

パルボウイルスは特に危険で、ワクチン接種を受けていない犬に見られます。このウイルスに感染すると、消化器系が侵され、重篤な下痢や嘔吐が続きます。具体的には、便の水分量が極端に増え、場合によっては血便がみられることもあります。感染した犬は脱水症状を起こすことが多く、早急な治療が必要です。この場合、水分を補給することが重要ですが、犬が口から水を飲むことが難しい場合は、点滴が必要になることもあります。

ジステンパーウイルス感染症も感染力が強く、嘔吐や下痢などの消化器の症状を含め痙攣や麻痺などの神経症が出ることもあります。感染した場合は症状に合わせての対処療法が行われます。

コロナウイルスも犬に影響を与えるウイルスの一つで、一般的には軽い症状で済むことが多いですが、特にストレスや免疫力の低下がある犬では、重篤な下痢を引き起こすことがあります。これも水分補給が肝心で、与える水の量や頻度には配慮が必要です。

ウイルスによる下痢の際に注意が必要なのは、他の犬との接触を避けることです。感染はすぐに広がるため、感染した犬は隔離し適切な治療を受ける必要があります。また、衛生状態を保つために、飼い主は犬の散歩後や食事前に手を洗うことも大切です。また、パルボウイルス感染症やジステンパーウイルス感染症などはワクチン接種での予防も可能です。

これらのウイルス感染による下痢は、適切な予防策と早期の発見・治療が求められます。ウイルス感染が疑われる場合は、速やかに動物病院に相談するようにしましょう。

⑦細菌感染

犬の細菌感染は腸内でバランスを崩す原因となり下痢を引き起こします。特に、サルモネラ菌や大腸菌、カンピロバクターなどがよく知られた病原体です。これらの細菌は、感染した食物や水を通して犬に感染します。

たとえば外で遊んだ後で泥水を飲む、腐った食べ物を口にすることでの感染や十分に加熱されていない肉や、賞味期限が切れた食材は、細菌の温床となる可能性があり危険です。

犬が細菌感染で下痢となった場合、便の量や水分量も注意が必要です。水や食事の摂取量が減少することが多く、脱水症状になる恐れがあります。特に下痢が続くと、体内の水分が失われ、弱ってしまうことがあります。食欲や元気のなさが見られる場合は、十分な水分補給が不可欠です。水の量を意識的に増やし、場合によっては点滴が必要になる場合もあります。

細菌感染による下痢は、単発の症状だけでなく、体全体に影響を及ぼすことがあります。体調不良が続く場合は、早めに動物病院を受診することが大切です。

愛犬のために清潔な環境を保ち、口にするものには特に気を付けるとともに症状が出た際には適切な対処を行いましょう。

⑧内臓疾患

胃や、大腸・膵臓などに炎症や腫瘍がある場合なども下痢が起こり、併せて元気消失などが見られます。

犬の下痢を防ぐために必要な食事とは

犬の下痢を防ぐために必要な食事とは
犬の下痢を防ぐためには、消化に優しい食材を選び、栄養バランスを考慮した食事を提供することが重要です。特に、低脂肪で高タンパク質な食材や食物繊維が豊富な素材を取り入れることで、腸内環境を整えることができます。

高タンパク質で低脂肪の食材としては、鶏ささみ白身魚卵白などがおすすめです。これらは消化が良く、犬の筋肉を維持しながらエネルギーを補給するのに適しています。具体的には、鶏ささみを蒸したり煮たりして与えると、犬の胃腸に優しいでしょう。その際、小さくカットして与えると食べやすくなります。

食物繊維が豊富な素材には、かぼちゃさつまいもおからなどが挙げられます。これらは腸内の善玉菌を増やし、便通を改善する働きがあります。具体的には、かぼちゃを茹でて柔らかくし、マッシュして与えることで消化吸収を助けることができます。食物繊維は犬の腸内環境を整えるためにも役立ちますよ。

また、整腸作用や消炎作用を持つくず湯(葛湯)もおすすめです。くず湯は消化が良く、体の水分を補うのに効果的です。犬には薄めた状態で与えるのがおすすめです。

動物病院へ行くべき?迷った時の対処

犬 下痢

愛犬が下痢になると様子をみるべきか、病院に行くべきか悩みますよね。
前述の原因の中でひとまず様子を見れるものは、ストレスや冷えが原因と思われる場合のみです。
それほど頻度が多いわけではなく、下痢以外はいつも通りで元気で食欲がある場合は、ある程度様子を見てもいいでしょう。
下痢の状態がひどかったり、嘔吐や発熱、血便や元気消失などの他症状が伴う場合もあります。その場合は、早急に獣医師の診察を受けるようにしてください。
ただし元気があっても、水のような下痢が1日のうちに何度も出る場合にはそれほど待たずに早めに動物病院を受診しましょう。

動物病院へ連れて行く際の注意点

動物病院を受診する

動物病院を受診する際は、うんちの回数・量・症状・形状・色・誤食や変わったものを食べたかなどの詳細をメモして持参し獣医師に伝えるようにしましょう。また、症状をはっきり伝えるために新しい便をビニール袋などでしっかり包んで持参するとより正確な診断が得られます。難しい場合は写真を撮って見せると、ある程度状況を伝えられます。
また、お腹が弱い、食が細いなど飼い主さんの日頃からの観察で愛犬の普段の状態をしっかり把握しておく事は診断・治療の何よりも大切な手がかりです。これらのことが大切な愛犬を守る事につながりますのでうんちの回数・量・状態の変化などしっかり報告できるようにしておきましょう!

愛犬が下痢をしてしまった場合の対処法

愛犬が下痢になった時は食事の与え方も大切です。どのように食事を与えたら良いかを解説していきます。
元気で食欲もあり、1~2日程度で治まるようであれば次の対処法を試して様子を見ても大丈夫ですが、2日以上続くようなら前述の通り病院に連れて行きましょう。

①絶食をする

絶食をする

成犬であれば、下痢で弱った胃腸を休めるために、半日から1日程度絶食をさせ様子を見ます。胃腸を休ませる事で症状が改善する事があります。絶食後は胃腸への負担が大きくならないように少量ずつのドッグフード(ドライフードの場合はふやかしたもの)を与え、4~5日かけて様子を見ながら、フードを元に戻していくなど、与え方には気を付けましょう!
一気に元の量に戻すと胃腸への負担が増してしまいます。消化しやすいように、少しずつ時間をかけて元の量に戻しましょう。
ただし、子犬や老犬、持病のある犬の場合は絶食させると体調悪化のリスクが生じるため、絶食は行わないほうがよいでしょう。

②水分補給をする

水分補給をする

下痢の時は、体外に水分が多く排出されているため脱水症状になりやすいです。水分補給は十分に行ない脱水にならないよう気を付けないといけません。ただし、キンキンに冷えた水や一度に多量の飲水は再び胃腸に負担をかけるため、負担にならない程度の温度と水の量を心掛けて飲ませてあげてください。
人間と同様に雑炊やお粥のようなとろみのついたスープのごはんにしてみるなど、食事でも少し水分量を多めにして脱水状態にならないように気をつけてあげると良いでしょう。

さまざまなシーンでの対処法

さまざまなシーンでの対処法
愛犬が下痢をしているときはさまざまなシーンでの対処が必要です。
以下でそれぞれ解説していきます。

①下痢を伴う血便の場合の対処法

下痢を伴う血便が見られる場合は、緊急の対応が必要です。この症状は、腸や肛門の疾患、さらには内臓の病気が原因である可能性があるため、速やかに動物病院を受診しましょう。獣医師による診断が重要で、適切な治療を受けることが愛犬の健康を守ることにつながります。

血便の原因としては、例えばウイルス性腸炎や寄生虫感染、急性肝炎などが考えられます。これらの疾患は、放置すると重症化する恐れがあります。血便が確認できた時点で、愛犬の様子をしっかり観察してください。元気がない、食欲がなくなる、嘔吐の症状があるなど、併発する症状が見られる場合は、より一層迅速な対応が求められます。

診察の際、獣医師には症状の詳細やこれまでの食事、生活環境、最近の行動、および下痢の程度などを具体的に伝えることが重要です。可能であれば便の現物を持っていくもしくは写真を撮るなどしておくと、より正確な診断が行われ、適切な対処が期待できます。検査は血液検査や便検査が含まれ、場合によっては超音波検査やレントゲン検査が行われることもあります。

治療方法は、疾患によって異なるため、獣医師の指示に従い、必要な治療を受けることが大切です。点滴や投薬が必要な場合もあります。

特に血便は、愛犬の体に何らかの異常が起こっているサインであるため、決して軽視せず、適切な対応を心掛けるようにしましょう。

②子犬が下痢をした場合

子犬が下痢をしている時は、様子を観察することが重要です。子犬は成犬と比べて免疫力が不十分であったりストレスなどが要因で下痢をしやすい傾向にあります。

まずは子犬の食欲や元気さを確認してください。食欲があり元気であれば、自宅でしばらく様子を見るということで問題ないですが、下痢が3日以上続く場合や食欲がないときは早めに動物病院を受診することをおすすめします。子犬は成犬と比べて免疫力が未発達であり、体力がないため下痢が長引くと体調を悪化させてしまう可能性が高いです。

また、成犬の場合は食事量を減らして様子を見ることが可能ですが、子犬の場合は減らすことで低血糖になる恐れもあるので注意が必要です。

ストレスや環境の変化に敏感な子犬の場合はこれが原因で下痢が引き起こされることもあります。例えば、新しいペットが家に来た場合や、引っ越しをした際には気をつけなければなりません。フードの切り替えにも注意が必要で、急な変更は消化器官に負担をかけることがあります。フードを変更する際は少しずつ新しいフードを加え、元のフードを減らすように心がけましょう。

その他、寒さや食糞などで下痢をすることもあります。その際は温かくしてあげることや食糞をしないように注意して見てあげることが大切です。

③老犬が下痢をした場合

老犬は消化器官の衰えや腸内環境の悪化により、下痢をしやすい傾向にありますが、老犬が下痢をした時には注意が必要です。

老犬は年齢による体力や免疫力の低下が見られるため、下痢をした際の体調の変化には敏感に注意する必要があります。特に食欲不振や食事量がいつもと異なる場合、明らかに元気がない様子が見られる場合には、早急に対応を考えなければなりません。

特に水分不足による脱水症状が老犬にとって深刻な影響を及ぼす可能性があるため、こまめに水を与えることが重要です。一般的に、老犬が下痢になると脱水症状が進行しやすくなると言われているため、飲んだ量の確認は怠らないようにしましょう。

また、嘔吐を伴う場合には、特に注意が必要です。嘔吐が続くと、さらに体内の水分が失われ血便が出ることもあります。その場合はどんどん症状が悪化する場合もあるため、早めに獣医師に相談することをおすすめします。

食事については、高齢犬のための特別なフード選びや食事量の調整が必要です。まず老犬用に設計されたドッグフードは、消化がしやすくバランスの取れた栄養素が含まれていることが多いため、下痢の時の食事に適しています。

ただし、硬いものや冷たいものは消化に悪いのでドライフードなどは温かいお湯でふやかして冷たいものは温めて与える方が良いでしょう。

④下痢の状態がゼリー状の場合

ゼリー状の下痢は、特に大腸に関連した問題が考えられます。排便回数が増えたり排便しようとしても出ない時などに出ることもあります。

ゼリー状の下痢は、腸の感染症や腸炎、または腸内の寄生虫が原因で引き起こされることがあります。さらに、ストレスや食事の変化、アレルギー反応なども影響していると考えられています。ゼリー状の便が出る場合は、半日くらい絶食をし、胃腸を休めることで回復する
ことがありますが、子犬や老犬の場合は絶食で症状が悪化する可能性もあるので注意が必要です。

ゼリー状の下痢以外に他の症状が伴う場合は病気の可能性が考えられます。たとえば、元気がない、食欲が低下している、下痢が続く場合は、速やかに動物病院を受診すべきです。特に、血便や嘔吐を伴う場合は、緊急の処置が求められます。

ゼリー状の下痢が3日以上続く、他の症状がありいつもと様子が違う場合は必ず病院を受診するようにしましょう。

⑤下痢はあるが、元気で食欲がある場合

下痢があるものの、愛犬が元気で食欲はある場合は、まずは自宅で3日くらい様子を見てもいいといえます。その間は水分補給をしっかり行い、脱水にならないようにしましょう。特に子犬や老犬の場合は注意が必要です。

愛犬がいつも通り元気に遊んだり、食事を楽しむ様子が見られる場合は大きな問題はないかもしれませんが、下痢が続くようであれば注意が必要です。特に子犬や老犬は成犬に比べると体力がないため、脱水症状を引き起こしやすいので注意しましょう。

成犬の場合は絶食して胃腸を休めるという対処でも構いませんが、水分補給は怠らないようにしてくださいね。

ただし愛犬の下痢が続く場合や、普段と違う様子が見られた場合、水下痢が1日何度も出る場合は、早めの受診をおすすめします。

⑥下痢が続く場合

犬の下痢は基本的には24時間の絶食で、胃腸を休めると数日以内に治まることが多いので下痢があっても元気がある、他の症状もない場合は2~3日は様子を見てもいいと思いますが、下痢が3日以上続く場合は早めに獣医師の診察を受けるようにしましょう。

長引く下痢は、体内の水分が急速に失われ、脱水症状を引き起こす要因となります。特に子犬や高齢犬は体力が低下しやすく、下痢による影響が重大になることもありますし他の病気が隠れているということもあります。子犬や高齢犬の場合は絶食はあまり好ましくないので早めに獣医師に相談する方が良いでしょう。

最も重要なのは、元気があるかどうかです。元気な場合は、家庭でのケアが可能ですが、元気がない場合や、他の症状(嘔吐や血便)が見られる場合は、早めに動物病院を受診することをおすすめします。

⑦下痢と一緒に嘔吐している場合

下痢の時に嘔吐もしている場合は、特に注意が必要です。緊急性が高い可能性があります。
水分補給をしっかり行いながら、愛犬の元気や食欲に変化が見られないか観察するようにしてください。場合によっては、犬が水を飲むことすら困難になることがありますが、この場合は脱水症状を引き起こす可能性があるので要注意です。

特に嘔吐が続く場合や頻度が増す場合は、消化器系の問題が進行している可能性があり、たとえば、寄生虫やウイルス感染といった病原菌が原因の場合や、中毒で下痢と嘔吐が併発することもあります。これらの病状は早期に治療を受けないと、体力が大きく低下し、症状が悪化する可能性もあります。

また、食事に関しても注意が必要です。下痢と嘔吐が続く場合は、一般的に愛犬の食欲がなくなることが多いですが、愛犬が自発的に食べようとすることもあります。この場合、消化に良い食材を少量与えることが重要ですが、あまりにも多く与えると嘔吐が再発するリスクがあるので注意しましょう。

さらなる症状の悪化を避けるためにも、愛犬の体調を常に確認し、病院を受診するタイミングを見極めることが重要です。もし症状が24時間以上続く場合や、嘔吐や下痢の回数が増える場合、早めの受診をおすすめします。その際に可能であれば便を持参すると便の検査を受けることができるので持っていきましょう。

愛犬が下痢をしている時に適した食材と食べさせ方

愛犬が下痢をしている時に適した食材と食べさせ方
人間が体調を崩した場合には消化の良いものが好まれますが、犬にとっても下痢気味の場合は、いつものドッグフードよりも適した食材と与え方があります。下痢に適した食材は、高タンパク質で低脂肪、または食物繊維が豊富なものです。ここでは、いくつかのおすすめ食材や食べ方についてご紹介します。
ここで紹介する食材が主成分で作られたフードを与えたり、または自宅で手作り調理をすることで、愛犬の消化を助ける食事の手助けをすることができます。
愛犬の下痢に悩む飼い主様は、このような食事の工夫を行うことで愛犬の回復を促すことができますので、ぜひ参考にしてみてください。

高タンパク質で低脂肪の素材

高タンパク質で低脂肪の素材

タンパク源として下痢の犬におすすめなのは、お肉なら脂肪分が少なく消化されやすい鶏ささみや鶏胸肉、お魚なら脂肪分が少ない白身魚がおすすめです。ただし、注意点もあります。
過剰に加熱されたタンパク質は、消化を悪化させるだけでなく、アレルギーの原因にもなることがあるため、程よい加熱が必要です。
鶏肉については、表面にサルモネラ菌がついていることがあるため、表面が軽く色が変わる程度の低温加熱が適しています。
また、「低脂肪」な素材を選ぶことも大切です。脂肪が多い素材は加熱によって酸化し、消化を妨げる可能性があるためです。犬の健康を守るために、適切な素材と加熱方法を選んでください。

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食物繊維が豊富な素材

食物繊維が豊富な素材

「サツマイモ」、「おから」、「かぼちゃ」など比較的消化しやすく食物繊維が豊富な食材は、胃腸の動きを促進する効果や便を固める働きがあります。
また、複数の種類の食物繊維を少しずつ摂ることで、より効果的に作用します。
症状が軟便だけの時はおやつをこうした食材に置き換えるだけでも調子を整えられるかもしれません。
食物繊維を摂取する目的は、消化を助けることではなく、便秘改善することです。ただし、消化不良を起こしやすい胃腸に過剰な食物繊維は負担をかけることになるため、適量を守ることが重要です。
また、大腸や小腸に問題がある場合は、それぞれの状態に合わせた食事療法が必要です。
腸に問題がある場合は、多めの食物繊維を摂ることが望ましいですが、小腸に問題がある場合は、消化を妨げないように少なめの食物繊維を摂ることが必要です。
ただし、食物繊維を摂取するだけで健康になるわけではありません。バランスの良い食事を心がけ、医師による診断を受けることが大切です。

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整腸、消炎作用のあるくず湯

整腸、消炎作用のある葛湯

下痢による脱水が起きないように水を与えなければなりませんが、水だけでは飲まない場合は本葛粉を使った「くず湯」を作って与えてみましょう。

「くず湯」は、良質で高カロリーなでんぷん質の食材です。

整腸作用があり、消化にも良いため、元気のない時でも咀嚼しなくても栄養補給と水分補給ができます。

また、腸の粘膜を保護する効果や炎症を抑える作用、体を温める効果が期待できます。

手作りご飯

愛犬が下痢をした場合、手作りご飯は消化に良い食材を使用することで、腸の負担を軽減し、早い回復を促すことができます。具体的には、白米さつまいも鶏肉などが適しています。これらの食材は消化が良く栄養価も高いため、愛犬が元気を取り戻すサポートとなります。温かいスープなどもおすすめですよ。

元気があり食欲が戻ってきた際には、徐々に消化の良い食材を中心にした手作りの食事を与えることが望ましいですが、この時期は特に食材の選定が重要です。たとえば、低脂肪の鶏肉を蒸して細かくほぐし、柔らかく煮た白米と混ぜることで栄養バランスが整えられます。

一方、嘔吐が続く場合は注意が必要です。嘔吐が何度も続くようであれば、さらに腸に負担がかかるため、無理に食べ物を与えない方が良いこともあります。このような状況の場合は、獣医師に相談することをおすすめします。専門家の判断を仰ぎ、必要に応じて点滴や適切な治療が行われることが重要です。

また、愛犬が回復する過程で、食べさせ方にも工夫が必要です。食事は少量ずつ与え、数回に分けて与えることで、腸が徐々に食べ物に慣れていくことが大切です。このように、手作りご飯は愛犬の体調に合わせた柔軟な対応が可能で、愛犬の健康をサポートする有効な手段といえます。

犬に与えてはいけない食材とその影響

犬に与えてはいけない食材とその影響

犬に与えてはいけない食材には、チョコレート、玉ねぎ、ニンニク、ブドウ、レーズンなどがあります。これらの食材は犬にとって有害であり、場合によっては中毒症状や最悪の場合命にかかわることもあります。

チョコレートテオブロミンという成分が含まれており、犬の体内での代謝が遅いため少量でも中毒を引き起こす可能性があります。特にダークチョコレートには高濃度のテオブロミンが含まれており中毒症状が現れることが多く、症状は嘔吐や下痢から始まり、最悪の場合には心拍数の増加やけいれんを引き起こすこともあります。

玉ねぎニンニクも犬にとって危険な食材です。これらにはアリルプロピルジスルファイドという成分が含まれており、赤血球を破壊することで貧血を引き起こすことがあります。玉ねぎは特にその影響が強く、少しの量でも犬に悪影響を与えるため摂取を避けるべき食べ物です。症状は嘔吐、下痢、口もとの被毛が薄くなるなどが挙げられます。

ブドウレーズンも、犬にとっては予測できない中毒を引き起こします。食べた量に応じて反応は異なりますが、腎不全を引き起こす可能性があり、嘔吐や腹痛、無気力などの症状が現れることがあります。一度でもこれらを摂取した場合は、早急に獣医に相談することが大切です。

このように、犬に与えるべきではない食材はさまざまですが、これに加えてアルコールカフェインを含む製品も犬にとって危険です。愛犬の健康を守るためには、これらの食材を避け、適切な食事を心がけましょう。

下痢をしている時や下痢をしやすい犬は避けた方が良い食材

下痢をしている時や下痢をしやすい犬は避けた方が良い食材

お腹の調子が悪いときは、冷たい水や氷、トマトやきゅうりなどの夏野菜は身体を冷やすため、下痢をしやすくなりますのでなるべく避けましょう。クッキー、ジャーキー、ナッツ類などの硬くて消化の悪いものも、なるべく与えないようにするのが望ましいです。食品添加物が多く含まれている加工品や牛肉、豚肉、羊肉などの脂身の多い肉類なども、胃腸に負担がかかりますので極力避けたい食材です。

下痢を防ぐフード切り替えの方法

下痢を防ぐフード切り替えの方法

健康な犬でも下痢になる原因の1つとして、急激なドッグフードの切り替えが挙げられます。新しいドッグフードに切り替えると、体になじむまで下痢になってしまうことがあります。

新しいドッグフードに切り替える場合は、今までのドッグフードに新しいドッグフードを混ぜて与え、徐々に新しいドッグフードの割合を増やしていきましょう。これにより、犬の胃腸に負担をかけずに切り替えることができます。

また、梅雨時期には、ドッグフードの袋に湿気が入ってカビが生えることがあります。カビによって中毒、下痢、嘔吐などの症状が起こることがあります。この時期は次の点に注意しましょう。

・大袋のフードを避ける

・袋をしっかりと封を閉じる

・直射日光と高温多湿を避ける

これらの注意点を守ることで、犬の健康を守りましょう。

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フードの切り替え大丈夫?切り替えの流れを紹介

慢性的な下痢の場合は早めに病院へ

慢性的な下痢の場合は早めに病院へ

慢性的な下痢が見られる場合、放置しておくと深刻な健康問題を引き起こす可能性があります。愛犬の体調に変化がないか常に観察し、ストレスや他の要因が関与していないかを確認することが重要です。

例えば、愛犬がストレスを感じやすい環境にいる場合、その影響で下痢を発症することもあります。その際に見逃してはいけないサインとしては、食欲があるか、元気があるかなどがあります。食欲や元気がある場合は心配ないことがほとんどですが精神的なものも考えられるので3日以上続く場合は、早めに動物病院で適切な治療を受けることをおすすめします。

慢性的な下痢には、食事の見直しだけではなく、根本的な健康状態をチェックする必要があるため、獣医師の診断が必要です。場合によっては、腸内環境を整えるためのサプリメントや特別な食事療法が提案されることもあります。

早期に対処しないことで、下痢がさらに悪化し、脱水症状や栄養不足のリスクが高まります。そのため慢性的な下痢がある場合は早めに専門家に相談することが解決の第一歩に繋がります。

食事を作る時間がない方にはサプリがおすすめ

食事を作る時間がない方にはサプリがおすすめ

わんちゃんの食事を手作りする時間がない飼い主の方には、犬用のサプリメントがおすすめです。

犬用のサプリメントには、胃腸の調子を整える乳酸菌や、消化を促す青パパイヤ、免疫をサポートするβ-グルカンなどが含まれているものがあります。

健康をサポートするために、日頃から継続的に摂取することが大切です。

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まとめ

犬用の手作りレシピは、高タンパク質で低脂肪、高エネルギー、食物繊維を豊富に含んでおり、既に多くの人がネット上で公開しています。

ただし、犬の健康状態や好みに合わせて、かかりつけの獣医師に相談・確認した上で与えてください。

犬に無理やり食べさせるのは逆効果であり、食欲が低下している場合は優しく接して、脱水症状にも注意が必要です。

犬の状態を見ながら、必要に応じて獣医師に相談することも重要です。

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