このペットフードは国産だから安心!って思っていませんか?
実はペットフード業界において日本は欧米に比べるとまだまだ後追いの後進国なんです。
昔から犬は家畜の延長として飼育されていましたので、規制など全く無い野放し状態でした。
しかし平成19年3月に起きた中国産のペットフードに有害物質(メラニン)が混入したペットフードを食べた犬猫が死亡した事件を受けて日本でも法規制の導入が始まりました。
本当につい最近の話ですね。
今回は大切な愛犬が毎日食べるドッグフードがどのように守られているのかをご説明します。
ペットフード安全法
これは農林水産省のお偉いさんがペットフードの表示のルールを決めて、有毒な添加物(BHAなど)などの基準を決めますよーその基準に適合しないと廃棄・回収を命令しますよーという法律です。
表示のルールって?
表示のルール
- 名称(犬猫どっち?)
- 原材料名(使用している量の多い順に記載するルール)
- 賞味期限
- 原産国(フードの最終加工の国名であり、それ以前の加工工程の国は含まれません)
- 製造業者等の名称及び住所
詳しくは環境省のHPへ
https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/petfood/outline.html
有毒な添加物の基準って?
これは基本的に欧米での基準値を元に定められています。
添加物や農薬、汚染物質その他について使用しても良い量が定められています。
詳しくは環境省のHPへ
https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/petfood/standard.html
特に気を付けないといけない部分をご説明します。
ドッグフードには人間では認められていない有毒な酸化防止剤が使用されています。
過去に動物実験の結果、発がん性が認められたものです。
↓
それこそがまさにBHA・BHTです。
この2つは未だにドッグフードでよく使用されています。
BHA・BHTとは・・・
ブチルヒドロキシアニソール(BHA) | もともとガソリンの酸化防止のために合成された化学物質です。1954年には人間用の食品の酸化防止にも役立つとされてバターや魚介冷凍品や煮干しなど広く使用されました。動物実験の結果発ガン性、歩行障害、呼吸困難、消化器官の出血、肝臓のうっ血があることが確認されており、現在では「油脂の製造に用いるパーム原料油およびパーム核原料油」に限り使用は認められていますが、ペットフードに関してはあるペットフード安全法の定める一定の基準内であれば使用が認められています。 |
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ジブチルヒドロキシトルエン(BHT) | 1940年頃から石油用の抗酸化剤として使用されるようになり、BHA同様1954年に日本でも食品添加物として使用が認められました。しかしアメリカでの実験の結果、膀胱がんや甲状腺がんを誘発する可能性があることが判明し、現在人用では魚介冷凍品やチューイングガム、油脂、バターなど限定的に使用されています。ペットフードに関してはペットフード安全法の定めるある一定の基準内であれば使用が認められています。 |
ペットフード安全法が定めるBHA・BHTの基準
分類 | 物質等 | 定める量(μg/g) |
---|---|---|
添加物 | エトキシキン・BHA・BHT | 150(合計量) 犬用にあたっては、エトキシキン75以下 |
(参考:https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/petfood/standard.html 環境省HP)
つまり1トンあたり3つ合わせて150グラムまでしか使えません!
その中で犬用はエトキシキンは75グラムまでですよー!
ということです。
ペットフード安全法において、欧米の基準を元に上記のような制限されています。
しかしながら、それを長年食べ続けたらどうなるのかなど詳しいデータなどは曖昧です。
また1トン当たりの基準量ですから、1つの袋あたり差があるということです。
混ぜ具合によってはその量がバラバラになりますので非常に曖昧なものです。
ただ、確実なのは過去の実験の結果、発がん性が認められたという事実です。
酸化防止剤は人間の食品でも使用されている安全なもの(ローズマリー抽出物やミックストコフェロール)でも十分に代用できるものですので敢えてBHA・BHTを含んでいるドッグフードを選ぶのは避けましょう。
(ただし酸化させないよう正しい保存方法は大切です!)
BHA・BHTについては詳しく別の記事でまとめました↓
正しい保存方法はこちらです↓
ペットフード公正競争規約
この規約はペットフードのパッケージの表示についての会員(日本国内で販売される90%以上は会員)の自主基準です。自主基準であるため非会員には違反などの罰則はなし。しかしながら非会員社も含めて市場にあるほとんどのフードがこの自主基準を則っているため、一般的なルールとなっています。
決められていることは・・・
- ペットフードの目的(総合栄養食 or おやつ又はスナック or その他)
- 内容量
- 給与方法
- 成分
毎日与えるドッグフードは必ず総合栄養食と記載のあるフードを選びましょう!それ以外のものを主食でずっと与え続けると栄養が大きく偏り病気のリスクが高まります。
- 総合栄養食とは
- 毎日の主食として与えることが目的のものです。犬やネコが必要としている栄養素を全て含んだフードで、新鮮な水と一緒に与えるだけで健康を維持することができるように栄養バランスが理想的に調整されています。
AAFCOとは
この言葉よくパッケージでみませんか?なんて読むんだろうっていうあのアルファベットです。
- AAFCOとは
- 米国飼料検査官協会のことで「The Association of American Feed Control Officials」の頭文字をとってAAFCO(日本では「アフコ」)と呼ばれています。ペットフードの栄養基準やラベル表示に関する基準を制定しているアメリカの団体で、AAFCOが定めたペットフードの栄養基準は世界的なスタンダードとなっており、日本のペットフード公正取引協議会もAAFCOの栄養基準を採用しています。
AAFCOが定めるドッグフードの基準とは
幼犬と成犬とで栄養基準が違います。
タンパク質・・・幼犬22%以上・成犬18%以上
脂肪・・・幼犬8%以上・成犬5%以上
といった具合です。
他の詳しい数値はこちら
この基準値をクリアしていれば「AAFCOの基準をクリア」などがパッケージにデカデカと記載されています。
ドッグフードに記載されているAAFCOの記載は気にしない!
あれ!私のフードにそんな記載ない!
でも大丈夫です。この「AAFCOの基準をクリア」といった表記は必須ではありません。ただの基準です。
そもそもドッグフードを作ろうとする段階で必要栄養基準を満たすように作るわけですからデカデカと「クリア」と謳う必要はないのです。
逆に他にアピールするところがなく、そこばかりを大きくアピールするドッグフードは危険かもしれません。
なぜなら・・・
↓
↓
原材料は粗悪でも関係ないから
原材料に関しては特にルールはないため栄養基準さえ満たしていれば「クリア」したことになります。
そのため粗悪な原材料で賄えず栄養基準を満たそうと沢山の添加物が入っている可能性もあります。
そうした粗悪な部分を隠し「安心感」を与えるために「AAFCOの基準をクリア」と大きく記載している危険なフードを沢山見てきました。
原材料にこだわっている安心のドッグフードではそもそもクリアしていることが当たり前の栄養基準ですから敢えて表示することもありません。
もっとアピールしたいことがありますから。
「AAFCOが定める栄養基準を満たしている」=「安全である」とは決して言い切れないということです。
AAFCOはあくまで家畜の飼料(=feed)の基準
AAFCO:Association of American Feed Control Officials.
ペットフードの基準としてよく出てくるAAFCOですが、実はあくまで家畜などの「feed; 飼料」であって「food; 食品」ではないということです。この家畜が食べる飼料=feedには安楽死をさせられた動物の肉や大量の農薬がかけられた素材を利用してOKになっているということなのです。
この飼料と同じ扱いでペットフードの栄養基準を定めることは到底できないのです。
また前述したように添加物さえ使えばOKということになります。
むしろ違うこだわりを大きく書いているメーカーに好感を持ちます。
AAFCO認定・AAFCO合格の表示は不当表示
もっと危険なパターンは認定や合格の文字があるパターンです。
AAFCOは「栄養基準の指針を提供する団体」で「認定」や「承認」といった合否判定を行う団体ではありません。ですからそのような商品は不当表示でありペットフードのこと何もわかっていないレベルの低いメーカーの可能性があります。
AAFCO(全米飼料検査官協会)は、米国の各州の検査官が、飼料とペットフードの安全性、表示などに関して科学的な指針を出すところです。したがって、 AAFCOは一般製品の試験を行い「合格」「不合格」などの判定を出す機関ではありません。「AAFCO合格品」という表示は、「ペットフードの表示に関する公正競争規約」では「不当表示事項」とされています。(ペットフード協会HPより抜粋)一般社団法人ペットフード協会HP
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