高齢犬と小型犬にとって関節のトラブルはつきものです。
特に小型犬の膝蓋骨脱臼は先天性(遺伝的な要因)の可能性も高いため、膝のゆるみが診断できる生後3ヶ月頃に診断されるケースも非常に多いです。
私の愛犬もポメラニアンで先天性の膝蓋骨脱臼だと子犬期に診断され、症状が重症でしたので生後10ヶ月の頃に左足の手術をしました。
- 犬の膝蓋骨脱臼とは何か?
- 飼い主としてしてあげられる3つの対策(環境面、運動面、食事面)
をご説明したいと思います。
私の愛犬は右足も脱臼癖があったのですが、環境面、運動面、食事面の3点を見直したことで、脱臼しなくなり手術せずに今は元気に走っています。

目次
膝蓋骨脱臼とは

膝蓋骨脱臼の症状
膝蓋骨と呼ばれる、後ろ足にある膝のお皿の部分が、本来の位置から外れてしまう状態を言います。またお皿が内側にずれた状態を内方脱臼、外側にずれた状態を外方脱臼があります。約75%は内方脱臼で、オス犬よりもメス犬のほうが1.5倍発症しやすいと言われています。
先天性か後天性か?
先天性のもの
遺伝性のもので、特に小型犬(チワワやトイプードル、ポメラニアン、ヨークシャーテリア)などに多く見られます。先天性の場合は1歳くらいまでに症状が出始めることが多いです。
後天性のもの
高いところから飛び降りたりなど外からの衝撃が加わったことでお皿が外れてしまうことがあります。こちらは犬種や年齢に関係なく発症します。
膝蓋骨脱臼の症状とは
このようなしぐさが出たら要注意です。
- 後ろ足を上げてスキップをする(びっこを引く)
- ときどき後ろ足を上げて立ち止まる
- 後ろ足がO脚に見える(外側脱臼の可能性)
- 後ろ足がX脚に見える(内側脱臼の可能性)
- 抱っこを嫌がる(痛がる)
症状のグレード
膝蓋骨を手で脱臼させることはできるが、圧迫を解除すると自力で正常な位置に戻る。無症状で気づかない場合が多い
グレード2
膝蓋骨を手で脱臼させることはできる or 膝関節を曲げたときに自然に脱臼する。脱臼した膝蓋骨は手で押し戻すか関節を伸ばすまで戻らない
グレード3
脱臼した膝蓋骨は、関節を伸ばして手で押し戻すまで戻らない。膝関節を曲げたりのばしたりすることで、膝蓋骨が容易に再脱臼する。
グレード4
膝蓋骨が常に脱臼状態にあり、手で押し戻すことができない。
膝蓋骨脱臼の治療とは(私の愛犬の体験談)
症状が重い時(グレード3〜4)は手術を勧められます。具体的にはひざのお皿の溝を削って深くするなどの方法です。
症状が軽い時(グレード1〜2)は獣医師さんにもよりますが、すぐに手術をせずにそのまま経過を見ることが多いです。自然とお皿が戻り痛みがなければ普通の生活を送ることが可能です。しかし加齢や本来の位置ではない骨の摩擦などによる関節の悪化で関節炎になったり靭帯を損傷させたりして最悪の場合歩行が困難になりますので注意が必要です。
私の愛犬の手術体験
私の愛犬(ポメラニアン・メス)は生後10ヶ月の頃に左足の手術をしました。先天性のものでグレードは3と診断されました。

手術した左足の毛を剃られて痛々しい愛犬
手術費用
手術費用はレントゲン検査や血液検査、1週間の入院費用を含めると合計25万円程度でした。
手術後のステップ
手術後の流れ
手術後1週間は入院。
↓
退院後も足の傷口を自分で舐めたり噛んだりしないようエリザベス・カラーを2週間ほど装着
↓
手術後1ヶ月は自宅で安静にする(散歩は禁止)
※その際足をつかせないように片足立ちで生活
↓
手術後1ヶ月経過し問題なければ散歩OK
※ここからは筋肉をつけるため逆によく運動させるよう指示を受けました
現在の様子
手術後は環境面、運動面、食事面を見直し今はおかげさまで元気いっぱい走り回っています。
手術が本当に必要なのかと思った時期もありましたが、ケンケンして歩きづらそうだったあの頃と今の元気な様子をみると手術を思い切ってして良かったかなと思います。
右足も脱臼癖が出ていたのですが、今は全くケンケンしません。
立ち上がり直後もしっかり両足で踏み込んで走っています。
手術は全身麻酔で行いますので、するのであれば出来れば若いうち(5歳くらいまで)にすることをおすすめします。金銭面も精神的にも負担にはなりますが一番つらいのはワンちゃんです。ずっと元気に走り回れるのはやはり犬にとって幸せな事だと思います。
放っておくとどうなるか?
脱臼を繰り返すことで、お皿の溝が削れて浅くなったり、膝蓋骨の周りの靭帯が延びたり切れてしまったりして痛みが出てきます。(靭帯が切れてしまうとキャンッとかなり痛がります)また最悪の場合は骨の変形が進み手術する事も難しくなりますので早めに気づいてあげて先生に相談しましょう。
もし手術をした方がいい症状であれば、若い年齢で手術をすることで手術時間も短縮され、回復期間も早まるので早期発見、早期治療が有効です。
手術をせずに様子を見ている子にとっても、手術後の子にとっても悪化しないように環境面、運動面、食事面を見直してあげることはとても大切です。

(1)悪化させないよう気をつける環境管理
私の愛犬のように手術をした子や、軽度な症状の子にとって「悪化させない」「現状維持」はとても重要です。
また高齢によっては今後発症するリスクも伴いますのでまだ発症していない子にとっても予防対策をしっかりしましょう。
- 高いところからジャンプさせない→家具の選別・配置
- 床を滑りにくいものにする→カーペットやジョイント式のクッションフロアを敷き詰める
- 滑らないように足裏の肉球の隙間の毛をまめにカットしてあげる。
我が家でもクッションフロアを敷き詰めてツルツルっと滑ることを防ぎました。
そして板の間には入らせないよう敷居をおいています。
また肉球の毛も滑る原因になります。1ヶ月1回のペースでシャンプーのとき等ににカットしてもらうようお願いしましょう。
犬が滑りにくい床に施工してもらえる「ドッグランコーティング」
カーペットを敷き詰めるのは実は結構お金もかかります。
またせっかくのインテリアとの相性もいまいち・・・
という時もありますよね??
ワンコのための滑りにくい床に施工してくれる「ドッグランコーティング」なら
ご自宅のリビングや廊下などを1日で滑りにくい床に施工してくれるのでおすすめです。
室内犬の床滑りが原因の脱臼や関節炎を予防する防滑性の高いフロアコーティングです。
シリコンを主成分としてした、高い防滑性と撥水性のコーティングをフローリングに施します。
シリコンのコーティングが肉球をしっかり捉え、愛犬を床滑りから守ります。
舐めても安心・安全で、塗膜が乾燥すると匂いもなくなります。
(2)悪化させないよう気をつける運動管理
関節に悪そうだからといって散歩を控えたりしていませんか?
膝蓋骨の周りの筋肉が落ちてくることによって悪化する大きな要因になります。
もちろん無理な運動は控えたいですが、適度な毎日の運動はとっても大切です。
- 毎日の適度な運動(お散歩)
- 自宅で屈伸運動
毎日の散歩は欠かさず行いましょう。その際階段や高低差の激しい段差は避けましょう。ですが緩やかな坂(人間にとっては坂ではない程度の坂=野球のマウンドくらい)は犬にとって筋肉が付きやすい運動になります。
また屈伸運動は散歩よりも効果的に筋肉がつく運動です。我が家は人間のお腹の上に乗せてゆっくり屈伸を1日30~50回程度してあげています。
(3)悪化させないよう気をつける食事管理
- 太らせない→肥満は膝に負担がかかり悪化・発症しやすくなります
- 関節に良いグルコサミン、コンドロイチン配合のドッグフードを与える
- 良い筋肉を付けるため、良質なお肉メインのドッグフードを与える
人間と同じように肥満は万病の元ですので小型犬の場合は絶対に気をつけたいところです。また毎日の食事もとても重要で、関節に良いとされる成分が元々ドッグフードに含まれている良質なフードが人気です。そして太りそうだからと肉を控えるのではなく、筋肉をつけるために動物性タンパク質の「お肉」がたっぷり入ったものを与えてあげましょう。

とうもろこしがメインだったり、肉副産物といわれる肉以外の部分がメインです。
我が家の愛犬は当サイトでも総合おすすめしているイギリスのカナガンドッグフードを食べています。グルコサミン・コンドロイチン配合で良質なお肉たっぷりなので効果的に周りの筋肉が付いてくれます。
▼別の記事で膝蓋骨脱臼にオススメのドッグフードをご紹介しています▼
まとめ
愛犬が痛がったり、歩き辛そうなのは飼い主としても心が痛みますよね。
でも手術となるとお金もかかりますし、何より愛犬の負担や麻酔が心配ですよね。
多くの小型犬や高齢犬が抱える問題ですので全員が手術を選ぶわけではありません。
そのまま放置していても、いつのまにか筋肉がついてきて脱臼しなくなった子もいますし
こればかりは個体差になります。
ただ共通しているのは悪化させないよう気をつける3つの方法(運動面、環境面、食事面の見直し)です。
良い肉を食べて運動をして関節の周りの筋肉をつける!
これがとっても重要です。
特に小型犬や高齢犬は運動量が少なく筋肉が落ちやすいです。
- 先天性と後天性がある
- 放っておくと靭帯が伸びたり切れてしまうこともあるので手術するなら若いうちに
- 悪化させないよう運動面、環境面、食事面を見直してあげる
- 何より周りの筋肉をつけてあげることが大切(=散歩をする、=お肉メインのドッグフードにするなど)


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