犬の車酔い対策は、出発前の食事調整、短い距離から慣らす練習、車内のにおい・暑さ・揺れを減らすこと、ケージやハーネスで体を安定させること、こまめな休憩を組み合わせるのが基本です。
ただし、よだれやあくびだけでなく、嘔吐、ぐったり、下痢、震えが出ている場合は、ドライブを続けるより中止・休憩・動物病院への相談を優先してください。犬の車酔い対策は「乗せ続けて慣れさせる」より、無理をさせない準備と中止判断を先に決めておく必要があります。
参考:VCA Animal Hospitals「Motion Sickness in Dogs」
- 出発直前に満腹にしていないか
- 車内の芳香剤、タバコ臭、暑さ、強い音を減らしているか
- ケージ、ドライブボックス、犬用ハーネスで体を安定させているか
- 休憩できる場所を事前に決めているか
- 嘔吐やぐったりが出たら移動を中止する判断ができるか
| タイミング | やること | 向いている犬 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 出発前 | 食事量を調整し、短距離から慣らす | 初めて車に乗る犬、子犬、過去に酔った犬 | 水分まで極端に制限しない。持病や子犬は獣医師に相談する |
| 乗車中 | ケージやハーネスで体を安定させ、換気と休憩を入れる | 揺れに弱い犬、車内でそわそわする犬 | 車内で自由に動ける状態にしない。暑い時期は車内環境を軽く見ない |
| サインが出た後 | 車を停め、外気に触れさせ、落ち着くまで休ませる | あくび、よだれ、鳴く、息が荒い犬 | 嘔吐やぐったりがある場合は目的地へ急がない |
| 繰り返す場合 | 次のドライブ前に動物病院で相談する | 毎回吐く犬、車に乗るだけで強く不安がる犬 | 人間用の酔い止めやサプリを自己判断で使わない |
この記事では、犬が車酔いする理由、見逃したくないサイン、家庭でできる対策、酔い止めを考えるときの注意点まで順番に解説します。
目次
犬も車酔いするの?
結論、犬も人間と同じように車酔いします。
犬の車酔いは、車の揺れだけでなく、内耳のバランス感覚、慣れない車内環境、におい、過去の嫌な経験による不安が重なって起こることがあります。子犬や若い犬、車に慣れていない犬は、短い距離から段階的に慣らすと失敗しにくくなります。
一方で、車に乗るたびに嘔吐する、毎回ぐったりする、車以外でも吐きやすい場合は、車酔いだけと決めつけないでください。体調不良や別の病気が隠れている可能性もあるため、次のドライブ前に動物病院で相談するほうが安心です。
毎回吐く場合は車酔いだけで判断しない
車に乗るたびに嘔吐する、ぐったりする、下痢や食欲低下もある場合は、乗り物酔い以外の体調不良も考えて相談しましょう。特に子犬、シニア犬、持病がある犬は、無理に慣らそうとせず早めに獣医師へ相談してください。
参考:MSD Veterinary Manual「Vomiting in Dogs」
犬が車酔いする3つの理由
犬が車酔いする理由は、揺れ、におい、環境変化の3つに分けて考えると対策しやすくなります。
理由がわからないまま休憩だけを増やしても、車内のにおいが強い犬、揺れに弱い犬、不安で酔いやすい犬では必要な対策が変わります。原因ごとに「先に変えること」を決めると、犬に無理をさせにくくなります。
| 理由 | 出やすい反応 | 先に試す対策 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 車内の揺れ | よだれ、あくび、嘔吐、落ち着きのなさ | ケージやハーネスで体を安定させ、急発進・急ブレーキを避ける | 緩い固定や車内で自由に動ける状態は、かえって不安定になりやすい |
| ニオイ | そわそわする、口をなめる、落ち着かない | 芳香剤、香水、タバコ臭を避け、出発前に換気する | 強い香りでごまかさない。犬にとって刺激になる場合がある |
| 環境の変化 | 鳴く、震える、乗車前から嫌がる | 停車中に車内へ入る練習、近所の短距離移動から始める | いきなり長距離へ進めず、酔った日は距離を戻す |
車内の揺れ

犬が車内の揺れで車酔いするのは、内耳の平衡感覚が乱れやすくなるためです。
特に車の動きに伴う揺れや急な方向転換は、犬の内耳にある三半規管が敏感に反応し、バランス感覚を混乱させることがあります。揺れに弱い犬は、休憩だけでなく体を安定させる対策を先に入れてください。
車内で自由に歩き回れる状態だと、揺れのたびに踏ん張る必要があり、不安や吐き気につながりやすくなります。ドライブボックス、ケージ、犬用ハーネスなどを使い、犬の体が大きく揺れない位置を作ってあげましょう。
ニオイ
犬が車内の匂いで車酔いする理由は、嗅覚が敏感で、強いにおいが不快感や不安につながる場合があるからです。
新しい車の匂い、芳香剤、香水、タバコ、ペット用品の匂いが混ざると、犬によっては車に乗るだけで落ち着かなくなります。車酔いしやすい犬には、香りを足すよりも換気してにおいを減らす対策が向いています。
出発前に窓を開けて換気し、芳香剤や強い香りの消臭剤は避けましょう。においで気分をごまかそうとすると、犬にとっては刺激が増えることがあります。
環境の変化
犬は慣れない環境に置かれると、強いストレスを感じることがあります。
車内の音、振動、狭さ、知らない景色、過去に酔った経験が重なると、車に乗る前から不安が強くなる犬もいます。車に慣れていない犬は、長距離ドライブよりも短時間の成功体験から始めると負担を減らせます。
まずは停車中の車内でおやつを食べる、エンジンをかけずに数分過ごす、近所を短時間だけ走るなど、負担の少ない練習から進めましょう。短い距離でも酔った場合は、次回はさらに短い距離へ戻します。
犬が車酔いしているサイン
犬の車酔いは、早めのサインに気づけるほど対策しやすくなります。
あくびや鳴き声の段階なら休憩や換気で落ち着くこともありますが、嘔吐やぐったりが出ている場合は移動を続ける判断をしないでください。車酔いのサインは「様子を見る」ではなく、休憩・中止・相談のどれに進むかで見ます。
| サイン | 状態の目安 | まずすること | 中止・相談したい条件 |
|---|---|---|---|
| あくび・そわそわ | 初期サインの可能性 | 休憩、換気、移動距離を短くする | 毎回すぐ出る、震えや鳴きも強い |
| 急に鳴く | 不安や不快感を伝えている可能性 | 車を停めて落ち着かせる | 吠え続ける、乗車を強く拒む |
| 息が荒い・よだれ | 気分の悪さが進んでいる可能性 | 休憩、外気、車内温度の調整 | よだれが大量、ぐったりもある |
| 嘔吐 | 車酔いが強く出ている状態 | 移動を止め、落ち着くまで休ませる | 繰り返す、下痢、元気消失、食欲低下がある |
| ぐったり | 負担が大きい状態 | 目的地へ急がず休ませる | 反応が鈍い、呼吸が苦しそう、回復しない |
急に鳴き出す
愛犬が急に「クォーン」と鳴き始めたら、車内で不安や気分の悪さを感じている可能性があります。
初期サインの段階で休憩できれば、嘔吐まで進む前に落ち着けることがあります。急に鳴き出したら、叱るより先に車を停めて休ませる判断を優先してください。
吠え続ける、震える、乗車を強く嫌がる場合は、次回からいきなり長距離へ進めず、停車中の車内に慣れる練習へ戻しましょう。
息が荒い
息が荒くなるのは、車の揺れや不安に対して体が反応しているサインのひとつです。
暑さ、緊張、車酔いが重なると呼吸が乱れやすくなります。息が荒いときは、車内温度と休憩の両方を見直してください。
呼吸が苦しそう、ぐったりしている、暑い車内にいた時間が長い場合は、単なる車酔いと決めつけず、早めに動物病院へ相談する判断に切り替えてください。
よだれを垂らす
愛犬が普段より多くよだれを垂らしている場合、車酔いで気分が悪くなっている可能性があります。
よだれだけなら休憩で落ち着くこともありますが、息の荒さ、あくび、そわそわ、嘔吐が重なると負担は大きくなります。よだれが増えた段階で、次の休憩場所まで我慢させないでください。
窓を少し開けて換気し、車を安全な場所に停め、犬が落ち着くまで様子を見てください。
嘔吐する
犬も人間と同じく、車酔いが強くなると嘔吐することがあります。
嘔吐は、犬がかなり不快感を覚えているサインです。吐いた後は目的地へ急がず、車を停めて休ませることを優先してください。
嘔吐を繰り返す、下痢がある、ぐったりする、食欲が戻らない場合は、車酔いだけで片づけず動物病院へ相談しましょう。いつ吐いたか、何回吐いたか、食事時間、便の状態をメモしておくと相談しやすくなります。
参考:MSD Veterinary Manual「Vomiting in Dogs」
ぐったりする
頭を低い位置にしてぐったりしている場合は、車酔いがかなりつらくなっている可能性があります。
「普段より元気がない」「話しかけても反応が鈍い」という場合は、休憩だけで済ませず、体調全体を見てください。ぐったりしている犬を無理に乗せ続けるのは避けましょう。
暑さ、脱水、体調不良が重なっていることもあるため、涼しい場所で休ませ、回復しない場合は動物病院へ相談します。
あくびをする

愛犬が頻繁にあくびをするようになったら、早めに気にかけてください。
犬のあくびは、単に眠いときだけでなく、不安やストレスを感じているときにも見られる行動です。あくびが増えた段階で休憩を入れると、嘔吐まで進む前に負担を減らせることがあります。
あくびに加えてよだれ、鳴き声、そわそわ、息の荒さが出ている場合は、次の目的地まで我慢させず、安全な場所で休ませましょう。
嘔吐・ぐったりは無理に移動を続けない
嘔吐を繰り返す、ぐったりする、下痢や食欲低下がある場合は、車酔いだけと決めつけないでください。ドライブを中止し、症状の時間、回数、食事、便の状態をメモして動物病院へ相談しましょう。
犬の車酔いを防ぐ対策
犬の車酔いを防ぐには、休憩だけでなく、出発前の準備、車内での体の安定、車に慣らす練習を組み合わせる必要があります。
一度酔ってしまった犬に長距離ドライブを続けると、「車に乗る=気持ち悪い」という記憶が残りやすくなります。最初から長距離を目指さず、短い距離で酔わずに終われる経験を増やしましょう。
- 出発直前に食べすぎていない
- 車内のにおいと暑さを減らしている
- 犬が落ち着けるケージ、ドライブボックス、ハーネスを用意している
- 急発進、急ブレーキ、急カーブを避ける運転を意識している
- 最初は短距離から始め、酔った日は距離を戻す
- 嘔吐やぐったりが出た場合は移動を中止する
こまめに休憩を取り入れる
最も始めやすい車酔い対策は、こまめに休憩を取り入れることです。
ただし、休憩は「吐いてから入れるもの」ではなく、酔う前に犬の負担を下げるために入れるものです。車に慣れていない犬は、短時間の移動でも早めに休憩を挟みましょう。
休憩時は外気に触れさせ、落ち着いて歩ける場所で様子を見ます。暑い時期は車内温度が上がりやすいため、犬を車内で待たせる前提の計画にしないでください。
犬をケージやハーネスで安定させる
ドライブの際には、犬をケージやドライブボックスに入れる、または犬用ハーネスで固定して体を安定させる方法があります。
体が大きく揺れたり、車内で歩き回ったりすると、バランスを取る負担が増えます。揺れに弱い犬ほど、車内で体が安定する場所を作ってください。
ただし、ケージに入れれば必ず酔わないわけではありません。家の中でケージに慣らし、短距離の移動から試して、犬が落ち着ける位置や固定方法を見つけてください。
急ブレーキや急発進を減らす

車内の揺れは、犬の車酔いに関係しやすい要因です。
急ブレーキ、急発進、急カーブが多いと、犬の体は何度も揺さぶられます。車酔いしやすい犬には、運転の荒さを減らすことも対策のひとつです。
また、荒っぽい運転は愛犬に「ドライブ=つらい」という印象を与えかねません。飼い主と愛犬が気持ちよくドライブを楽しむためにも、余裕のあるスケジュールで安全運転を心がけましょう。
犬用の酔い止めを活用する
犬用の酔い止めは、車酔いが強い犬にとって選択肢になります。
ただし、薬は年齢、体重、持病、服薬中の薬によって判断が変わります。犬用の酔い止めは自己判断で購入して試すのではなく、動物病院で相談して使うものとして考えてください。
人間用の酔い止めを犬に使う、サプリや市販品だけで強い車酔いを解決しようとする、吐いている犬を長距離移動に連れて行く、といった判断は避けます。繰り返し酔う犬は、旅行や長距離移動の前に相談しておくと安心です。
参考:Zoetis Petcare「Cerenia」
参考:Zoetis「Cerenia Prescribing Information」
酔い止めは人間用で代用しない
犬の車酔いが強い場合でも、人間用の酔い止めや手元の薬を自己判断で使うのは避けてください。薬を検討する場合は、犬の年齢、体重、持病、服薬状況、移動時間を動物病院で伝えて相談しましょう。
乗り物酔い軽減グッズを活用する
乗り物酔い軽減グッズは、車内で犬の体を安定させる補助として使えます。
たとえば、犬が感じる車内の揺れを減らす目的で、下記のようなグッズが販売されています。
- ドライブボックス
- ドライブキャリー
- 犬用ハーネス/シートベルト
グッズは車酔いを必ず防ぐものではなく、揺れや不安を減らすための補助です。
選ぶときは、価格だけでなく、犬の体格に合うサイズ、固定しやすさ、普段から慣らせるかを見てください。車内で使う前に、家の中で短時間入る練習をしておくと、ドライブ当日の不安を減らしやすくなります。
犬の車酔いに関するQ&A
犬の車酔いに関する質問をまとめました。
一番簡単にできる犬の車酔い対策は?

一番簡単に始められる犬の車酔い対策は、いきなり長距離に乗せず、短い距離から慣らしながら休憩を挟むことです。
あわせて、出発直前に満腹にしない、車内を涼しく静かにする、ケージやハーネスで体を安定させる準備まで行うと、休憩だけに頼るより失敗しにくくなります。初めてのドライブは、目的地よりも「酔わずに帰ってくること」を優先しましょう。
車酔いしやすい犬の特徴は?
車酔いしやすい犬は、子犬、若い犬、車に慣れていない犬、不安が強い犬、過去に車内で嫌な経験をした犬です。
子犬や若い犬は、車の揺れや環境変化に慣れていないため、短距離でも酔いやすいことがあります。車に乗る機会が少ない犬は、短い距離から段階的に慣らしてください。
ただし、車に乗るたびに嘔吐する、ぐったりする、車以外でも吐きやすい場合は、乗り物酔い以外の体調不良も考えて動物病院へ相談します。
車酔いしやすい犬は無理に長距離へ進めない
子犬、シニア犬、過去に車で吐いた犬、車に乗る前から強く嫌がる犬は、いきなり旅行や長距離移動に進めないほうが安心です。近所の短時間ドライブで慣らし、毎回吐く場合は次の移動前に動物病院へ相談しましょう。
車移動の前に一緒に読みたい関連記事
【愛犬と行きたい!】おすすめイベント・ワンコOKのお出かけスポットを紹介!
犬の熱中症の症状とは?対策から応急処置まで詳しく解説!
おすすめワンちゃんのしつけ教室・ペットシーターサービスを紹介!愛犬にぴったりの教室は?
ワンちゃん用のおすすめおもちゃ・グッズ・おやつを紹介!愛犬にぴったりな商品は?
【一度は泊まるべき!】わんちゃんと泊まれるホテルを紹介!あなたにぴったりのホテルは?
まとめ
犬の車酔い対策は、休憩だけでなく、出発前の食事調整、車内のにおい・暑さ対策、ケージやハーネスでの安定、短距離からの練習を組み合わせて進めてください。
あくび、よだれ、鳴き声が出た段階で休憩し、嘔吐やぐったりがある場合は無理に移動を続けないでください。車酔いを繰り返す犬は、次のドライブ前に動物病院へ相談するのが安心です。
まずは近所の短い移動から始め、酔わずに帰ってこられる距離を少しずつ伸ばしましょう。車に慣れてきたら、休憩場所、車内温度、犬の体調を見ながら、無理のない範囲でドライブやお出かけを楽しんでください。
最新記事 by だいず(ドッグヘルスアドバイザー) (全て見る)
- 犬の膝蓋骨脱臼って?愛犬(ポメラニアン)の手術体験日記と関節を守る3つの対策 - 2026年7月10日

