「犬にはちみつを与えても大丈夫なの?」という疑問をよくインターネット上でみかけます。
人間にとってはちみつは健康に良いというイメージですが、犬の場合は果たしてどのような影響があるのでしょうか。
そこで本コラムでは、犬がはちみつに与える影響について詳しく解説します。
犬の健康のためにはちみつを与えたいという方は、是非最後までご覧ください。
犬にちみつを与えても大丈夫なの?
結論から述べると、犬にはちみつを与えても問題ありません。
とくに活発な成犬にとっては、健康をサポートする良い食材となるでしょう。
ただし、腸内環境が未発達な子犬や持病のある老犬などにはちみつを与えることは推奨されていません。
したがって、はちみつを与えるのは健康的な成犬および老犬だけにしましょう。
犬にはちみつを与えることで期待できる効果
犬にはちみつを与えることで期待できる効果を6つ紹介します。
老犬の栄養補給
はちみつの栄養素は主にブドウ糖と果糖といった糖質です。
糖質は消化器官に負担をかけず、素早くエネルギーに変わる栄養素としても知られています。
糖質の摂りすぎは禁物ですが、適度に摂取する分には健康上、問題ありません。
とくに食欲が低下しがちな老犬や介護が必要な老犬には適度な糖質が必要です。
糖質が不足してしまうと、低血糖を引き起こしかねません。
そういうときにこそはちみつの出番です。
ドッグフードの上に少しはちみつをかけてあげるだけで、老犬の栄養補給をサポートしてくれます。
犬の咳止め効果
はちみつには抗菌作用や抗炎症作用があり、咳を抑える効果があると言われています。
とくにはちみつに含まれる酵素や酸が喉の炎症を軽減し、咳を和らげるのに役立つとされています。
また、はちみつは天然の甘味料であるため、犬の健康に悪影響を与えるリスクも比較的少ないです。
ただし、犬にはちみつを与え咳を抑えるという方法は、民間療法の域を出ません。
咳がひどすぎる場合には、獣医師に相談すると良いでしょう。
犬の歯周病を防止
はちみつが犬の歯周病を防止する効果があると言われていますが、主にはちみつの抗菌作用によるものです。
はちみつには天然の抗菌物質が含まれており、口内の細菌の繁殖を抑える効果があります。
また、はちみつは抗炎症作用も持っており、歯周病による炎症を軽減できます。
ただ、愛犬の歯周病を100%防ぎたいならはちみつだけに頼るのはやめましょう。
歯磨き等の口腔ケアとうまくはちみつを組み合わせてください。
腸内環境を整える
はちみつには、愛犬の腸内環境を整える効果があります。
なぜなら、はちみつに含まれる「オリゴ糖」と「グルコン酸」にはビフィズス菌や乳酸菌といった善玉菌を増やし、ウェルシュ菌などの悪玉菌を抑制する効果があるためです。
愛犬の便がゆるいとき、食欲がないときなどに、一度はちみつを試してみるのも良いでしょう。
エネルギー補給
はちみつは老犬の栄養補給をサポートすると前述しましたが、成犬も例外ではありません。
まず、はちみつには自然の糖分が豊富に含まれており、即効性のあるエネルギー源となります。
また、はちみつはビタミンやミネラル、抗酸化物質を含んでおり、以上の栄養素が犬の全体的な健康に寄与するのです。
具体的には、はちみつに含まれるフルクトースとグルコースが迅速に吸収され、すぐにエネルギーに変わります。
そして、これらの効果は犬が疲れているときや運動後の回復に役立つと言われています。
病気の予防、アンチエイジング
はちみつは、病気の予防・アンチエイジングの効果も期待できると言われています。
なぜなら、はちみつには下記の効果があるためです。
- 抗酸化作用
- 抗菌・抗ウイルス作用
- 免疫力向上
- 消炎作用
まず、抗酸化物質は細胞の老化を防ぎ、抗菌作用は感染症のリスクを減少させます。
また、免疫力を高める成分が含まれ、消炎作用により慢性炎症を抑えます。
ただ、健康に良いからといってはちみつの与えすぎには注意しましょう。
犬に与えてもよいはちみつの量
ここまで本コラムをご覧頂き、はちみつが犬にとって健康をサポートする優秀な食材であることをわかってもらえたかと思います。
では、犬に与えてもよいはちみつの量とはどのくらいなのかをみていきましょう。
犬種 | はちみつの適正量 |
超小型犬(成犬時の体重~4kg) | 1~4g |
小型犬(成犬時の体重4~10kg) | 5g~10g |
中型犬(成犬時の体重10~25kg) | 10g~25g |
大型犬(成犬時の体重25kg~50kg) | 25g~50g |
はちみつは1gあたり3〜4カロリー程度含まれていると言われています。
そのため、人の感覚ではちみつを与えてしまうとカロリー過多になるおそれがあります。
上表はあくまで目安ですが、愛犬の健康を考えるならはちみつの与えすぎには注意しましょう。
犬におすすめのはちみつレシピ
愛犬にはちみつを与えたいのに、なかなか食べてくれないとお悩みの方も多いでしょう。
そこで、犬におすすめのはちみつレシピを4つ紹介します。
はちみつを水で割る
はちみつ独特のどろっとした食感を嫌がる子も中にはいます。
食感を嫌がる子に対しては、まずは普段の飲み水とはちみつを割って与えてみましょう。
かんたんに実践できるレシピではありますが、水と一緒にはちみつを摂取することで抵抗なく受け入れてくれる子も多いです。
ただ、はちみつを水で割る際には適正量を守りましょう。
はちみつを犬用のヨーグルトに混ぜる
犬用のヨーグルトにはちみつを混ぜるのもひとつの有効な手段です。
犬用のヨーグルトは今やポピュラーなおやつであり、ペットショップやECサイトなどで比較的かんたんに購入できます。
ヨーグルトと混ぜることで、はちみつ独特の食感も和らぐので、是非一度試してみてください。
はちみつを犬用のパンと一緒に与える
はちみつを犬用のパンと一緒に与えると、栄養バランスが向上し、犬が必要とするエネルギーや栄養素を効率よく摂取できます。
はちみつの甘みは犬にとって非常に魅力的で、パンと組み合わせることで、普段は食べにくい栄養素を美味しく摂取できるでしょう。
また、運動後や疲れているときにはちみつとパンを一緒に与えることで迅速なエネルギー補給が可能です。
犬用のパンもペットショップやECサイトなどで購入できます。
はちみつを犬用のクッキーと一緒に与える
愛犬がなかなかはちみつを食べてくれないとお悩みの方は、犬用のクッキーの上に適量かけて与えてみてください。
はちみつを犬用のクッキーにかけることで、はちみつの自然な甘みがクッキーと一体化し、愛犬が喜んで食べるようになります。
クッキーのサクサク感とはちみつの滑らかなテクスチャが絶妙にマッチし、犬にとって魅力的な食感と味わいになるでしょう。
普段から愛犬のおやつとしてクッキーを取り入れている方も多いはずです。
是非、一度はちみつとクッキーの組み合わせを試してみてください。
犬にはちみつを与える際の注意点
愛犬にとってメリットの多いはちみつですが、いくつかの注意点があります。
3つの注意点を紹介するので、当てはまる方は愛犬にはちみつを与えないようにしましょう。
子犬、免疫力の低い老犬には与えない
はちみつを子犬や免疫力の低い老犬に与えることは避けるべきです。
まず、はちみつにはボツリヌス菌が含まれている可能性があり、未成熟な免疫系を持つ子犬や弱った免疫力の老犬では、ボツリヌス菌が原因で重篤な健康問題を引き起こすリスクがあります。
また、はちみつは高糖分食品であり、体の小さい子犬や健康が弱い老犬には過度な糖分摂取が問題を引き起こすおそれもあるのです。
さらに、体重増加や糖尿病のリスクが高まるだけでなく、歯の問題も発生しやすくなります。
したがって、子犬や免疫力の低い老犬には、はちみつの摂取を避け、ほかの安全な食品やサプリメントで栄養補給を行いましょう。
肥満や糖尿病の犬には与えない
肥満や糖尿病の犬には、はちみつを与えないようにしましょう。
はちみつは高糖分食品であり、血糖値を急激に上昇させるため、体重管理が重要な肥満犬や糖尿病を患っている犬には適しません。
とくに、糖尿病の治療でインスリンを使用している場合、はちみつの摂取は血糖コントロールを難しくし、インスリンの効果を乱すおそれがあります。
肥満や糖尿病の犬にははちみつを与えず、低糖質でバランスの取れた食事を提供することが重要です。
アレルギーのある犬には与えない
はちみつに含まれる特定の成分がアレルギー反応を引き起こす可能性があり、犬の健康を害する可能性があります。
アレルギー反応には、下記のような症状があるため、細心の注意を払わなければなりません。
- 皮膚のかゆみ
- 発疹
- 腫れ
- 呼吸困難
- 消化不良
ときには、呼吸困難などといった重篤な症状を引き起こしかねないため、アレルギーのある犬には絶対にはちみつを与えないようにしましょう。
犬とはちみつに関するQ&A
犬とはちみつに関するQ&Aをまとめました。
犬にマヌカハニーは良い?
犬にマヌカハニーを与えても問題ありません。
ただ、同じくはちみつなので、犬に与える際には目安となる量を守りましょう。
はちみつに含まれるボツリヌス菌は犬に悪影響がありますか?
はい、はちみつに含まれる可能性のあるボツリヌス菌は犬に悪影響を及ぼすケースがあります。
とくに子犬や免疫力の低い犬はボツリヌス菌に対して非常に敏感であり、摂取すると深刻な健康問題を引き起こすリスクがあります。
したがって、とくに若い犬や健康に不安のある犬にはちみつを与えるのは控えましょう。
犬がはちみつを食べて良いのは何歳からですか?
一般的には、犬がはちみつを安全に食べられるのは、成犬になってからが望ましいとされています。
具体的には、生後12ヶ月以上を目安としてください。
子犬の免疫システムがまだ完全に発達していないため、はちみつに含まれるボツリヌス菌が健康に悪影響を与えるリスクがあるためです。
まとめ
いかがでしょうか。
本コラムを最後までご覧頂き、はちみつがどのように犬に影響を与えるのか理解できたのではないでしょうか。
結論、はちみつは犬の健康維持をサポートする優秀な食材であると言えます。
ただ、消化器官が未発達な子犬や健康面に不安のある老犬には与えないようにしましょう。
用法用量を守れば、はちみつは愛犬にとって強い味方となります。
本コラムで紹介したレシピを参考にし、愛犬の健康をサポートしてあげてください。
暁彦松井
最新記事 by 暁彦松井 (全て見る)
- 犬は夜行性って本当?夜に活発になる理由とは - 2024年12月3日